頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「蜘蛛ですが、何か?」 ぼっちの、ぼっちによる、ぼっちのための傑作

個人的評価★4
2015年なろうでトップクラスの人気をほこった作品。今更ですが私としては「異世界転生☓私YOEEEE」モノでやっぱり一番好き。んで、マンガ版もすごくできが良かったので原作今からはいりづらいなーと言う人には是非オススメ。

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蜘蛛ですが、可愛い……可愛くない?


ストーリーですが、友達が少ないぼっちの女の子が、異世界に転生するも、転生した先はダンジョンの中。そして何に生まれ変わったかというと、人間ですら無く、レベル一の雑魚モンスターの蜘蛛。食物連鎖カーストの最下位ですね。そういうどん底からスタートして、とにかく生き延びるために毎日毎日必死に頭を使って生き伸びるために努力するよ、というお話。別に生前優れた人間であったわけでもなく、ただただ割り切りの良さと生き延びることへの執念だけを武器にがんばる主人公、これもとJKなんだぜ……(※最新話まで読んでる人はネタバレ禁止な

恋愛だハーレムだ、なんて展開は一切ない。「仲間の一人すらいない、周りは敵だらけ」という完全なぼっち状態。ただ一人、シビアな状況にありながら自分の手持ちスキルを駆使して生き残る。この境遇に強いシンパシーを感じる人にはめちゃくちゃ面白いと思う。

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一難去ってまた一難、の綱渡りの連続で緊張感が途切れない展開が面白い

弱いながらも勝ちパターンを構築し、雑魚の世界では生き延びられると安心したと思ったらすぐに強者があっけなくそのパターンを踏みにじってくる。

私本来のスタイルは巣を張っての籠城戦だ。
簡易ホームですら蛇を倒せた。
本気で防御に徹すればまず突破できる魔物はいないはずだった。
その防御を鼻歌交じりで突破してくる力がある。

すぐ近くにどうころんでも勝ち目のない魔物までいる。

まず勝てる相手を見つけ、勝てるパターンをなんとか作る。それだけでも大変なのに、あっさりそれは崩されてしまうので、すぐまた新しい状況に対応し続けていかなければいけない。「超理不尽なゲーム」なデスゲームであるともいえる。この綱渡りを、コツコツとこなしていく主人公本当にすごいです。


「自然界の厳しさ」☓「RPGのゲーム要素」の組み合わせが絶妙

この主人公とにかく強くはないんだけれど「ゲーム的思考」に殉じることができる。

危機に陥っても自暴自棄になったりはせず、「どうやれば手持ちのスキルの組み合わせでこの状況をクリアできるか」っていうのを一生懸命考える。「人間ではなく蜘蛛だから言い訳がきかない」というのもあるだろうけれど、どんなモンスター相手でもなんとかして突破口を開こうとあがく。

幸いなことに、この作品はとにかくシビアだけれど「ゲーム」なんですね。自然界の厳しさを感じさせつつも、相手を選び、知恵を絞って勝てる状況を作ることはできる。別に自分が同じ状況に陥りたいとは全く思わないのだけれど、それでも「自分の状況をゲームと割り切る」とか「生存という一つの目的に特化する」みたいな生き方って純粋で憧れるところはちょっとありますね


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合理一辺倒かと思いきや「逃げ」についての考え方は熱い

○○にぶっとばされて逃げ出したあの時、私の胸のうちは恐怖でいっぱいだった。
けど、同時にほんの少しの悔しさがあった。
マイホームを焼かれた時、「誇り高く生きる」誓いを立てた。
私はそれをずっと破って、誇りも何もなくただ生きるために逃げ続けてきた。

その判断は多分間違っていない。でなければ今頃生きていないだろう。
だけど、間違っていなくても
誓いに反して逃げ続けたのは事実だ。

逃げて逃げて逃げて
怖くて怖くて怖くて
悔しくて悔しくて悔しくて

その後悔を抱いて、私は今、逃げずにこの戦いを生き延びた。
下層に落ちて、はじめてまともに勝利した

嬉しい 嬉しい。

この主人公、とにかくあまりに合理的なのでそれはそれであまりにマシーンみたいにやられると
共感もクソもないんだけれど、こういう熱い側面もあるのが良いですよね