金田一少年シリーズは好きなので今でも欠かさず読んでますが
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この外伝7巻は「金田一少年という作品のこのシーン、コンプライアンス的にアウトだろ」というのを「ネタとして」突っ込むというコンセプトになっていてちょっと面白かった。
意中の子とセックスしたいからって……友達全員ラリらせるか普通…!?
もう少し考えろ…!コンプライアンスを!
相変わらずコンプライアンスのなってない漫画ね……
そんな言葉で済ませてはダメ! これは立派な痴漢行為…殺すべきよ今すぐに
人の陥れ方が玄人のそれ…!
やり慣れてる…
常習性があるわ…!!
しかし、マンガとして読んでるときの「露西亜人形館殺人事件」ってめっちゃ面白いと思ってたけど、犯人サイドの視点に立ってみると、おそろしくシンプルな話なんだね……逆に「魔犬の森殺人事件」は相当念入りに準備がされている。このあたり認識のギャップが癖になるね。
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(7) (講談社コミックス)
- 作者: 船津紳平,さとうふみや,天樹征丸,金成陽三郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2019/10/17
- メディア: コミック
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それにしても、昔の金田一少年、コンプライアンス的にアウトだろって公式で言うのOKってのがすごいな。
これその問題に自覚があってなおかつ今ではその問題は解決済みですって認識じゃないとOKしないでしょ。
これについては以前にまとめを作るために読み返した時に自分も感じてそういう感想書いてている。
作者の「さとうふみや(本名は佐藤文子さん)」さんが女性ということが免罪符になっていたのか「金田一少年の事件簿」はセクハラに対して異常に寛容な作品だ。特にシーズン2(CaseFile)までは。
金田一少年自身が当時のマガジン読者のニーズに合致したスケベキャラだった。スカートめくりやブラはずしは当然のこと、ドラッグレ〇プまがいのようなこともしている。もちろん作品としてそれを肯定していないのはわかるしギャグでオチがつくのだがその被害を受けた登場人物たちの心中が「穏やかではないわね……」となるのはは当然である。
シリーズ後半になればなると、マガジンの枠を超える人気作になり、時代の変化もあってどうもエロ関係の描写に対しての風当たりが厳しくなってきたのか、エロ関係に関してはかなり変化がみられる。金田一少年がエロい行為をすることは控えられるようになり、また「作中でセクハラ行為を行った人間はまず確実に殺される」という傾向が顕著になっている。
そこまでならともかく「ヒロインである美雪そのものがエロく見える」という問題に対処するためなのかどうかは知らないけど、美雪の見た目がロリ化し、肉感も失われるなどの変化が見られ、シーズン3の美雪は別キャラみたいになっていた。(まぁこれは「探偵学園Q」でロリキャラを描きすぎてて、絵の癖がついてしまっただけかもしれないけど)私は美雪にかんしてだけいえば序盤の絵が好きなので、とても残念。
「金田一少年」が中年になり、コンプラをやたらと連呼するおじさんになってしまったのは、この辺りの時代の変化に対する適応と愚痴みたいなのがあるのかもしれないと思ってたりします。 37歳の事件簿になってからは、金田一の方がそういう行為を恐れているという描写を入れることで、逆にお色気の強いキャラをふんだんに出せるようになってきた感じ。
何事も見せ方次第なんだな、と思いますね。