「狼と香辛料」作者の金融系ラノベがKindleで発売されているので皆さん買うと良いですよ - takeoriの日記
http://bizblog.deawee.com/entry/world-end-economica
私も2014年02月15日に感想記事を書いています。
http://possession.hatenablog.com/entry/2014/02/15/114115
この小説ほんとに好きなのでもっともっと広まって欲しい。
そして、できれば紹介記事だけじゃなくて他の人の書いた感想記事が読みたいなー。復讐劇あり、サスペンスあり、恋愛あり、ライバルとの駆け引き有りで、格闘バトル以外のすべてのエンタメ要素が詰まってる作品だと思う。正直言って3巻は金融の知識がないと難しいと思う。少なくとも私はかなり手こずりました。でも読み始めたら最後まで息をつかせぬ展開が続いてやめられないくらい面白いですよ。
できればゲーム版でやってほしいけれど数が少なくて入手困難に。せっかくの作品がもったいないなと思っていたのでラノベ化、kindle化は本当に嬉しかった。本が分厚くて読みにくいので、基本的にはkindle版をおすすめします!
この本読んでも投資ができるようにはならない。でも投資本では学びにくい「市場の怖さ」を、現実にあった出来事を通じて学ぶことはできる
この作品自体は投資を決して推奨するような内容ではありません。投資なんてチョロいなどとは全く思わせてくれない。むしろひたすらにその恐さを描いていると思います。
この作品は、近未来の月面が舞台にはなっているけれど、現実に我々の世界で起きた出来事(エンロン事件とリーマン・ショック)をベースにして作られています。金融の部分についてはガチです。
主人公はひどい「はめ込み」にあって全財産を失いショックで体が動かなくなるまで追いつめられたりします。また高度なスキームを駆使して人を騙そうとする企業が出てきたり、個人レベルではどうしようもない経済破綻などを描いています。
本来将来的に有望な技術やコンセプトを持つ企業が資金調達して成長し、投資方たちはそれを支援することで利益を得るためにあるはずの株式市場は魑魅魍魎の集まる場所であり、そこは人の悪や罠や愚かさで満ちている。「市況株信用全力2階建て」ってブログ読んでる人なら、しょっちゅう市場では不祥事がおきたり個人の欲がいきすぎて阿鼻叫喚の地獄が繰り広げられているのはご存知ですよね。
こういうのは、普通に投資本読んでてもなかなか学べないことです。普通に考えて、そういう情報伝えたら投資やってたかもしれない人が逃げてしまいますからね。でも、投資やる際には一番大事なことだとも思うのです。
・市場でピコピコ数字が動いてるわけじゃなく、個人の集まりや投資会社などちゃんと生きている人が動かしてるものである(最近はHFTのアルゴが猛威を振るってるけど)
・会社の数字はただの数字ではなく、膨大な数の社員の活動の集大成である。だから数字を見ているだけでは本当のことは何もわからないし騙されることがある。「投資」をするならもっとちゃんと深く会社のことを知らねばならない
・一つの企業を超えた大きな力や流れが市場全体を揺り動かすことがある。その流れを掴み損ねると気づかぬうちにすべてが崩壊してしまうことだってある。視野狭窄になってはいけない。
私はこの作品の主人公のように優秀な人間ではないので、普通に「投資」は怖いなと思った。自分程度では歯がたたない。ただひたすらに怖い。そんな気持ちになりました。
それでもなお、主人公を突き動かすものがロマンチックで、すごく憧れるんですよね。
私はこの作品を読んで投資を始めましたよ。 結果は、聞くな……。