エピソード名 | 犯人 | 動機 | 生死 | 予定外殺人 |
EP35 人喰い研究所 | 中神深志 | 復讐の代行 | 生存 | ◯ |
EP36 香港九龍財宝 | 楊蘭(19) | 母の復讐 | 生存 | ✕ |
短編 暗黒城 | 桐森蘭(13) | 母の復讐 | 生存 | ✕ |
EP37 薔薇十字館 | 美咲ジゼル(20) | 母の復讐 | 生存 | ✕ |
「20周年復刻」シリーズは、事件そのものよりもテーマ性を重視した話ですね。
オーランチオキトリウム、九龍城、ダイアローグ・イン・ザ・ダーク、薔薇十字団・・・どれも面白いテーマです。もっとも、一番好きなダイアローグ・イン・ザ・ダークは、サザエさんBOTとかいうクソ人間のせいで別の形で有名になってしまいましたけどね。
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こういう「テーマや舞台背景」はすごい面白かったんですが、そっちを描くことに力を入れすぎてエピソード自体はどれも微妙かなー……。あと、とにかくキャラクターのロリ化が激しい。シーズン3よりさらに幼くなっていてなんじゃこりゃって気持ちになります。
人喰い研究所 ★殺害計画を他人が見れるブログに書いてはいけない(戒め)
トリックは面白かったけど動機がなぁ……。
「EP30 黒魔術殺人事件」において、Aは自分で憎い人間を呪い殺しているつもりで実際は囮役になっており、その間に実際はBが殺人を実行していた、というケースがあった。これは面白かった。しかしこのEPはその形をさらに捻った結果、殺害計画を立てたのはAだが、Aはそれを実行せず、しかしなぜかその計画を使って誰かが実行している。なぜ……という展開になる。
この発想自体は面白いです。動機面から犯人を推測しやすく、それにミスリードを仕掛けるというのは大いに結構。しかし、謎の殺人者がAの計画を知った理由、というのが「匿名ブログで書いてるのを見た」というのはちょっとアカンでしょ……。まぁそれを差し引いても、なんとなく華がなくて記憶に残りにくいEPだったと思います。
ところでオーランチオキトリウムってユーグレナみたいなやつ?
香港九龍財宝 ★これがやりたかっただけだろw
はい、美雪が九龍にいって試着室でさらわれ、とりかえごっこやります。以上。というわけで、七瀬美雪がひどい目にあう(今回はそうでもない)シリーズですが、とにかく導入が強引すぎる気がする。美雪のキャラおかしい、、、おかしくない?(原作者にキャラの文句を言うファンの屑) なんかいろんなものに違和感が有りすぎて素直に楽しめなかったエピソードでした。犯人のこともいまいちインパクトが薄いし、トリックもみたことあるやつばかりで微妙……。短編集5巻でも出てきたけどワイヤートリック嫌いなんですよね私。
とにかく「美雪と別の女の子が取り替えっこ」という部分と、「実はこいつらみんな兄妹でした」って感じで尺を使い切ってしまっており、登場人物の関係が窮屈すぎる。金田一の身内と、被害者と兄妹しか登場人物がいないってのはいくらなんでも。「香港九龍城とそれに眠る財宝」という歴史ある舞台装置を使って盛り上げようとした気持ちはすごくよくわかるし、雰囲気はよかったのだけれど、そっちに一生懸命になりすぎて肝心のミステリー部分が微妙になっては本末転倒だと思う。でもこれ、実写ドラマにして登場人物もうちょっと増やしてやったら多分面白いお話になるので、ドラマでやってたならすごく好評だったんじゃないかなーと思います。
暗黒城 ★★
事件の方はシンプルなお話だけど
「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」を上手に描写してくれているのでポイント高いです。
薔薇十字館 ★★★金田一少年と高遠のコンビ再び
作者は「EP6 悲恋湖殺人事件」のパターンがよほど好きなのか、また類似パターンを持ち出してきている。
青薔薇:不可能
黒薔薇:花言葉は、永遠の秘密、あるいは死ぬまで憎む、復讐の亡霊
白薔薇:花言葉は、潔白を失い、死を望む。
赤薔薇:花言葉は、私を射止めて
エンバーミング:防腐処理
「高遠の異母妹」よりも「高遠の父」が何者かが気になる、そんなEP。
というわけで、この事件の犯人は高遠の妹なのだけれど、初手でバラバラ死体を見せるなかなかの滑り出し。そう言えば高遠の初登場時も、団長をバラバラ死体にしてたね。。。こういう所が血のなせる業なのか。二件目からの殺害も結構エグイ殺し方をしており、才能を感じさせる。ただ、高遠は最小の手間で効果を発揮しているのに対して、妹はやたらと大掛かりなトリックを使い、それでいて見た目は非常に地味、というギャップで攻めてきておりこのあたりは対照的。
高遠の妹は、手間とリスクをかけてきっちり復讐すべきターゲットを確認した上で殺しており、また殺害のトリックも、やり口はえげつないけれど、こだわりを感じさせる。何度も言ってるけど、やっぱりこのあたりの手間をかけず無関係の人まで殺しまくったEP6の遠野先輩は、金田一シリーズの中でも一人だけずば抜けて屑だよね……。
そんなわけで評価すべき点も有るけれど、この犯人はとにかく脇が甘い。これは作者の意図的なものなんだろうけれど、二点あからさまなガバ行為をやらかしてる。はっきり言ってすぐバレる。(名前の件とお風呂の件)このあたりからみても「本当は殺人には向いてない(向いてるやつなんてほとんどいないだろうけど)」んですよね。そんな女の子が必死に頑張って復讐を成し遂げようとする姿は、見た目も相まってとてもよかった。この子見た目もすごい好み(なにげに作者が意識しておっぱい大きいキャラとして描いてるよね)
おまけ 各テーマについて
https://ja.wikipedia.org/wiki/オーランチオキトリウム
https://ja.wikipedia.org/wiki/九龍城砦
https://ja.wikipedia.org/wiki/薔薇十字団
私はちゃんとしたダイアローグ・イン・ザ・ダークのイベント参加してきましたが人生観変わるほどではないにしても、他では味わえない体験が出来てとても良かったです。普段からボッチの人間にはあまりインパクト無いと思うけれど、普段から常に人付き合いしていて一人の時間が無い人や、SNS漬けの人が参加したら本当に人生観変わると思うし、恋人がいる人は是非いっしょに行って体験スべきだと思うわ……。