奏章1(AI聖杯戦争)、奏章2(巌窟王の仕掛け)も読み終わっており、どちらもしっかり面白かったです。
ただ、終章への布石の色が強くて、終章を読み終わった後だと答え合わせ感が強かったです。
一方でこの奏章3 は単体でも成立するくらいめちゃ面白かったですね。
さすがに、第二部6章のアヴァロン・ル・フェほどのボリュームはなかったですが、かなり自分的には刺さるシナリオでした。
AIと人間の関係性を問う物語
すでに人類が滅びさった後の3017のムーン・ドバイが舞台となっている。
そこでは「ドバイBB」という支配者がいて、彼女の支配のもとで
なぜか人類が滅びた後で「人類が滅びた原因を決める」投票を行っていた。
人類は滅びているのだから、そんなもの必要ないはずなのに・・・
じゃあポストアポカリプスものなのかというとそうではなくサスペンスもの
主人公たちは作品舞台において、
AIが三世代にわたって変化してきたことや、AIそのものがどのように思考しているか
そして、AIが人類をどう認識しているかをやり取りを通じて知っていく。
そして、話せば話すほど「AIは人類を滅ぼしたりはしない」ということを確信していく。
その結果として「人類を滅ぼしたのはAIではない。人類を滅ぼすのは人類だけ」ということがわかる。
「では、人類はいかにして自ら人類を滅ぼしたのか」
「人類は、人類を滅ぼす何を生み出してしまったのか」
ということを考えていくSFおよびサスペンス作品となっていく
物語の課程において、7人のムーン・キャンサーが「人類を滅ぼした原因」を提示する
・人類ひきこもりや人類機械化計画(エジソンオルタ)など最初はお遊びレベル
途中からは本格化し、どれも簡単に人類を滅ぼしうるものであったが
主人公たちはド派手なバトルとともにすべてをしのぎ切る。
・キング・プロテアの暴走など(実際はカズラドロップ)

・人類悪の幼生・愛玩の獣(コヤンスカヤ)
・人類悪Ⅴ(保存のビーストになったエレシュキガル)
・アーキタイプ・アース(アルクウェイド・ブリュンスタッドの第一側面)
・人類悪Ⅲ・R(殺生院キアラ)
・AIが自壊する覚悟で人類に背いて人類を滅ぼす(ドバイBB)
人類はもう滅びてるというのは確定していて覆しようがないんだけど
人類の終わり方を選ぶという発想はななんか面白いよね。
まじでラスボスラッシュとなっており戦いはどれもド派手で面白かったです。
敵が強いので味方側も豪華!

これは本当に奈須さん以外の人がやりたいといってもできない贅沢なシナリオですね。
しかし、そうやって強敵たちをすべて打倒し
「人類が滅んだ理由」として提示された答えすべてを却下した結果・・・
最後に残った答えは最も恐ろしいものだった。
ドバイBBは真犯人を最初から知っていたが、◯◯を守るために沈黙し、別の原因を探していた
そうこうしているうちに、ドバイBBの正体(ラストスロット)と目的が判明し
ドバイBBが立ち向かおうとしていた「人類を滅ぼした真の原因」が判明する。




そして真の原因が登場するのだが・・・
実は物語の最初から提示されていたが、あえて思考しないようにしていた存在だった。
というお話です。
というわけで
とても楽しかったです。
・Fate Extraの主人公たちも登場するし
・Fate Extraで人気で、FGO内でも毎年恒例となったサクラファイブたちがが活躍し
・月姫のアルクウェイドやシエル先輩も登場
・ドバイという舞台や歴史的背景なんかも盛り込まれつつ
・ありとあらゆるSF作品のオマージュが散りばめられ
・ラストでも見たことがある展開でありながら、終わった後の感触はfateだなぁ・・・っていう感じで〆る。
奈須きのこさんのシナリオは
自分たちが知っているもの、オタクが好きそうなものを鍋のようにぶち込みまくって
ぐつぐつ煮込んだ結果、
なぜかコース料理になってお出しされているというものとなっており
「鍋→コース料理」への変身を成立させる構成力が半端ないなと思う。
文学とかではない。
もうひたすらにぶち込む情報量が多くて
それらをちゃんと処理し切ってるところがすごい。
奈須きのこさん自身がAIなんじゃないか説あると思います。