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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「うしおととら」 みなさんにとって印象に残ってるラスボスって誰ですか?

みなさんにとって印象に残ってるラスボスって誰ですか?

メラゾーマではないメラだの大魔王様もフリーザ様もセルも魔人ブウもバスケの山王も戸愚呂弟もキメラアントの王も範馬勇次郎もみんなすごいと思ったけど、やはり自分にとって一番印象に残ってるラスボスといえばやはり「うしおととら」の白面の者だなあと思う。これとDQ3の「ゾーマ」を越えるラスボスというのはなかなかパッと思いつかない。神様だってチェーンソーでバラバラにできちゃったりするからね……。


当時も白面の者の「知略を使いこなす恐ろしさ」、「圧倒的な強さ」、「(数人の勇者が戦って倒せるボスが多い中で)何万という人間やモンスターが一斉にが襲いかかっても勝てないスケールのでかさ」など色んな要素を見て驚いたものだけれど、
こうしてはてな村なんかでブログをやってる今この作品を読み返すと、白面のものがどういう経緯で誕生したのか、という点と合わせてネットが広まるより以前に「下から目線の集合体こそがラスボスである」という概念を提示していたという先見性に再び驚かされるばかりです。


「下から目線」+「無敵の人」という最悪のコラボ

白面の者は、ただでさえ強いのに他人の恐怖を食らってどんどん成長する存在だ。ほうっておくとどんどん手がつけられなく成る。その上、こちらが白面の者に対して憎しみを持って戦う限り絶対に勝てない。

つまり白面の者は、属性的にはネットにおける「無敵の人」である。下から目線の人間は、憎まれたり蔑まれたりしても応えない。むしろそういう感情を受ければ受けるほど強くなっていく。それでいて自分の正しさは決して疑わないのでいくら的確に批判しようが全くダメージを与えることは出来ない。
また「無敵の人」に対して憎しみを持って接した人間は、ミイラ取りがミイラの要領で彼らの憎しみに感化されネットに憎悪を振りまく獣になってしまう。

獣の槍を振るい、打倒白面を目指した人間はいずれ魂をやりに削られて獣になる。そして獣は字伏になる。そして字伏になっても白面への憎しみが消えない我らは何になる?何になる?ヤツになるのさ!

山月記」の李徴やら「猫物語」のカコが感染型だったようなものだ。タチ悪すぎる。




白面の者と対峙するものは、完全に無視するか、白面のものを正体を看破し、理解し、受け止める必要がある。散々自分たちを苦しめてきたものを「憎いから倒す」ではなく「理解し慰める」ことで無に返す、これ以外の方法は通じない。

なあハクメン、おめえはなんでそういつも見上げて目をしてんだ?
おめえは確かに大妖さ、わしが認めてやる。オマエが最強だ。
でも、だったらよ、なぜ見下さねえ。王者ってのは下っ端をそう見るもんだ。
それがおめえはずっと下から睨めあげている。
こいつの目はな、嫉妬の目だ。獣の槍がこええんだ。
いや、獣の槍を使う蒼月潮がつれてくるすべての陽の存在、
それがうらやましくて、そして何よりも怖いんだろう!

あこがれて、そして憎み、しかも怖い。大変だなあ白面よ。

当時「レベルを上げて物理で殴れば良い」のドラゴンボール式が全盛期の時にこんな「めんどくさい」ラスボスを考えついた藤田先生は本当に天才だと思う。……こんなん当時小学生の私には理解するのが難し過ぎたよ。だから私は読み返すまで、白面の者の圧倒的な強さや無敵ぶりは覚えていたけれど、白面の者の正体や倒し方なんかはすっかり忘れてました。


だから、今になってアニメ化しているけど、これ結構納得したりする。はてな民は今からでも遅くないから「うしおととら」のアニメを見るか原作を読むべき。