財務省事務次官のセクハラについていろいろ話が盛り上がってるようで。
私はこの事件、かなりテレビ朝日側に疑念があるので判断は保留してます。(もちろん、名乗り出ろというお話ではないですが)んで、そういう「事件の真実がー」みたいな話はまぁとりあえずおいといて。
私がこの事件で別に「あっ・・・」と思ったことがあって。
それは何かというと私の前の職場の飲み会ってこの「事務次官の発言とされる発言」に近い発言やってる人結構いたな、ということです。
とある会社の旧態依然(オールドファッション)
私の前の職場は、平均年齢が高く、新入社員や女性退職者が相次ぎまくる職場でした。つまりおっさんだらけってことです。
給料はそこそこ高く、ブランドイメージも良い会社*1であったため、常に新入社員・女性社員の流入はありました。にも関わらずおっさんしか残らない職場になってしまった。
なぜかというと、実態が本当に古臭い会社だからです。まず顧客からのパワハラがひどい。無理難題をいわれ、不必要に深夜残業などを強いられたりすることもたびたびありました。それだけならまだしも、社内でも年功序列のパワハラやセクハラがひどく、そういう旧態依然とした風土が非常に強い会社であり、耐え切れずやめてしまう人が後を立ちませんでした。実際、顧客のパワハラに耐えられないとつとまらないような仕事であったことから、先輩方も教育のつもりでそういうパワハラ的な行為を行っていたところがあり、そういうパワハラを前提としたコミュニケーションができるかどうかが社内での評価ポイントになっていたところがあります。
数年前からは改善の動きが進み、予算管理(案件ごとに原価率などをチェックして認可を出す)をしていた部長がパワハラで地方支社に追放の後翌年退職になったり、そういったパワハラに否定的でありながら成果を挙げて課長に昇進した人(これが以前お話した、オタクでありながら周りにそれをキャラとして認知させ認められてる人。本当に優秀な人でした)が出てきて、少しずつ改善は進んでいましたが、それでも地方出張や社員会などでは相変わらずパワハラセクハラが横行していました。
40過ぎの課長が、入社1年目の女性に対し飲み会の席で自分のひざの上に座るよう指示し、後ろから抱きついて擬似セックスの体勢になり、それを部下に写真をとらせるみたいな事例もあったそうです。(私は現場にいなかったので伝聞ですが)。若い女の子におっさんが「好きだ好きだ」「抱きたい」みたいに冗談交じりでいう光景は何度も見ました。その女性は自分からも下ネタをいうタイプで、そういうのが全然平気な風に振舞っていたのでこちらもとめることはありませんでしたが本心はどうか知りません。女性でもそういうのが平気とかむしろ好きって人がいるので、そのあたりの線引きはとても難しいと思う。
いい子ぶりたいわけではなく、私は紛れもなくおっさんだけどそういう下ネタで周りと盛り上がるというのが昔から苦手であり、たとえ女の人側がノリノリであったとしてもそういうノリについていけないタイプです。女性差別とかそういう文脈抜きにして単純に好みの問題としてそういうのが苦手なので、こういう空気は本当に苦痛でした。 *2
というか、会社の飲み会離れとか言いますけど、単純にくっそつまらないんだよね。職場の誰がイケてるよねとか、どこそこの女の人が美人だったとか、どの女性俳優やらAV女優の誰が好きとか、どこそこのドラマが面白かったとか。最近奥さんとのセックスはどうとか。エトセトラエトセトラ。
心のそこからどーーーーーーーーーーーーでもいいです
(ここめっちゃ早口)ひとこと、苦痛。いかに自分が興味のない話題を興味深そうに聞けるかという演技力とかノリのよさを問われる場としか思えない。私が自閉症よりの発達障害だからなのかどうかわからないけど、そもそも職場が一緒というだけの人間にそこまで興味もてないです。いや、ほんとにこういう飲み会やってる人に聞きたいんだけど、そういう話面白いの?興味があるの?面白いと思ってるからこういう話するの? それとも、こういう話が安パイでこういう話をしなければいけないと思ってるからそういう話してるの? どっちなの?それでいて、こういう会話が9割くらいの場で、残り1割くらいは、普段の職場で言わないような仕事の話をするよね。 だからやむなく出席せざるを得ないというね。
私は日本の労働生産性ガーみたいな話については否定的だけど、前の会社の飲み会に関してだけは、もうほんとに「負の生産性すごい高いな!」っていいたい。こういう飲み会を楽しんでいる人と、情報共有だけを目的として毎週2時間くらいかけてやる会議で誰も寝ないっていうことの二つだけは、本当に謎だ。*3
「男ばかり群れるとろくなことにならない」(もちろん女ばかりが群れても違った形で問題はあると思う)
というわけで、長々と語ってしまいましたが、要するに世間一般ではこういう光景は結構今でもいろんなところで当たり前のように行われているんだろうなと思っています。
で、私の経験した職場の場合は「おっさんばっかり」だったことがかなりその原因だと思ってます。
要するに、最初はみんなおかしいなとおもうことでも、そういう人種ばかりがそろってると、だんだん麻痺していってそれが当たり前になる。
んで、特に「おっさんばっかり」はいけないのかなと思います。
これについて、マンガからこんな言葉を引用してみる。
「警察署」という、私の前職場以上に男臭が強いと思われる職場で、自分の存在意義に悩む女性に対して主人公が言った言葉です。
僕は常々、人間が三種類いたらいいなぁと思ってて。
男と女ともう一つ。別の種類が。
中性的とかそういう意味じゃなくて。
全く違う思考回路の別の種族が同じ配分でいたらなぁって。
あの、僕は、偏見の塊で。
だいぶ無茶なこと言いますが。
おじさんたちって、特に権力サイドにいる人たちって。
徒党を組んで悪事を働くんですよ。
悪事とまではいかなくても。
都合の悪いことを隠蔽したり、
こっそり談合したり、汚いお金を動かしたり。
でもそこに。女の人が一人混ざってると。
おじさんたちはやりにくいんですよ。(恋人同士は違う)
悪事に加担してくれないから、鉄の結束が乱れるから。
でも女の人は、群れで立ち上がったりしない。
どれだけ虐げられても、手を取り合って集団で戦ったりしない。
だから、個人だとおじさんたちに取り込まれたり脅されたり排除されてしまう。
だから、もう一種類いたらいいなぁって。おじさんたちが不正をしづらいように見張れる存在が。
あなたがここにいる意味ってそれじゃないですか?おじさんたちを、見張る位置。
男のロマン至上主義の人たちに混ざれないって困ってるでしょうけれど。別に至上でもなんでもないんで。
あなたは違う生き物だから、違う生き物でいてください。」
「いやいや、俺だってね。不正には厳しいよ」
「池本(♂)さんはだめです。
あなたは、お前は青臭いガキだとか、感情論はやめろとか、清濁併せのんでこそ一人前の男だとか言われたら乗せられちゃうでしょ?
彼女はそうじゃないんで。」
まさしくそういうことを言ってる記事がこちら。
もちろんスキャンダルとは無縁な人がトップに来てくれれば、それは安定するでしょう。でもまあ、俗にいう「人間としての魅力」って、ある種のヤバい部分も持ち合わせる清濁併せ呑む系の人たち特有の匂いもあるし、暴言吐いてみたり、剛腕であったり、何か人を強烈に惹きつける何かを持ちつつ、凄く敵が多いとか、スケールの大きさや懐の広さなんてのをもっていたりもする。
http://bunshun.jp/articles/-/7094
確かにブコメ見ると、何人か池本さんみたいに流されてる人居ますね(笑)
もちろん、これはおっさんだけの問題じゃなく、
女性の皆さんが群れて内向きにこもってたらだいぶあれなことになるなというのが可視化されてきているのが現状だと思います。
よーするに「男はこういうもんだ」とか「女はこうなんだ」「親ってのはこうだ」「母ってのはこうだ」「相撲ってのはこうだ」みたいにふわっとした理由で物事を正当化し始めるとろくでもないなってことです。個人でそう思うのは好きにしたらいいですが、それを他者に対しても振りかざしはじめるともうついていけない。
ジェンダーの問題って、LGBTとか女性差別の問題ばっかり取りざたされますけど、そもそも男であっても「男らしさ」になじめなかったり、女であっても「女らしさ」のステレオタイプの押し付けに抵抗を感じる人だったりと、自分の性のありよがしっくりこない、っていう色んな人たちのための話だったと思うんですよ。でも、なんか今ってそうなってない感じがするんですよね。
多様性についての話をしてるんだから、二分法なんて論外で、三国志とか春秋時代みたいなモデルで考えてみるのも面白いかもね。今みたいに、男女対立があって、LGBTのようなマイノリティの人たちは同じ立場ではなく一段下の立場におかれていて、そういう前提で差別だのなんだのいってそうな雰囲気はすごく違和感ある