とりあえず高市政権の評価軸として3点評価ポイントを整理しておきます。
1:自国通貨安に対してどのような対応策を取るか(日銀による利上げにどのような態度を取るか、為替介入をどのように位置づけるか)
2:消費税減税をどのようなプロセスで実施するか
3:最終的に増税を行うことはわかっているのだが、その増税をどのようなプロセスで実施するか
当たり前ですが、長期的に見て高市政権が減税してくれると思ってる人がいるなら、高市政権がなぜ支持されているのかという前提からちゃんと考えたほうが良いと思います。
まず「トランプ関税負担」と「円安容認」の関係について
2月12日、ニューヨーク連銀が発表した報告書は衝撃的でした。「トランプ関税の90%は米国の消費者と企業が負担している」という真実。
トランプ氏がいくら「他国から金を吸い上げている」と豪語しても、実態は米国内の物価上昇を招いているに過ぎない。
トランプザマァ!
かと思っていたら、日本だけは例外なんですよね・・・。

日本は自動車業界を中心にして関税を日本企業側が負担させられているケースが目立つらしいです。
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2601b.pdf
日本の自動車業界は米国向けの輸出価格をかなり大掛かりに引き下げた。2025年6月の北米向け乗用車の輸出物価指数(契約通貨ベース)は前年比で19.4%低下となり、自動車関税の引上げ分25%の大半を自主的に吸収した。これを可能にしたのはドル高円安進行であった。要するに日本の自動車業界は最適関税理論通りに行動しており
https://note.com/shennote/n/n55c0d3b4acaf
日本企業は、トランプ関税の大部分を自国側で負担し、米国内での価格転嫁を最小限に抑えています。
本来なら、日本経済は大打撃を受けて倒れていてもおかしくありません。
しかし現時点では「歴史的な円安」がこの負担をカバーしています。
円換算した時の売上の増加が、関税による損失をオフセット(相殺)している。
つまり、日本は「円安というコスト」を払うことで、トランプの機嫌を損ねずに済んでいたわけです。

高市さんが国内のインフレが問題になっている状況でも円安対策に本格的に舵を切れなかったのは
この「トランプへの上納金」を円安というクッションで吸収し続けていたからという事情があります。
消費減税の財源問題と 「外為特会の利確」の話について
ここで多くの国民が期待している「期間限定の消費減税」の話が出てきます。
高市さんは「消費減税は悲願」と言いつつも、その財源については明言を避けてきました。
しかし、そのパズルのピースは「外為特会(外国為替資金特別会計)の利確」にあります。

円安が行き着くところまで行った段階で、ドルを売り円を買う「為替介入」を行う。
そこで得られる莫大な為替差益を一般会計に繰り入れ、減税の財源にする。これが彼女の描くシナリオでしょう。
これがベストなシナリオで進行すれば、日銀の利上げを急がずとも
一定期間は円安進行を抑え、かつ期間限定とはいえ消費減税によって国内消費を促進できます。

とはいえ、これは極めて危険な綱渡りになります。
・市場の暴走リスク: 為替介入によってドル円が10円単位で急落すれば、日本企業の想定レート(146円~150円)を割り込み、一気に下方修正ラッシュと株価暴落を招きます。
・米国の逆鱗: 財源確保のために為替を操作していると見なされれば、トランプ政権からの「為替操作国」認定というブーメランが飛んできます。
「円安をギリギリまで引っ張り、一気に介入して財源を抜き取り、その金で減税して支持率を繋ぎ止める」。
この複雑な手順のうち、タイミングや手順を間違うと、あっという間に高市ジャパンへの期待は一瞬で崩壊します。
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-02-17/TAKMYJKK3NYD00
LSEGリッパーのデータによると、2月11日までの週に欧州とアジアの株式ファンドに大量の資金が流入した。
割高なバリュエーションや人工知能(AI)関連支出増加への懸念から、投資家が米国の大型株へのエクスポージャーを縮小したことが背景
現時点では中国による日本国際購入や、アメリカ一極集中からアジアなどへの資金移動があり、なんとなく日本市場はいい雰囲気ですが
逆に言えばすでに高市さんのシナリオは崩れかかっています。

2月~3月にかけてどんどんと日経平均のリスクが高まってますね(3月SQ以降は買いという考え方は変わっていませんが、その前の調整は結構重たそう)
言うまでもないけれど 高市早苗の“本命”は実は「増税」であり、これをどのように経済にショックを与えない形で実現していくかが一番問題
