これせっかくだから、自分の体験も書いておこう。
ということで、新社会人のころにボードゲームの集まりをきっかけにネットワークビジネスへの勧誘を受けかけた経験があります。
同じような経験をしてほしくないので今回はその体験談をお話しします。
■はじめに:この記事を読んでほしい人
この記事は、社会人になったばかりで「もっと成長したい」「お金のことも勉強しなきゃ」と思っている方に向けて書いています。
特に、自己啓発本が好きな新社会人の方はぜひ読んでください。向上心があって勉強熱心な人ほど、ある種の勧誘の標的にされやすいからです。
というわけでまず自分の体験の話しします!
■ 自己啓発本を読んでいた新社会人のころ
社会人になったばかりのころ、定番のムーブではありますが
若干暇を持てあまし、意識だけは高かった私は「もっと仕事ができるようになりたい」「経済的にも自立したい」という気持ちから、よく自己啓発本を読んでいました。
『7つの習慣』、『人を動かす』、『金持ち父さん 貧乏父さん』……そのあたりの定番どころは一通り読んでいました。
あれ、読んでいるあいだは本当にモチベーションが上がって、「よし、頑張ろう」という気持ちになれるんですよね。
■ 「キャッシュフローゲーム」の集まりに参加してみた
『金持ち父さん』シリーズの本の中に、「キャッシュフロー101」というボードゲームの紹介がありました。
本の内容をゲームで体験できるらしく、読んでいてとても興味をもちました。
「実際にやってみたい」と思ってネットで検索すると、そのゲームを遊べるボードゲーム会が見つかったので、参加してみることにしました。
今でも検索したら山ほど出てきます。
https://www.street-academy.com/zenkoku/cash-flow-game
■ ゲームは「初回だけめっちゃ面白い」という作りになっている
当時の私はこのゲームをやってみて、おもしろいと感じました。
ざっくり説明すると、モノポリーに似た作りですが、レーンが「内側」と「外側」の2つに分かれています。

内側のレーンにいるあいだは、何をやってもなかなかお金が増えません。
毎月給料は入ってくるけれど、支出も多くて、気づけばまた振り出し近くに戻っている……という展開が続きます。
ゲームに慣れていない人は、内側のレーンをぐるぐる回り続けて、なかなかクリアできない仕組みになっています。
そこで主催者(ゲームを持ってきた人)がアドバイスをくれます。
確か清水さんっていう名前だったはず。
そのアドバイス通りに動くと、外側のレーンに出ることができて、それまでの苦労が嘘のようにお金がどんどん増えていく……という体験ができます。
これは正直、うまくできているな、と思いました。
『金持ち父さん』の本で書かれていた「ラットレース(お金のために働き続ける状態)から抜け出す」という考え方を、ゲームとして体感できるようになっていたんです。
【注意】これはひろゆきも言ってることなんですが、実際はゲームの設計が壊れてます。
ぶっちゃけ必勝法は「家とか車とか買わずに株を買って、上がったら売る」だけです。
本来であれば不動産投資をしたりスモールビジネスを頑張って売ることもできるはずですが不可能な作りになっています。
あくまでこれはゲームではなく「決まった結論に導くことが目的の勧誘用グッズ」なのでゲームバランスが現実と乖離しています。
多様な遊び方を許容しておらず、作り手の用意した正解に誘導する仕組みになっています。
なので「このゲームでマネーリテラシーを学べる」みたいなことを言ってる人は、そもそもわかってないか、騙す気満々です。
■ ゲームが終わったあとの「感想タイム」
ゲームが終わると、ゲームを持ってきた人が参加者ひとりひとりに聞いてきました。
「今日ゲームをやってみて、どんな気づきがありましたか?」
ここが一つの分岐ポイントになります。
「楽しかった、新しい発見があった、お金の流れを考えるきっかけになった……」そういったポジティブな感想を話すと、「ぜひ次の集まりにも来てください」と誘われます。
このとき私はすでに少し警戒していました。
じつはこの集まりに参加する前に、ネットワークビジネスの勧誘手法についての本もたまたま読んでいたので
「もしかしてこれがその入り口なのでは?」とは感じていたんです。
ただ、実際にどういう流れで勧誘が行われるのかも気になったので、次の集まりにも参加してみることにしました。
■ 2回目の集まりで、本当のことがわかった
2回目の集まりは「またボードゲームをやる」という話でした。
しかし会場に着くと、「その前にちょっと話を聞いてほしい」と言われ、別の会場へ連れていかれました。
そこにはすでに何人もの人が集まっていて、誘ってくれた人の「上の人」にあたる人物が前に立っていました。
そして始まったのは、化粧品や洗剤の実演販売のような説明でした。
「この商品を売ることで、こんなに収入を得られる」「仲間を増やせばさらに稼げる」……いわゆるネットワークビジネス(MLM)の勧誘でした。
まぁぶっちゃけると「N」ですね。当時はアムウェイの次にでかいネットワークビジネスの会社でした。
■ 私はその場でひとり帰った
幸いなことに、私は事前にある程度の予備知識があったので
その場で「今日はここで失礼します」と言って帰ることができました。その後のボードゲーム回の予定も断り、二度とその集団に関わりませんでした。
ただ、帰りながら考えていたんです。
もし予備知識がなかったら?
「せっかく来たし、もう少し話を聞いてから断ればいい」と残っていたら?
おそらく、グループで取り囲まれて、「一緒にやってみようよ」「今日入るとお得だよ」という雰囲気にされていたんじゃないかと思います。
断りにくい状況を意図的に作られていたはずです。
※余談ですが、「今日会員になってくれるんだったらナポレオン・ヒルの80万円分くらいの音声教材のCDをプレゼントするよ!」という特典も提示されていました。
後から考えると、元手のほとんどかからないコピー品だったと思いますし、著作権的にも問題があるものだったと思います。
■ この勧誘の手口は、よくできている
今振り返ってみると、一連の流れが非常にうまく設計されていると感じます。
1️⃣まず自己啓発本の有名タイトルを絡めることで、「勉強熱心な人」を引き寄せます。
2️⃣次に、本と連動したゲームへの興味を入り口にして、ハードルを下げて集まりに呼び込みます。
3️⃣ゲームを通じて「お金の大切さ」「自由な生き方」を体感させて、感情を盛り上げます。
4️⃣その後、前向きな感想を言った人だけ次に呼び、
5️⃣距離を縮めてから本題の勧誘に進む、という流れです。
これは20年近く前に私が体験したことですが、当時すでにここまで完成された手口でした。
今はおそらく、さらに洗練されていると思います。
■ 今はもっと悪質になっていて、「ネットワークビジネスならまだマシ」な時代になっている
当時の私が誘われたのはネットワークビジネスでしたが、
今はボードゲームの集まりを入り口にしたロマンス詐欺や仮想通貨詐欺なども報告されています。
実際に全財産を失ったり、精神的に追い詰められてしまったりするケースもニュースになっています。
ネットワークビジネスへの勧誘でさえ断るのが大変な場合があるのに
より巧妙な詐欺に巻き込まれてしまったら、被害はさらに深刻です。
というわけで ここからは対策の話です
■怪しいと感じたときのチェックリスト
以下のような状況に当てはまったら、注意してください。
・ゲーム終了後に「どんな気づきがありましたか?」と感想を聞かれた
・「ぜひ次の集まりにも来て」と個別に誘われた
・「紹介したい人がいる」「会ってほしい人がいる」と言われた
・集まりの場所が直前になって変わった、または「先に別の話を聞いて」と言われた
・「特別なプレゼントがある」「今日だけのお得な話がある」という言葉が出た
これらが重なるほど、勧誘の可能性が高いです。
■ もし誘われてしまったときの断り方