はっきりいって本編はあんまり面白くなかった。
「マハーバーラタ」について最低限の知識がないと楽しめないシナリオのような気がする。
物語としてはすごく良くできてたと思う
・黒幕「無限にアルターエゴを量産する仕組みとして輪廻転生のように繰り返す聖杯戦争をデザインしたよ!」
・聖杯戦争を潤滑に運営するために「ドゥルガー」というやばい存在が控えてるよ! (ギルガメッシュ的な存在)
・でも、ドゥルガーは黒幕に従うような安い神ではなかったから、黒幕を利用して「カーリー」になりました!
・そして、カーリーの目的は◯◯◯でした!!!
・カーリーを止めないとやばい。でもカーリーやドゥルガーはあまりにも強すぎる! どうやって倒せばいいの!?
という感じで、とにかく構図はすごく良かったと思うのよ。
神話の要素と絡めながらおお、すごいってなるような伏線回収が達成されてたはず。
登場人物がインドの叙事詩に出てくるすごい英雄ばっかりだったからわかってる人にはすごい楽しかったんじゃないかな。
でも私は、ドゥルガーとかカーリーと言われてもあまりピンとこなかったし
全体的にのんびりした雰囲気から急にそんな事言われても・・・って感じでテンションの変化についていけず「ふーん」ってなっちゃった。
それどころかドゥルガーさん、えっちすぎる・・・としか思わなかった。 最悪だ。


ほかにも見せ場が無かったわけではない。
キャッチーな要素として間桐臓硯やレフ・ライノールのアルターエゴ的なAIも出てきたし。

それでも、基本的に「戦う動機がないAIを無理やり戦わせる」という構図だったから
マスター側に戦う意志があるものが少なく、全然物語が動かないしワクワクしなかったんだよね・・・。
明確に戦う意欲があった間桐臓硯AIの動機はどうでも良すぎて
「はよしね」(福井弁ではやくしろという意味)としか思わなかったし
その後のドゥリーヨダナとビーマの対峙は、どっちもピンとこなかった。
そして上で述べたように「ドゥルガー」の登場こそが一番盛り上がるポイントだったはずだが
残念なことに私はドゥルガーの凄さが全然わかってなかった。(ギルガメッシュとかアルジュナよりも強いです)
なので、ひたすら「アーユスちゃんいい子だね・・・健康的な妹キャラだね・・・」くらいしか感想が持てなかった。
これはシナリオが悪いというよりは私が教養がないのが悪い・・・教養がないとこういうときに楽しめないのが悔しい
というわけで、ペーパームーンの感想というよりはマハーバーラタについて調べたメモだけ残しておく
『マハーバーラタ』は、「ある巨大な一族が、王位継承をめぐって二つに分かれ、最終的に世界を巻き込む大戦争を起こして滅び去るまで」を描いた壮大な歴史叙事詩
その長さは聖書の約4倍
ギリシャ神話の『イリアス』『オデュッセイア』を合わせたものの10倍近くあり
「この世にあるものはすべてここにある。ここにないものはどこにもない」と言われるほど、あらゆる人生訓や哲学が詰め込まれています。
・「従兄弟喧嘩」が「世界大戦」に発展する話
・正義の側が勝つが、誰も幸せにならない悲劇
・神々や英雄が入り乱れるインド最大のエンターテインメント
全体の構造を理解しやすく、4つのポイントで解説します。
1. 対立の構図:従兄弟同士の争い
物語の中心は、ハスティナープルという王国の王位をめぐる、
パンドゥ家(5人兄弟)とクル家(100人兄弟)の対立です。
彼らは従兄弟同士です。

2. 物語の大きな流れ(5つのステージ)
物語は大きく分けて以下の5つの段階で進みます。
誕生と修行: 兄弟たちが共に育ち、武術を学びますが、カウラヴァ側の長兄ドゥルヨーダナが、優秀なパーンダヴァ兄弟を激しく嫉妬するようになります。
賭博と追放(転換点): 卑劣な罠によって、パーンダヴァ側はサイコロ賭博で国も財産も、さらには妻のドラウパディーさえも奪われ、13年間の流浪の旅に出されます。
大戦争(クル・クシェートラの戦い): 13年が過ぎ、約束通り国を返してほしいと頼みますが拒絶され、ついに18日間に及ぶ大戦争が勃発します。
ここで有名な『バガヴァッド・ギーター』(神クリシュナの教え)が説かれます。
勝利と虚しさ: パーンダヴァ側が勝利しますが、一族のほとんどが戦死し、凄惨な結果となります。
終焉: 勝利した王たちもやがて世を去り、神クリシュナもこの世を去り、物語は「カリ・ユガ(暗黒時代)」の始まりを告げて終わります。
3. 中心テーマ:ダルマ(正義・法・義務)
この物語を貫いているのは「ダルマ(Dharma)」という概念です。
「何が正しいのか?」「親族を殺してまで守るべき義務とは何か?」という問いが、登場人物たちを常に苦しめます。
パーンダヴァ側は「正しい道(ダルマ)」を歩もうとしますが、勝つために卑怯な手を使わされることもあります。
カウラヴァ側は「欲望」に忠実ですが、彼らなりの理屈や絆があります。
この「白黒はっきりしない人間ドラマ」が、数千年以上経っても人々を惹きつける理由です。
4. 脇道の多さ(挿入話)
『マハーバーラタ』には、本筋とは直接関係ない「エピソード」が大量に含まれています。
有名な『ナラ王物語』や『サヴィトリ物語』なども、実はこの中に含まれる「おまけの話」です。
前回解説したドゥフシャラーも、こうした広大な物語の網目の中に現れる、戦争の悲劇を象徴する重要なパーツの一つなのです。
ドゥフシャラーについて
インドの叙事詩『マハーバーラタ』において、ドゥフシャラー(Duhshala)は、100人のカウラヴァ兄弟の唯一の妹として知られる非常に重要な、そして悲劇的な女性キャラクターです。
多分、これマハーバーラタ知ってる人はすぐに分かってニヤニヤしながら物語読んでたんじゃないかな。

彼女は、主要な戦闘員ではないものの、カウラヴァ側とパーンダヴァ側の間に横たわる複雑な血縁関係と、戦争がもたらす虚しさを象徴する存在です。
1. 出自:101番目の子供
ドゥフシャラーは、ハスティナープルの王ドゥリタラーシュトラと王妃ガーンダーリーの間に生まれた唯一の娘です。
誕生の経緯: ガーンダーリーが産んだ肉の塊を、聖者ヴィヤーサが101の瓶に分けた際、100人の息子の他に、もう一人の娘を望む願いから101番目の瓶から彼女が生まれました。
兄弟との関係: 彼女は100人の兄(ドゥルヨーダナ、ドゥフシャーサナなど)に溺愛されて育ちました。
2. 結婚:シンドゥ王ジャヤドラタとの縁
彼女はシンドゥ王国の王、ジャヤドラタと結婚しました。この結婚は政略的な意味合いもありましたが、後に彼女にとって大きな悲劇の種となります。
夫ジャヤドラタの悪行: ジャヤドラタは、森に隠棲していたパーンダヴァの妻ドラウパディーを拉致しようとして失敗し、アルジュナやビーマによって屈辱を味わわされた過去がありました。
クル・クシェートラの戦いでの役割: クル・クシェートラの戦いにおいて、夫ジャヤドラタはカウラヴァ側につき、アルジュナの息子アビマニュが孤立して殺害される原因を作りました。これに激怒したアルジュナによって、ジャヤドラタは討ち取られます。
3. 戦後の悲劇:息子スラタの死
大戦争が終わり、カウラヴァ兄弟が全滅した後も、ドゥフシャラーの苦難は続きました。
アルジュナの遠征: 戦後、ユディシュティラが挙行した「アシュヴァメーダ(馬祀祭)」の儀式で、放たれた馬を追ってアルジュナがシンドゥ王国に到達しました。
息子の死: 当時シンドゥを治めていたのはドゥフシャラーの息子スラタでした。
彼は、かつて父を殺したアルジュナが攻めてきたという知らせを聞き、その恐怖のあまり心臓発作(あるいはショック)で亡くなってしまったと伝えられています。
4. アルジュナとの再会と和解
ドゥフシャラーは、幼い孫(スラタの息子)を連れてアルジュナの前に現れます。
彼女は、かつての従兄弟であり、兄たちと夫を殺した相手であるアルジュナに対し、悲嘆に暮れながらも和解を求めました。
アルジュナの悔恨: 妹のように可愛がっていたドゥフシャラーの変わり果てた姿と、甥であるスラタの死を知ったアルジュナは、深い悲しみと罪悪感に苛まれました。
結末: アルジュナは戦いを止め、ドゥフシャラーの孫をシンドゥ王国の正当な後継者として即位させ、その安全を保障しました。
5. 彼女の役割と象徴性
ドゥフシャラーの物語は、『マハーバーラタ』において以下の点を強調しています。
戦争の代償: 勝利したパーンダヴァ側にとっても、親族である妹をこれほどまでに不幸にしたことは、勝利の虚しさを際立たせています。
女性の視点: 英雄たちの武勇伝の裏で、家族を失い、国を守らなければならなかった女性の苦悩を代弁しています。
許し: 最終的に彼女がアルジュナを受け入れ、アルジュナもまた彼女を慈しんだ場面は、長い憎しみの連鎖の終焉を象徴しています。
ドゥフシャラーの『マハーバーラタ』全体における位置づけ
登場頻度こそ低いものの、物語の「悲劇の象徴」および「一族の和解の架け橋」として、非常に重要な精神的役割を担っています。
具体的に、物語のどの段階でどのような位置づけにあるのかを整理します。
1. 物語の序盤(アディ・パルヴァ):誕生の特異性
彼女の登場は、カウラヴァ100兄弟の誕生と同時に語られます。
位置づけ: 100人の息子という「武力」の象徴に対し、唯一の娘である彼女は「慈しみ」や「家族の絆」の象徴として配置されています。
象徴性: 聖者ヴィヤーサが彼女のために追加の瓶を用意したというエピソードは、彼女が両親や兄弟にとって「特別な存在」であったことを強調しています。
2. 物語の中盤(ヴァナ・パルヴァ〜戦時):対立の緩衝材
彼女自身が表舞台で戦うことはありませんが、彼女の存在がパーンダヴァとカウラヴァの激しい憎しみを一時的に緩和する装置として機能します。
位置づけ: 彼女の夫ジャヤドラタがドラウパディーを拉致した際、パーンダヴァ側(特にユディシュティラ)は、**「妹ドゥフシャラーを未亡人にしてはならない」**という理由で、ジャヤドラタの命を救いました。
役割: 彼女は、敵対する両陣営にとって「共通の妹」であり、血みどろの抗争の中でも唯一「攻撃対象にならない聖域」のような立ち位置でした。
3. 物語の終盤(アシュヴァメーダ・パルヴァ):戦争の総括
彼女の最も重要な役割は、大戦争が終わった後の「馬祀祭(アシュヴァメーダ)」の場面にあります。
位置づけ: 100人の兄を失い、夫を殺され、さらに息子までもが恐怖で命を落とすという、**戦争が生んだ「悲劇の集大成」**として登場します。
役割: 彼女がアルジュナの前に赤ん坊(孫)を連れて現れるシーンは、物語の結末において「復讐の虚しさ」を読者に突きつけます。ここでアルジュナが彼女に謝罪し、孫を王に据えることで、ようやく両家の長きにわたる恩讐が形式的に解消されるのです。
ついでにドゥルガーとカーリーの関係も見ておくか
うん、これ読んでようやく「ドゥルガー」があまりにもやばすぎるンゴ・・・ってなったけど
知らないと出てきても「絶対無理だろ。。。っていう絶望感」が伝わらなかった。ごめん。
ちなみにクソ長いので読みたい人だけ読んで
