頭の上にミカンをのせる

もうマンガの感想だけでいい気がしてきた

「問題集を解くときに答えの部分を見ながらやる」と成長しないという俗説に対してちょっと考えてみた

khtokage AIって、使い方が悪いと問題集を解くときに答えの部分を見ながらやってる感じになっちゃうんですよね。なので全然成長しないし、実際にはちょいちょい間違ってる「答えもどき」なので実害すら出てきちゃう。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/qiita.com/WdknWdkn/items/9b7dea889fec59194df5

多分何気ない発言だと思うので別に上のコメントにすごい反発しているわけじゃないのですが


実際のところ、「問題集を解くときに答えの部分を見ながらやる」ことに強い拒否感を持ってる人いますよね。


私はむしろ「初心者の頃に自分の頭で考えると頭ミサワになるぞ」とか「天才以外は、最初の方は頻繁に答えを見て確かめながらがらやったほうが絶対に良いと思ってる派」なので実際のところどうなんだろうと思ってちょっと確認してみました。


そもそも「自分で考える」と「答えを見る」の間はグラデーションになっており、khtokage さんのコメントがどこを指しているのかわからないと否定も肯定もできない

「問題集を解くときに答えの部分を見ながらやってる感じになっちゃうんですよね。なので全然成長しない」

はなんか単純な二極化に見えますが、文脈的に4~5を指していると思われます。

私は1を否定しており、凡人は積極的に3をやるべきで、そのうち2の方にシフトしていくべきだ思っています。


結論から言うと、やっぱり初心者の頃はむしろ自分の頭だけで考えるのはあまり推奨できないそうです

教育心理学者ジョン・スウェラー(John Sweller)が提唱した
「負荷理論(Cognitive Load Theory)」では、学習の効率を以下のように説明しています。


en.wikipedia.org

1️⃣例題学習効果(Worked Example Effect)

初心者が自力で問題を解こうとすると、脳が「解き方を探すこと」だけにリソースを使い果たし
「解き方の構造を理解し、長期記憶に定着させること」にリソースが回らなくなります。

研究結果: 自分で解こうとしたグループよりも、「完成された解答と解説を読み込んだグループ」の方が、後のテストで高いスコアを出し、学習時間も短かったという実験結果が多数あります。
結論: 「答えを見る」ことは、脳に正しい「思考の地図」を効率よくインストールする作業です。


en.wikipedia.org

2️⃣専門性反転効果(Expertise Reversal Effect)
ただし、学習が進み「中級者以上」になると、答えを見るよりも「自分で考える」方が学習効果が高まります。

理由: すでに基礎がある場合、答えを提示されることが逆に脳の活動を妨げる(冗長になる)ためです。




なので、レベルに応じたやり方があるけれど、

そこで単に「そんなの人それぞれだよね」で終わらせるのじゃなく

「このレベルだとこれ」「成長してきたらこれ」という風にうまく割当ができるといいですね。


現在概念的な理解(大人向け教育)というテーマにおいて「最強の学習法」とされているのは「プロダクティブ・フェイラー」というそうです


※図にある通り、手続き的な知識についてはわざわざこの方法でやっても効果は変わらないそうです。

現在の研究で最も効果的とされるのは「グラデーションの中間」をシステム化した「プロダクティブ・フェイラー(生産的失敗)」という手法だそうです。

fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp

・軽い試行(5分程度): 答えを見ずに、どう解けばいいか少しだけ考える(脳に「受け入れ態勢」を作る)。

・答えの確認(インプット): 解答を読み、自分の考えとのギャップを確認する。

・再構築(定着): 答えを隠して、自分の手で再現する。


言われてみると、高校生の頃はだいたいこんな感じの方式の授業運営がされていたような気がします。



おまけ:プロダクティブ・フェイラー方式教育について詳しく知りたい人だけ読んで

ここからが説明になります。解説用スライドは用意しましたが、長いので本当に興味がある人だけ読んで。

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