なぜこのロウランドに、ひとりも女の姉妹がいないのか不思議に思ったことは?
まだ完結していない「Under the Rose」の十数年後を描いた作品。
というより、先にこの作品が描かれ、それを元に「Under the Rose」がスタートしたという経緯がある模様。
全9回・未単行本化。本作がある程度進展した後、大幅に加筆した上で「Honey Roseの章」として本作に収録される予定となっている。
とあるため、内容には変更があると思いますが、単体としての完成度が非常に高いと思うし
「Under the Rose」のIfシナリオとして見ても十分楽しめると思う。オススメ
- 作者: 船戸明里
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2016/05/01
- メディア: Kindle版
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というか、あ^~フィオナ可愛いんじゃ^~。
「シスタープリンセス」という作品ご存知でしょうか?
Wikipediaによるといろいろややこしいようですが、少なくとも「12人の妹がいる」という設定のお話でした。
12人の妹たちが、遠く離れて暮らす兄を思慕する様子を描いたもの。原作においては、妹たちが兄と会うことを許されるのは基本的に「お兄ちゃんの日」だけであり、それ以外の日には兄に手紙またはメールを出しながら直接会える日が来るのを心待ちにしている。しかし、ゲーム版やアニメ版においてはこのような制限はあまり無く、原作に比べれば比較的自由に兄と会っている。特にアニメ第1作目においては「兄と12人の妹(プラス、実は妹ではないもう一人)たちの共同生活」がメインテーマ
Honey Roseはその逆です。
ある日突然「実は自分は貴族であるロウランドの娘であったらしく、そこには12人のお兄ちゃんがいることがわかって」というところから話がスタートします。
発表時期(シスプリアニメが2010年4月開始、Honey Roseは2001年10月開始)を考えてもかなり意識はされていたと思います。
しかし、シスプリはどうかわかりませんがこちらの作品は主人公であるフィオナへの風当たりがめちゃくちゃ強いです。
そもそもフィオナは、自分が生まれる前にすでに父をなくし、幼いころに母を失ってから、親戚の家に引き取られるものの虐待同様の扱いを受け続けます。そのため、「自分は誰からも必要とされず、誰かに優しくしてもらう価値もない人間」という自己認識を持っています。
ロウランド家に招かれたはいいものの、ほとんどの人間は自分を歓迎していません。さらに、親族会議のようなものに出席して、その人達から認められなければ問答無用で追放される。しかし、田舎ものの自分は作法もわからないし、字もまともに書けない読めない。
八方ふさがりです。どないせいと。
こんなどん底の状態から出発するシスプリなんか見たくないよ…。
でも、フィオナはそれでもくじけない。
信じられるものがあるかぎり、決して諦めずにくらいついていきます。
見返りを求めたら、それは愛とは呼べない
お父さんから与えられた血を信じて ただ慕おう
私にできるのはくじけないことだけだから
目が覚めたらまた 誰も私とお話してくれなくなっちゃう…
夢の中にいられるのなら 命なんかいらない
頑張るフィオナの元に、この家で過去に亡くなったロウランド家の亡霊たちが登場して何かを伝えようとするが…。
という感じ。うーん、なんかこれだけだと雰囲気が伝わらないな。
本来はかなり陰鬱かつミステリアスな雰囲気の作品です。
この作品についてはネタバレ禁止令が出ているし
お願い:以前もお願いして控えて頂いたことがありますが、wikiは知らない人が初めて読む場所なので、under the rose,Honey roseのネタバレをwikiで詳細に書くのはヤメてください。どんなに愛情があっても、作者として、とても迷惑です。
— 船戸 明里 (夏コミ申込) (@8under_the_rose) 2014, 12月 17
実際にネタバレ無しで読んでみて欲しいので、これ以上はあまり語らないようにします。