ここGW期間中、自分でも気づくくらい、心に余裕がないというかずっとイライラしてる状態が続いてました
些細なことが気になったり、普段ならさらっと流せるはずのことに引っかかったり。「こんな自分は嫌だな」と思いながらも、なかなかそこから抜け出せない感覚が続いていました。

折角の休みなのに、ネガティブなことを考えてばかり。
そんな状態では計画していた通りのことができるわけもなく。
ダメダメな自分に凹みつつさらにイライラするという悪循環。
なんとかせねばと考えてばかりでかなり不毛な日々を過ごしてました。
こういうときって「どうしてこんなにイライラしてしまうのだろう」と原因を探したくなるものですよね。
「自我耗弱」という概念
少し落ち着いてきたところで調べているうちにまず自我耗弱(ego depletion)という概念に出会いました。
自我耗弱とは、意志力や自制心を保つための精神的なエネルギーは有限であり、使えば消耗するという考え方です。
1998年にRoy Baumeisterらが提唱したもので、「感情を抑えたり、我慢したりすることを繰り返すと、後続の自制が効きにくくなる」という理論です。
知った瞬間は「それだ!」と思いました。
感情を抑えながら過ごしていると、だんだん余裕がなくなっていく。
今の体感にとてもよく合う説明でした。
ただ、少し調べていくと、この理論は2010年代以降の再現性の検証で思うように結果が出ず、「効果が思ったよりずっと小さい」「文脈に大きく依存する」という見方が現在は主流になっていることがわかりました。
完全に否定されたわけではないのですが、「これで全部説明できる」というほど盤石な理論でもなさそうです。

他にも
・Amygdala Hijack(扁桃体ハイジャック)
・投影(Projection)や影の側面(Jung)
あたりの概念も調べましたがイマイチしっくりきませんでした。
がっかりはしましたが、これで少し肩の力が抜けました。理屈でカチッと説明できなくても、別にいいのかもしれない、と。
そもそも本当に求めているのは別に「原因の解明」ではない
改めて考えてみると、自分が本当に知りたかったのは「なぜイライラするのか」という原因ではなく、「どうすればイライラしている自分と折り合いをつけられるか」ということでした。
原因がわかっても、感情はすぐに消えてくれるものではありません。それよりも、「こういう状態の自分をどう扱うか」という視点のほうが、今の自分には必要です。

そっち方面で調べるとACT(Acceptance and Commitment Therapy:アクセプタンス&コミットメント・セラピー)という考え方がありました。

ACTは、Steven C. Hayesらが開発した心理療法で、マインドフルネスと行動指向を組み合わせた「第三世代の認知行動療法」と呼ばれています。
従来の認知行動療法が「ネガティブな思考を論理的に修正する」ことを目指すのに対し
ACTは「思考や感情をそのまま受け入れながら、自分が大切にしている価値に向かって行動する」ことを目指します。
この考え方の核心にあるのは、心理的柔軟性(Psychological Flexibility)という概念です。
感情や思考に飲み込まれることなく、今この瞬間に意識を向けながら、自分の価値に基づいた行動を選べる状態のことを指します。
流行の言葉でいうと「マインドフルネス」ですね。

ACTは6つのコアプロセスで構成されていて、それらが組み合わさって心理的柔軟性を高めていきます。
さっきも言った通り、一言でいうと「マインドフルネス」とか「エネルゲイア」の考え方なんですが
自分がその言葉だけで実践できないので、より細かいフレームワークになっています。
というわけでここから6つステップについて具体的な内容を整理していきます。
1. Acceptance(受容)――感情を「消そう」としないこと
ACTでまず最初に出てくるのが、この「受容」です。
嫌な気持ち、苛立ち、ざわつき。こういった感情を「なくさなければ」「抑えなければ」と思えば思うほど、感情との戦いが生まれ、余計に消耗してしまいます。これを**体験の回避(experiential avoidance)**と呼びます。
受容とは、感情を肯定することでも、そのまま流されることでもありません。「今、心がざわついているな」とただ認める、それだけでいい、という考え方です。

この「感情を消そうとしなくていい」という発想が、とても気に入りました。イライラしている自分を「悪いもの」として戦うのをやめてみる。それだけで、少し楽になれる気がしました。