素晴らしい。単に発達障害というだけでなく、ちゃんとウェクスラー知能検査の結果を載せてくれていると、話がスムーズになる。
前置き 自分の凸凹を知っておくといろいろ役に立つよ
「星霜の心理士」の感想でも書いたけれど、
発達障害について語る時に、WISC/WAISテストの概念はかなり重要だと個人的に思っている。
特にASDについて語るときは自分の特性の凸凹をちゃんと認識しておかないと、ASDという認識だけでは自己理解には程遠い。
健常者からしたらASDの人はすべて同じに見えるかもしれないが、自分がなにが得意なのか、なにが苦手なのかがわかってないと
自分に合わないアドバイスや教えを元に行動してさらにドツボにはまってしまう。
ちなみに最近はWISC-Ⅴという形でアップデートされており、5つの軸での評価になっている。
つまり「評価指標」は絶対ではなく、社会が求める能力が変化するにつれて変わっていく。ただ4つの軸でもある程度理解はできる。
少なくとも血液型占いや性格診断よりは役に立つので、健常者の方でも自分はどういうタイプかなと一度考えてみてほしいです。
ちなみに私は言語理解が人より高く、知覚統合は平均的。他2つが普通の人より劣る、というタイプでした。
増田の話に戻ると・・・
書かれているWAISのプロファイルを見ると、
・言語理解・作動記憶がかなり高い
・知覚統合・処理速度が相対的に低い
というタイプであり、「頭ではわかるけど、実感としてはわからない」タイプということがわかる。
これは典型的なASDタイプらしい。記述とも一致している。
「一緒に食べると楽しい」という意味は理解できる
でも実感としてはピンとこない
発達障害が「遅れて」知覚統合を発達させるケースはまあまああるらい
発達障害の人では、感情の理解や共感が「遅れて発達する」ある時期に急に開くということが結構ある。
これは専門的にははっきり名前があるわけではないのだけれど、「社会経験の蓄積」「神経発達の成熟」「内省の繰り返し」などによって「今までつながってなかった感情回路がおとなになってからつながる」ことが起きる場合がある。
特に身近な人やペットの死などはトリガーになりやすい。
発達障害者は感情が薄いわけではなく「処理・理解・統合が遅い」だけなので、強い感情イベントがあると「抑えられていた感情処理が一気に動く」「共感・孤独・愛着が一気に実感として入ってくる」ことになる。
ただ、遅れて発達するのはいいことばかりではない。特にぼっちに慣れきった後に孤独耐性が弱まったり、オタク生活が急に楽しめなくなるなどのケースが起きることがある。
オタク向け作品の何割かは、ぶっちゃけ発達に偏りがある人向けに作られているから。
今まで辛くなかったことを辛いと感じたり、今まで好きだったものに熱中できなくなるのは化物語で言われていた「人間強度が下がる」という感覚に陥りがち。
発達してしまったら、特性バランスの変化に合わせて、対人スキルや人間関係などを変えてしかないといけないので結構めんどうくさい
健常者の人はあまりそういうことを考えなくて済むらしいけれど
発達特性がある人間って、他の人に合わせるために自分の特性を理解したうえで、どのように振る舞うか「あえて自分を型にはめる」ことで生きているケースが結構多い。
少なくとも私はそうやって生きてきた。
窮屈だと思わないわけではないけれど、それによって脳のリソースを節約して、毎日人といるだけで疲れてなにもできなくなる状態を防げてきた。
あえて「自分を固定化・状況に最適化」させることでなんとか生き延びてきたので、
そのバランスが崩れたとなると、自分のOSごとアップデートするような感覚になる。大変に面倒くさい。
なので、増田の悩みはすごくよく分かる。
私も「わかる」しか言えない。
でも、ASDの人間、特に言語特性にパラメーターを振ってる私達のような人間は他人から「わかる」って言ってもらえることが少ないのではないだろう。
なので、とりあえず「わかる」という気持ちだけは示しておきたかった。

