「なんであそこまでやれるんだ。あいつは」
「馬鹿であるからでしょう。しかしそれゆえにやれるのです。
ルールや規範は守るために存在しておりますが
それをいつ、なぜ破るか決められるのが人間の価値なのでは?」
「あの娘がな、俺の足にすがって泣くんだよ。故郷と一族を救ってくれってな。
だが俺にも立場が在る。部下と家族がいる。
今のところ、奴だけが人間の価値を示した。…奴が、羨ましいな
「檜垣三佐、あなたにとってその時が今ではなかった、ということでしょう」
この作品、いろいろツッコミどころも多いのだけれどこの会話がかなり好き。
常日頃からルールを無視して生きてる人間にはなりたくない。それはただの獣だ。
そういったルールの中で生きて、その上で
「一般的な社会ルールよりも優先するべきもの、大事なもののために行動する」
という「その時」を持てるかどうか、その時に勇気が持てるかは大事かな、と。