頭の上にミカンをのせる

もうマンガの感想だけでいい気がしてきた

アメリカに対して面と向かって「ホルムズ海峡の問題は米国とイスラエルによる違法なイランへの攻撃が原因だ」と言っている国を整理してみた結果、日本の立ち位置の苦しさがよく分かる

この件に関しては中国の振る舞いは実に堂々としている。

毅然とトランプを批判し、それだけでなくイラン側も批判し、EUとイランとの間で停戦枠組みを推進するための積極的な協議を行っている。




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ホルムズ海峡は世界の石油の20%を運んでおり、すでに1か月以上閉鎖されている。

2,000隻の船舶が今、海峡近くで動けずにいる。閉鎖以来、船舶の迂回は360%以上急増している。

イランは通過する船舶1隻あたり200万ドルを請求しており、年間潜在的に1,000億ドルのレバレッジとなる。

アメリカは戦争を仕掛け、敵に世界経済の鍵を手渡した。

世界は今、二つの陣営に分かれている。

一方は、軍事力で海峡を再開できると信じている。

もう一方が、米国が消す計画のない火をつけたと信じている。



トランプは同盟国に軍艦の派遣を求めたが、中国は拒否した。今法を守っているのは米国ではなく中国の側になってしまっている

トランプは今、他の国々に海峡の再開のために自分でなんとかしろと求めている。

jp.reuters.com

北京は代わりに、EUとイランとの間で停戦枠組みを推進するための積極的な協議を行っている。








中国外相は、米イスラエルによるイラン攻撃は「明らかに国際法に違反している」と述べ、ロシアと組んで国連安全保障理事会を中心に世界情勢をコントロールしようとしている

北京:中国の王毅外相は木曜日、EU、ドイツ、サウジアラビアの外相と電話会談を行った際、米国とイスラエルによるイランへの攻撃は国際法違反だと述べたと、中国国営メディアが報じた。

王氏はまた、中国が常任理事国を務める国連安全保障理事会(UNSC)は「紛争の激化を防ぎ、無許可の軍事行動を合法化すべきではない」と強調したと、国営放送CCTVが報じた。

同理事会はホルムズ海峡での武力行使に関する決議案について議論している。

バーレーンが提出した決議案は、2月下旬に始まった米イスラエル合同軍事作戦以来、イランによって事実上麻痺状態に陥っているホルムズ海峡における航行の自由を確保するため、各国が「必要なあらゆる手段」を用いることを認めるものだ。

「米国とイスラエルがイランに対して行った軍事攻撃は、国連安全保障理事会の承認を得ておらず、明らかに国際法に違反している」と

王毅外相は木曜日にドイツのヨハン・ヴァーデフール外相との電話会談で述べたと、中国中央テレビが報じた。

「国連安全保障理事会の行動は、事態の緩和に焦点を当てるべきであり、無許可の軍事行動に正当性があるかのように見せかけることや、ましてや紛争をさらに激化させることに焦点を当てるべきではない」と、王毅外相は欧州連合のカヤ・カラス外務代表との電話会談で述べた。

北京はテヘランの緊密なパートナーであり、イラン産原油の主要な購入国である。イラン産原油のほとんどは、この海峡を通過する。しかし、中国は湾岸諸国と強い経済的結びつきがあり、これらの国々への攻撃を繰り返し非難してきた。

CCTVによると、王氏はサウジアラビアのカウンターパートとの別の電話会談で、国連安全保障理事会が事態の沈静化という役割を果たさなければ、「中小国」が「終わりのない問題」の矢面に立たされるだろうと警告した。

中国はパキスタンと共に、戦争終結に向けた5項目のイニシアチブを提示した。

5つのイニシアチブ(5項目の提案)の内容

①敵対行為の即時停止
即時停戦と戦闘の終結を呼びかけ、紛争のさらなる拡大や波及を全力で阻止すること。また、被災地への人道支援物資の搬入を認めること。

②和平交渉の早期開始
関係諸国の主権、領土の保全、独立と安全の保障。対話と外交のみが解決策であるとし、武力による威嚇を排除した交渉の開始を求める。

③非軍事目標(民間施設)の安全確保
民間人やエネルギー施設、海水淡水化プラント、発電所、原子力施設などの重要インフラへの攻撃を直ちに停止し、国際人道法を遵守すること。

④航路の安全確保
ホルムズ海峡および周辺海域の安全を保護し、民間商船の速やかな通航を確保して、世界的なエネルギー・貨物輸送の停滞を解消すること。

⑤国連憲章の優位性保護
国連安全保障理事会が本来の役割を果たし、無許可の軍事行動を正当化せず、国際法に基づく秩序を維持すること。

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でも決して中国だけじゃない

アメリカ(およびイスラエル)に対して「イランへの攻撃は違法であり、それがホルムズ海峡問題の原因だ」と真正面から主張しているのは、中国だけではない。

現在の国際情勢において、中国と同様の、あるいはより厳しいトーンで批判を行っている国や勢力は主に3つのグループがある

① ロシア:中国と並ぶ批判の急先鋒
ロシアは、今回の米イスラエルによる対イラン軍事作戦(プロジェクト「エピック・フューリー」等)を「主権国家に対する挑発的かつ一方的な武力侵略」と呼び、中国以上に激しい言葉で非難している。

ロシアは中国と共に国連安全保障理事会の緊急会合を招集し、米国のアクションが国際法(国連憲章)を根底から破壊するものだと主張。 ホルムズ海峡の混乱はアメリカによる「政権交代(レジームチェンジ)」を目的とした違法な攻撃が招いた二次的な結果であり、責任はすべて攻撃側に帰されるべきだという立場を鮮明にしている。


② 「グローバル・サウス」の主要国
中国が主導する外交努力に呼応する形で、多くの中堅国家や途上国も法的な観点からアメリカを批判している。

南アフリカ: ラマポーザ大統領は、今回の攻撃を「国連憲章の明白な違反」と断じ、自衛権の乱用であると指摘。

ブラジル: 「交渉プロセスの中での軍事行動は受け入れられない」とし、米国の行動が国際秩序を不安定化させていると批判。

トルコ: エルドアン大統領は、イスラエルのネタニヤフ政権が主導した「扇動」が原因であると述べ、米国の加担を批判。

オマーン: 伝統的な仲裁役であるオマーンでさえ、今回の米国の行動は「国際法の規則に違反している」との声明を出した


③ EU内での「温度差」
アメリカの同盟国が多い欧州でも、足並みは必ずしも揃っていない。

イギリス・カナダ・オーストラリアはアメリカを全面的に支持しており、

ドイツ・フランスはかなり中国寄りの姿勢。 王毅外相が電話会談したドイツ(ヴァーデフール外相)やEU(カラス代表)は
表立ってアメリカを「違法」と呼ぶことは避けているものの「軍事行動による事態の激化」には強い懸念を示しており
中国が主張する「外交による解決」の必要性については立場は違えど対話のテーブルについている状態となっている。


当事者である中東諸国は複雑な反応をしている

中東諸国は現在、「米国の軍事力でイランを屈服させてほしい」という期待と、「その報復で自国が火の海になる」という恐怖のジレンマに陥っている。

①GCC(湾岸協力会議)諸国:生存をかけた「二正面」の対応
サウジアラビア、UAE、バーレーンなどの湾岸諸国は、経済の生命線であるホルムズ海峡を人質に取られた形となり、最も複雑な立場にある。

バーレーン(急先鋒): 現在、国連安保理の議長国(2026年4月)として、ホルムズ海峡の通航確保のために「必要なあらゆる手段(武力行使を含む)」を容認する決議案を提出。
これは、実質的に米軍主導の商船護衛やイランへの追加軍事行動に国際的な法的根拠を与えようとする動きとなっている。

サウジアラビア・UAE: 表向きはバーレーンと足並みを揃え、イランの報復攻撃を「主権侵害」と非難している。
しかし、中国の王毅外相との会談では、これ以上の軍事衝突が自国の石油施設やインフラ(海水淡水化プラントなど)に波及することを極度に恐れており
「米国支持」と「中国の停戦提案への関心」の間で激しく揺れている。


②独自の外交を貫く「調整派」:オマーン・カタール
オマーン: 伝統的な仲裁役として、イラン側と「ホルムズ海峡の通行管理に関するプロトコル(暫定合意)」をまとめようと水面下で動いている。
米国の攻撃を「国際法違反」と指摘する一方で、イランに対しても通航妨害を止めるよう促すなど、地域で唯一の両者へのパイプを維持している状態になっている。
カタール: 米軍基地を抱えつつイランとも良好な関係にあるため、人道支援の窓口として動いていまる。
中国・パキスタンの「5つのイニシアチブ」に対し、最も早く支持を表明する可能性があると見られている。


③ 当事者:イランとイスラエル
イラン(テヘラン): 最高指導者ハメネイ師の暗殺(2月28日)という壊滅的な打撃を受け、「もはや失うものはない」という焦土作戦に転じている。
ホルムズ海峡の封鎖を「唯一の対抗手段」として正当化し、中国やロシアの支持を背景に米軍の完全撤退を要求しています。
大統領などは米軍に与しないことを要件に他国の懐柔を行おうとしている姿も観測されている。

イスラエル: トランプ政権と完全に一体化し、イランの核施設およびミサイル拠点の「最終的な無力化」を主張。
湾岸諸国が抱く「報復への恐怖」よりも、イランの脅威を根絶する好機と捉え、攻勢を緩めていない。
この国が譲歩しない限り、アメリカだけが撤退しても停戦の見込みは薄い。


中東諸国から見た「中国の5つのイニシアチブ」の評価

王毅外相が警告した「安保理が役割を果たさなければ、中小国(湾岸諸国)が終わりのない問題の矢面に立たされる」という言葉は、中東諸国に重く響いている。

評価のポイント中東諸国の受け止め即時停戦経済復旧のために切実に望まれているが、米国の同意なしには不可能と見て冷笑的。

インフラ保護サウジやUAEが最も支持。自国の石油施設を標的にさせないための「防波堤」を求めている。

航路の安全バーレーン案(武力で解決)か、中国案(停戦で解決)かで意見が分かれている。




日本はどうしても強気に出られておらず、むしろトランプにべったりな印象だが、これは世界から見てどう評価されているのか

現在の日本は、世界から「プライドを捨てて実利(日米安保と経済)を守り抜こうとしているリアリスト」と見られている。

中国が「平和の仲裁者」としてのポーズを鮮明に打ち出しているため、それと対照的に日本の「待ち」の姿勢がより受動的(パッシブ)に映っているのは事実。
「日本にしかできない独自の外交」が見えないことへの物足りなさは、かつて日本に期待を寄せていた中東やアジア諸国の間で、静かな失望として広がってしまっている。
直近の安倍政権と比べても高市の外交能力は頼りないと見られている。

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