頭の上にミカンをのせる

もうマンガの感想だけでいい気がしてきた

AIバブルの「からくり」 業界内をぐるぐる回るお金の話

最近ではもはや常識の話

でも、2023年からすでに今の構造だったと言うことをちゃんと理解できてなかった。

もしわかってたら今と違う行動をとっていたと思うので反省を込めて、振り返りをしておく。



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ここ数年、「AI関連企業が空前の利益を上げている」というニュースをよく目にする。

NVIDIAの株価は数年で十数倍になり、MicrosoftやGoogleもAIへの巨額投資を発表するたびに市場が沸いた。

だが、その利益の中身を少し掘り下げると、意外な構造が見えてくる。

業界全体の売上の約85%は、外の世界からではなく、業界の「内側」でお金が回っていることによって生まれている、という話だ。



◆ AI業界の「内側ループ」とは何か

まず「内側ループ」というイメージをつかむために、シンプルな例を考えてほしい。

MicrosoftはOpenAIに数兆円規模の投資をする。

OpenAIはその資金でNVIDIAのGPU(AIの計算に必要な半導体)を大量に購入する。

NVIDIAはGPUが売れて巨額の利益を得る。

その利益の一部を、今度はNVIDIA自身がAIスタートアップや関連企業への出資に回す

そしてそれらの企業がまたGPUを買う……。


お気づきだろうか。

このお金の流れには「外の世界」、つまりAIを使って製品を作り、一般の消費者や中小企業がそれにお金を払う、という段階がほぼ登場しない。

大手テック企業どうしがお金を出し合い、互いの売上を押し上げ合っているだけだ。

AI業界全体の売上のうち約85%がこの「内側」の循環によるものだという。

残りの15%程度が、一般企業や消費者から本当の意味で入ってくる外部収入だ。


いま現在この構造になっていることはみんなご存知だと思うけど


実はこの比率は2023年にChatGPTが登場して以来、ほとんど変わっていないそうだ。



◆ NVIDIAの利益の「中身」

この構造をさらに具体的に示すのが、NVIDIAの直近の決算だ。

2026年春に発表されたNVIDIAの四半期決算では

売上高が816億ドル(約12兆円)
純利益が583億ドルという驚異的な数字が並んだ。

だがその純利益の内訳を見ると、163億ドルが「その他収益」と分類されており、そのうち約159億ドルが株式投資の含み益、つまり「保有株の値上がり分」だった。


含み益とは、実際に売却して得た利益ではない。
保有している株の評価額が上がったため、帳簿上の数字として計上されるものだ。

この四半期だけで見れば、純利益のおよそ27%がこの性質のものだったことになる。


NVIDIAはAIエコシステムの関連企業に積極的に出資している。

その投資先の評価額が上がれば、NVIDIAの決算がよく見える。

市場はそれを「好決算」と受け取り、NVIDIA株が上がる。

NVIDIA株が上がれば、また投資余力が増す。

ここでも「内側ループ」が機能しているのだ。



◆ CEOが「買え」と言う理由

この構造をさらに象徴するエピソードがある。

NVIDIAのCEOジェンセン・フアン氏は2026年6月、台湾のComputexという大型テックイベントで、ネットワーク半導体大手Marvell TechnologyのCEOと壇上に立ち、聴衆に向かってこう言い放った。

「皆さん、これが次の1兆ドル企業です」

この発言の直後Marvell株は1日で20〜32%急騰した。


なぜフアン氏がそう言ったのか。

NVIDIAは2026年3月、Marvellに20億ドル(約3200億円)を出資している。

Marvell株が上がれば、NVIDIAの保有する含み益も増える。

フアン氏はまた別の場でQualcommの株についても「買うべきだ」と発言しており、その後Qualcomm株も上昇した。

もちろんフアン氏の発言には技術的な根拠もある。

Marvellはデータセンターの接続技術で重要な位置にあり、それは事実だ。

だが同時に、発言者自身の会社が多額の投資をしている企業を公の場で称賛するという構造は、利益相反の観点から注目に値する。



◆ このループはいつまで続くのか

「業界内でお金が回っているだけ」だとすれば、なぜ今まで続いてきたのか。

そしていつ崩れるのか。

続いてきた理由は、「期待」だ。

各社は「AIで出遅れたら競争に負ける」という焦りから設備投資を競い合っており、互いの投資が互いの売上を支える形になっている。

バブルというより、チキンレースに近い。

崩れるとすれば、きっかけは「外側の需要が来ない」と市場が判断したときだ。

一般企業や消費者がAIツールにお金を払い始め、外部収入の比率が高まれば、ループは「橋渡し」として機能する。

だが企業のAI投資のROI(費用対効果)は多くの場合まだ低く、「数兆円投じたがリターンがほぼゼロ」という声も企業の現場からは聞こえてくる。


もし仮にループが崩れると何が起きるか。


一社でも投資を減らせば、その分だけ別の会社の売上が減る。

売上が減れば株価が下がり、含み益も消える。

含み益が消えれば投資余力が減り、さらに投資が止まる。

相互依存が強い分、連鎖反応も速い。

かつてのドットコムバブル崩壊や
2000年代の光ファイバー過剰投資の後に起きたことと構造的によく似ている。


実際に、エヌビディアと比べると弱いフジクラや古河電工は、今現在一時的に大きな調整を強いられている。




◆ 何を読み取るべきか

ここまで読んで「ではAIは詐欺なのか」と思う必要はない。

AIが生産性を高める本物の技術であることは疑いない。

GPT系のツールを日常的に使っている人なら実感があるだろう。

もはや生成AIのない社会に戻るということは考えにくい。


問題はその「成長の中身」だ。


決算数字の大きさだけを見ていると、外部からの本物の需要と、業界内の循環とを混同しやすい。

NVIDIAの利益が前年比85%増と言っても、その一部は株の含み益であり、その含み益を生んでいるのは業界内の相互投資だ。

「Non-GAAP利益」という、含み益などを除いた本業ベースの数字を確認する習慣がこの構造を正確に理解する第一歩になる。


楽観論の足元で起き始めていること

株式市場は長い間、AIに関してほぼ好材料しか織り込んでこなかった。

だが2026年5月後半に入って、「外側の需要」が想定ほど伸びていないことを示す具体的な事例が相次いでいる。

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