作品評価★★★★(個人的評価★★★★★)
私、この世に良い人なんていないと思っていたんです。だから会長が良い人ぶるたびに、その分心の奥底には醜い企てが有るのだと思い込んで醜い部分をあぶり出してやろうなんて思っていたんです。
でもそれはいつまでたっても見つけられなくて、そのうち根負けして会長みたいなタイプも世の中には居るんだと認めたんです。そしたら、世の中意外と打算なしに動いていることも多いのだと気づき始めて。見える景色が少しだけ変わったんです。だから会長には感謝してるんでる。(四宮かぐや)
この作品についてはもう作品説明は説明不要ですよねとりあえず5巻と7巻がめちゃくちゃ素晴らしいので絶対読みましょう特に7巻は生徒会選挙における描写もすごいし白銀生徒会長男らしすぎるしその後のかぐやと生徒会長のニヤニヤ展開もたまらないので何回でも読みましょうあと同作者のインスタンドバレットも荒削りながら刺さる人にはめちゃくちゃ刺さると思うので読みましょうさっきからアホの一つ覚えのように読みましょうばっかり言ってるけど私好きすぎると文章にするの恥ずかしくなってしまって何も書けなくなってしまうので勘弁してくださいでも本当に全部オススメです。
「斉木楠雄のψ難」「かぐや様は告らせたい」 「他人の恋愛」でいちばん(・∀・)ニヤニヤできる部分を味わえる作品 - この夜が明けるまであと百万の祈り
というわけで、7巻をいったんのピークとしてしばらく箸休め期間に入ってるここ最近の本作ですが、9巻におけるちょっと本筋から外れてるエピソード「そして、石上優は目を閉じた」を紹介。
面倒なのでkindle unlimitedのアフィは張りませんが、今だとunlimited会員は無料で読めるので今の内に読んでおくと良いゾー。
かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 9巻[Kindle版] | ||||
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この作品、ギャグテイストだけど、一人ひとりの設定はがっつり重たいよね。今回は石上くん
元引きこもりの無気力系でありながら「生徒会の中で一番女心がわかる」だったり、いろいろと有能であることがわかる描写がぽつぽつとあり、9巻でついにそのエピソードが紹介される。
蓋を開けてみると、「ペルソナ5」の主人公のようなやつだったわ石上くん。
石上は一年の女子に全力で嫌われている。ここまで包かくさず嫌われるのは珍しいケースだと言えます。
人間が強烈な敵意を見せるには必要な要素が2つあります。一つは攻撃材料。問題行動が明確であれば有るほど公に攻撃ができます。そしてもう一つが被害者の存在。人は自分のためにそこまでは怒らない。誰かのためなら簡単に悪魔にでもなる。
石神は~~~~~~。しかし実のところ、私は石上に関する噂には懐疑的だ。私が見てきた石上という人間は不器用ながらも理不尽を嫌う人間だ。
結局あの事件は石上の不登校に繋がり、石上からの弁明は無いまま事実として扱われるようになった。
事実はどうあれこの学校は、石上にとっては敵ばかりだ。なのに彼は~~~~~。
書かなければ。僕がおかしかったのだから。
厨二病こじらせて、安っぽい正義漢振りかざして。たいして関わりのない女子のために余計なことをして。イタいしキモいし、普通に考えておかしい。余計なことをした結果がこれだ。ぐうの音も出ない自業自得。僕が何もしなければ、何も起きなかったかもしれないのに。無根拠の自信と自尊心が消えて、みじめさだけが残った。
(中略)
停学期間が空けても、あいつへの謝罪文だけが書けず復帰が認められなかった。
主人公みたいなやつだったけど、結局彼は一人では立ち直ることは出来なかった。
それでも、この作品はマンガだから、救いは訪れる。
正しい行いをしたにもかかわらず冤罪でクラスからはじかれ、いじめられ、学校から無期限の停学を受けるという理不尽な目にあった彼はそのまま腐ってもおかしくないのに、そうならなかった。
彼は停学処分期間中も課題を出し続けた。自分の青臭さ迂闊さを恥じることはあっても自分の行いに対して形だけでも頭を下げることを良しとせず意地を通し続けた。
そんな彼の行いは、正義を信じる堅物の風紀委員長に擁護され、四宮に発見され、最終的には本作の主人公である白銀が彼をすくい上げることに成る。
正しい正しくないを論じるつもりはない。
もっとスマートなやり方があったのは事実だ。
だが結果的に、荻野の悪い遊びは鳴りを潜め、大友に被害は及ばなかった。
目的は達成している。
頑張ったな石上。
よく耐えたな。
お前はおかしくなんて無い。
会長イケメンすぎるだろ。 こんなんモズクズ様の信徒なみに忠誠誓っちゃうやつやん。。。
ベルセルク (20) (Jets comics (808)) | ||||
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かぐや様や石上くんの心理の変化って「聲の形」と同じ演出が使われてるよね
一人でもわかってくれる人がいるなら、周りにどう思われてもいいかな。お前らがどんな怖い言葉で僕を否定してきたって、もう曲げられたりしない。お前らがどう思おうと、どれだけ脅しかけてきても、ビビって屈すると思うなよ。
ああそうか。この人達、良い人だ。見ようとしてなかったのは僕だ。ちゃんと見るだけでこんなに風景は変わるのか。
「聲の形」において、主人公は周りの人間の顔に全てバツマークが見えてしまい、まともに人を認識できなくなってたけれど、終盤にそのバツマークが剥がれて、一人ひとりの顔を認識できるように成る。
今作のかぐや様や石上くんについても全く同じ演出が行われている。属性や概念で漠然となにかをわかったつもりに成っちゃう時期って逆に目の前の人間一人ひとりの人間をちゃんと認識できなくなっちゃいがちだけど、そこに逃げないで、ちゃんと目を向けられるようにならないと、だね。
まぁそのなんというか。中学の頃の石上くんは最初見る目がなかったね……。彼がひどい目にあってまで助けようとした大友京子さん、「花より男子」の「中島海」さんを思い出すわー。