フランス革命を第三身分の議員であるギデオンという人間の目線から語る作品です。
フランス革命は、とにかく情報量がアホみたいに多く、どの立ち位置から、どの目線から語るかで大きくイメージが変わります。わかりやすい勧善懲悪など描きようもありません。
なので、作者がなにを軸にするか、なにを取捨選択するかというセンスがモロに出てくる題材で、めちゃくちゃ面白いけどなかなか迂闊に扱えない分野だと思います。
この作品では、第三身分の議員である平民出身のギデオンと、貴族の息子ジョルジュの二人の関係が軸になって始まります。てっきり田村由美のBASARAみたいな作品になるのかなと思っていたら、徐々にカメラがルイ16世側に非常に寄った話になっていきます。
そのため、学校の授業ではプラスのイメージで語られがちですが、バスティーユ襲撃やヴェルサイユ更新というイベントで描かれる民衆の姿は、ひたすらに恐ろしい存在に見えます。
この作品はとにかく取捨選択が意図的で、あるイベントを描く際にあるべきものが省かれ、それでいて、普通の歴史書ではあまり取り上げられない女性たちについては詳しく描かれます。その強弱のつけかたが本当に興味深い。
なんというか、そのまま読んでもすごい面白いのですが、史実を踏まえた上で、その省かれたものを見るとものすごく楽しめる作品になってると思います。逆に、自分があまり気にしてなかった点について取り扱われてるので気づきも多くて素晴らしいです。
あまり伝わってないと思いますが、とにかくこの作品すごい面白いので、関連する史実とかまとめながら、これから一週間くらい色々と語ってみたいと思います。
この作品おかずにすれば10記事くらいは楽勝で書けるというか今そのくらいネタ思いつくので、自分も取捨選択せねば、、、あるいはツイキャスで適当に語るのも楽しいかも。