「映画館を存続させたいなら飲食物を買ってね」というの、現状のシステムがそうなってるから仕方なく買ってるけど、ほんとはぜんぜん納得してないからな 映画を見にきた客が映画を見る金で存続できない現行のシステム自体が間違ってんだろ なんで食いたくもないもん買わなきゃいけないんだ
— 胡蝶蘭夫人チグリス🍉 (@chigurisu_) 2026年4月6日
いろいろ言いたいことはあるのだけれど、「システム」という言葉を出す以上は、最低限以下の5点については踏まえた上で議論してほしい。
詳しい説明は有料部分でやるので、とりあえず無料部分では箇条書きで書く。
観客の不満がわからないわけではないけれど今の状況では贅沢を言い過ぎ

「あなたが望むサービス(映画代だけで完璧な環境)は、この価格設定のこの店では提供していません。そのサービスを望むなら、もっと高い金を払うか、別の場所(配信など)へ行ってください」としか言いようがない。
吉野家とかサイゼリヤで「静かで落ち着いていて臭いもない空間を所望する」みたいな話をしてもしょうがない。
実際現時点でも「高級座席」のようなオプションが増えてきているのでそっちに行くべきですね。
①映画館の 収益構造について
・チケット収入の限界: 売上の約5-6割は配給会社に渡るため、映画館の手元に残る利益は少ない。

・飲食物(コンセッション)が生命線: 原価率が極めて低く、利益が100%映画館に入るため、利益額ベースでは「1,900円のチケット」と「1,000円のセット」がほぼ同価値である。
・チケット代で固定費(家賃等)を賄い、飲食代で純利益を生み出す構造になっている。

ツイ主は、ココまでは理解できていると思われる。だが、このレベルで思考が止まってしまっているのが非常にもったいない。
②「原価厨」的思考と価値の乖離

「作品」と「ハコ」の混同: ツイ主は「映画作品」に金を払っているつもりだが、映画館は「空間・音響・空調・清掃」というインフラを提供しており、ツイ主はこの価値を全く計算に入れていない。
場所代の透明化: 2時間以上、都市部の一等地を独占する「場所代」としてのコストが全く見えていない。ビジネスに対する解像度があまりに低い。
マクドナルド理論: ツイ主の発言は、マーケテイング費や広告費、家賃などを無視してマクドナルドについてポテトを原価で売れと言っているのに等しい。しかもコンテンツだけにカネを払いたい人に配慮してポップコーンなどの購入が義務付けられているわけではないのにそれに文句を言うとかどんだけ恩知らずなのか。
③「場所貸しビジネス」はビジネス環境の変化により設備投資の負担が格段に重たくなっている

ゲームセンターとの共通点: 「一度買えば長く使える(フィルム・基板)」時代から、「数年で高額な更新が必要(デジタル・通信)」な時代になってしまった。ゲームセンターは既存の形態を維持できずクレーンゲーム主体になり、既存の顧客は淘汰されたのに比べれば映画館はかなり頑張っていると評価すべきなのだがそういう評価ができないのは視野が狭すぎる。
減価償却の難しさ: 技術革新が早すぎて、設備投資を回収し終える前に次の投資が必要になる「終わりのないマラソン」状態になっている。これらの設備投資を評価できないなら自宅でNetflixでも見ていればいい。映画館ならオンボロの単館劇場以外で見るべきではない。そうでないなら今度は自分が搾取する側になる。
④ 経済環境と価格設定の歪み

インフレ未対応: 40年前と比べ、物価や賃金は2〜3倍になっているが、映画料金は1.3倍程度に抑えられている。
実質的な安売り: 本来チケット代だけで運営するなら1枚3,000円〜4,000円が必要だが、飲食による補填(実質的なフリーミアムモデル)で現在の低価格が維持されているという風に評価すべきである。
実際これはアメリカのシネマコンプレックスから来ている手法だから日本に限った話ではない。それだけ映画館は映画料金を抑えることを優先的に考えていると考えるべき。
「飲食に金を払っている人」に依存して自分は安く見ることができているのだから、そういうビジネスモデルの恩恵で安く映画が見れていることに感謝すべきなのに逆に考えているのは思考が狂っている。

⑤ 時代の変化と生存戦略
大衆娯楽から「体験型消費」へ: こういう取り組みをしなかった映画館は淘汰され、全盛期と比べて映画館は80%が消滅し、大資本による寡占市場となった。生き残った映画館も当然生存のために知恵を絞って今のシステムに落ち着いている。

かつての「フラッと入る場所」から、配信で温まったファンが「お布施・イベント」として行く場所へアップデートされている。
出口戦略としての映画: TV・配信で認知度を上げ、映画館で利益を「刈り取る」という、コンテンツホルダーとのWIN-WIN関係などを模索しているのもそのためであり、自分の若い頃と違っているからシステムは限界だなどとのたまうのは、ただの老害のノスタルジーに過ぎず、恥を知った方が良い。
つまり、ツイ主はシステムを批判しているようにみえて、現在のシステムがどういう風に動いているかを1/5しか、表面的にしか理解できていない。
現状のシステムはなぜそうなっているのか。それについてメリットとデメリットはどうなのか。それよりも良い仕組みはなぜ出てこないのか。
そういうことを全く考慮せずにただ自分の感情で気に入らないから「システムが間違っている」と主張しているので、それだけだと「ただのお気持ち」レベルであり何の建設的な議論に繋がらない。

最低限このあたりのことは理解したうえで議論してほしい。これでも全然足りないと思うので、専門家の人の意見が聞けると嬉しい。
この件に限らずだけれど、
自分がそのシステム(仕組みや体制)に生かされている分際で、
ろくに理解すらしようとせずにそのシステムを間違いだと決めつけて
曲がりなりにもやっているシステムを壊そうとする言説に乗っかるの本当に良くないと思うよ。
現在の社会というものへの不信感があるのか何なのかしらんけど他者へのリスペクトがなさすぎる。
グラシネ池袋のミールクーポン付きチケットはいいよね いい席で見られてクーポンは上映後に併設のカフェレストランで使えるし 好きな作品上映してくれる映画館や飲食の工夫してる映画館なら応援で飲食する
これもなあ。
客は嬉しいだろうけれど、経営上の問題点が全然考慮されてないので少数しか無理でしょう。お互いがWIN-WINになれる仕組みは必要。
まぁショッピングモール自体が映画館を運営したり、ぎゃくに映画館が飲食店も運営できればいいけれど、上記のような事情を理解していれば簡単ではないかとはわかりますね。?
議論をする時に「制約条件」を完全に無視して感情とかだけで述べられた意見って99%がただの時間の無駄なんですよね・・・
ちなみにこれでもだいぶ感情を抑えてマイルドに書きました。
ツイ主の意見に配慮しつつ、アメリカの映画ビジネスとの比較も入れながらもうちょっと丁寧に掘り下げてみる
この件について考えたことを口述筆記したうえでnotebookLMにまとめてもらった内容です。