誰が読んでも絶対に楽しいであろう作品。

小学生・赤星めぐみちゃん(M)と、殺し屋の純一(J)が入れ替わるというだけの設定で出落ちにならず、ここまで面白いマンガ作れるの天才すぎる。
設定だけじゃなくてちゃんと1話の段階からキャラクターに人情味持たせるのが上手いんだよなあ・・・。

あと作者が「保護者役の大人 ☓ 子ども」という関係に強いこだわりがあるのだけれど
だいたい大人が抜けてるところがあって、子ども側がすごく賢いというバランスなのでちゃんと釣り合いが取れてて良い。
本作では「賢い」というか、恵みちゃんの方がラブコメマンガをたくさん読んできたせいでイケメンやハードボイルドの演じ方が上手い。

まぁそんな感じで二人の凸凹コンビで仕事をこなし、しっかり二人の関係を作ったうえで今回は殺し屋キャラが増えてくる。

殺し屋たちは前作同様に「アンジャッシュコント」やってくれるし本当に掛け合いが楽しい。

4巻からは入れ替わりの天丼もあるぞ。

ぶっちゃけストーリーがなかったとしても、掛け合いを見てるだけで楽しすぎて読むのが止まらない。
すごく良い作品。

「ひどい親に育てられたり捨てられた子ども」が「まともじゃないけど許容力のある大人との間で親子の再契約をする話」
一応ちょっとだけ真面目な話をすると、この作者さんは3作品とも底に流れてる人間関係の構図が共通してますよね。
■ ヒナまつり
ヒナ:研究施設育ち(=人間的な養育の欠如)
新田:ヤクザ(社会的には逸脱者) → 生活の中で「父親役」が形成される
■ 女子高生除霊師アカネ!
アカネ:家庭環境が崩壊気味/社会的にも孤立
周囲の大人:霊能力者・依頼人など、基本的に“まともではない側” → 明確な保護者ではないが「ゆるい擬似的な支え」が存在
■ J⇔M

恵:家庭・学校ともに居場所なし
J:殺し屋(極端な逸脱者) → 入れ替わりを通じて強制的に関係が構築される
▶ 共通フォーマット
1機能不全の家庭 or 保護の欠如
2社会的に逸脱した大人
3偶然 or 強制で関係が発生
4生活・行動の中で関係が更新される
5結果的に“親子的な機能”を持つ
ここで重要なのは 最初から「親子」をやろうとしていないという点です。
「除霊師アカネ!」の場合はそもそも親子ですらない関係の寄せ集めなので「保護の形式がさらに曖昧」でも成立する。
「親子」ではなく「生存のための関係ネットワーク」みたいなものを描いてる気がします。
普通の大人ではなく、「変な大人」なのはどういう意味があるのかな?
普通の物語だと「正しい大人が救う」
大武作品の場合は「正しい大人はそもそも来ない/機能しない」
代わりに出てくるのが「倫理的には怪しいが、子どもの生き方に寛容で、行動は一貫している大人」
新田 → 面倒見はいいがヤクザ
J → 殺し屋だがなんか恵の好きにさせてる
アカネ →怪しいもの同士
子ども側が一方的に庇護される存在ではなく、むしろ大人を振り回すタフさを持っており、大人が子どもたちの奇妙な行動を受け入れる度量がある関係がめっちゃいいよね・・・
「かわいそうな子ども」では終わらせていない
「愛情」という親の義務みたいなものでははなく「パートナー」というほど対等な関係でもなく、絶妙な関係
になってて、「親子なんだから愛すべし」みたいなべき論がなく、子どもが好き勝手やってて、保護者側もそれなりに楽しそうにやってる
という結構難しいことをやっているなと思う。
・なんせ、普通のこどもを普通の大人が引き取って育てることはできない。そんなことをしたら「幸色のワンルーム」みたいになってしまう。
・ただ子どもが年上の大人に憧れるだけだと「恋は雨上がりのように」とかのようにグルーミングスレスレになってストレスのほうが大きい。
・現実側に寄せようとすると「違国日記」みたいにコミュニケーションコストが重たくなりすぎてエンタメとしてはしんどい。
ということを考えた時に、そういうリアリティ的なところからいったん切り離して
「こういう人間関係いいよね」ってのを手を変え品を変え見せてくれるのが本当にすごいと思う。
この作者さんは「異世界」というフォーマットがなくても「異世界」ものを描いている作者さんよりも自由だ。
まぁごちゃごちゃ書いたけど、深く考えなくても掛け合いが本当に楽しい作品
「チー付与」が好きな人はこの作品も絶対に読むべし!読むべし!
本作は、3作品の中では一番毒親要素が薄い(一応愛情はある)のでまだなんとかなる・・・と思う。







