頭の上にミカンをのせる

マンガアニメ大好き兼業投資家の日記です。WORLD END ECONOMiCAアニメ化のCFを応援しています。

「CLAYMORE クレイモア」を三幕構成を意識しながら読む

「CLAYMORE」の22巻以降はよく覚えてるんだけれど、それ以前の内容をあんまりよく覚えてなかったので読み返してメモ書き。

CLAYMORE 27 (ジャンプコミックスDIGITAL)

CLAYMORE 27 (ジャンプコミックスDIGITAL)

  • 作者:八木教広
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/03/04
  • メディア: Kindle版


この作品も三幕構成をなぞる壮大なサーガになっている。
www.tyoshiki.com

①メインプロットは「テレサという女性に依存していたクレアという人間が、戦いの中でいかに成長して一人の人間として立てるようになるか」あるいは「プリシラとの因縁」かな。

作品全体の主人公は明確にクレアであるが、一方で群像劇でもあり、クレアが途中でリタイアしている間も大勢の人間のサブプロットが進行して飽きさせない。また、「プリシラ」が、テレサという偉大な存在をめぐるクレアのライバルであり、もう一人の主人公と言えるくらい重要である。


②前半のセントラルクエスチョンは「クレイモアの戦士たちは何者か、何のために闘うのか(組織からの自立・組織の打倒)」であり、後半は「プリシラという強大な存在との戦いでいかにして勝利するか」というあたりになるでしょうか



第一幕 セットアップ「ラキとの別れ」と「プリシラとの因縁」

映画は最初のおよそ10分間において、主人公とその周囲に関する必須情報が紹介され、主人公の目的 (問題) も設定される (セットアップ)。セットアップの終わりに起こるインサイティング・インシデント (きっかけとなる出来事) によって、ファースト・ターニングポイントが起こり、主人公は別世界の第二幕に進む

①7巻までが導入部分。
1巻まるまる導入につかうというぜいたくな内容であり大作感が非常に強い。実際に大作でした。なんと7巻までの内容は序章に過ぎないというね。

・世界観や、クレアの過去が丁寧に描かれる。
クレアは旅の途中で保護した少年ラキと旅をしていたが、二人は離れ離れになり、その後二人とをお互いを求めて旅をすることになる。

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7巻。オフィーリアからの襲撃の際に二人は離れてしまう

今からだと、この7巻まではツタヤレンタルとかマンガ喫茶などで確かめてから続きを読むといいと思う。


第二幕前半 組織から切り捨てられる

第二幕の中間のミッドポイントで、ストーリーは前半と後半に分かれる。ミッドポイントでは、衝撃となる出来事が起こり、ストーリーは正反対に転換する。


②8巻~ 「三強」の三すくみ状態が崩壊
・西のリフル(初代ナンバーワンの覚醒者)
・白銀の王 北のイースレイ&プリシラ
・南のルシエラ(ラファエラの姉)→ラファエラが処分

・プリシラが最強(イースレイはプリシラの恋人に)
・西のリフル(プリシラには勝てないので戦力増強必須)
・組織のアリシア&ベス

という新しい三すくみ状態に。



③北の戦乱(9巻~12巻)
・イースレイの南下進行に対する組織の時間稼ぎのために、組織に反抗的な24名のクレイモアが足止め役として派遣され、全滅する。(実際は7名のみ生存)



ミッドポイント 組織への離反

◆ミッドポイントからは主人公の危険度が急に上がる。主人公が敵対者と大きく衝突するため、このイベントはターニングポイントと同じ程度かそれ以上の転換シーンになる。ミッドポイントでは突然、主人公の目的や主張 (argument) を打ち砕く何かが起こり、ストーリーを正反対に方向転換させる

◆主人公がミッドポイントで「見せかけの勝利」(a false victory) を収め、ここから危機が本格化していく

◆ミッドポイントでは、主人公に新しい道標が与えられる。主人公がこれまで目指してきた試みは失敗したのであるから、新たにどこへ向かうべきかを知る必要がある。ここでは、登場人物が変化し始め、主人公がこれまでとは別の生き方を選んだり、新しい行動を開始したりする。

④北の戦乱から7年後(13巻~15巻)
15巻でこの世界の真実が明らかになる
・生き残ったメンバーは組織に叛逆し、組織を壊滅させるために行動を開始する
・唯一の世界だと思っていたこの世界は、あくまで「組織」の実験場に過ぎなかった
・組織の目的は「制御できる覚醒者」を開発し、大陸の外で「龍の末裔」との闘いに勝利すること
・つまり、組織こそが「妖魔」を生み出す諸悪の根源。



⑤7年の間に勢力図が変化し三すくみが崩壊。「組織」が深淵の者たちを圧倒しにかかる(16巻~17巻)

・7年の間に組織は覚醒者の死体をもとに「対深淵用兵器=深淵喰い」を開発していた。「ヴァンパイア十字界」のブラックスワンのような存在であり、「イースレイ」は深淵喰いによって倒される。組織は次に西のリフルを倒すべく、組織No1のアリシアを西に派遣する。


・クレアは叛逆計画の前に「黒服のルブル」と遭遇。ルブルの正体は組織に対抗する側の工作員だった。ルブルから西のリフルが、「ルシエルとラファエラの融合体」を回収したことを聞く。

・クレアは西のリフルにとらわれたルネという戦士を救うためにリフルの本拠地に潜入する。しかしすでに時遅く「ルシエルとラファエラの融合体」は覚醒してしまう。


第二幕後半 クレアはプリシラと対抗するために行動不能になる (ミッドポイントと並行して起きる変則構成? )

そこから第二幕の後半を通して主人公の状況が悪化していく。そして、主人公が最悪の状態に陥ったとき、セカンド・ターニングポイントで決断を迫られる。

この展開は「クロノ・トリガー」で主人公が死亡する展開を思い出しますね。



⑥「破壊するもの」が誕生する(17巻~19巻)
・破壊するものは全方位に「杭」を射出。その杭から次々と覚醒者が生まれてしまう。

・リフルは深淵喰いとアリシアに攻撃され瀕死まで追い込まれる。

・ここでついに「プリシラ」が動く。今まではずっとラキのもとで自分を制御していたが、クレア(の体内にあるテレサの死体)の臭いに気づき、クレアを殺すために動き始める。プリシラは圧倒的戦力であれほど強かったリフルもアリシアも両方あっさりと倒してしまう。

・プリシラには誰も勝てないと絶望した状態で、クレアは「破壊するもの」にあえて自分を食わせることで同化し、「破壊するもの」の力を使ってプリシラと闘い、プリシラを取り込んで自分もろとも封印する。



⑦ついに「組織」をつぶすための行動を開始する
・一方、ミリアは一人で組織をつぶすために行動する。友にいた仲間(タバサ)を切りすててまで一人で向かうが、組織に返り討ちにあう。

・「組織」はミリアの裏切りに対し、聖都ラボナを覚醒者たちに襲わせる。これにより組織が妖魔を操っていることが確定。序列8位のディートリヒなど組織側の戦士も組織を疑い始める。

・ミリアとクレア以外の5名のメンバーは、ミリアを追って組織の本拠地に向かう。途中で「男の覚醒者を量産している組織の施設」を破壊する。

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そういう戦士たちの気持ちをもてあそぶ組織。これ以上ないブラック企業

・現役の戦士たちも組織に叛逆。組織は叛乱を鎮圧するため「深淵喰い」を発動させる。

・さらに組織は「ラキ」の体に刺さっていたプリシラの左手を使って「歴代ナンバーワンの死体3体(ヒステリア・ロクサーヌ・カサンドラ)」を蘇らせて対抗する。(大蛇丸かな?)しかし、3体のうちカサンドラとロクサーヌが仲たがい。結局3体とも覚醒体となり、殺しあい、カサンドラだけが生き残り、その場を去っていく。

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ブラック企業が、使いつぶした社員がまた復帰して組織のために働いてくれると思ってるんじゃねえよと

・組織の長リムトを殺し、組織を完全に崩壊させる。

第三幕 ラキとの再会及びプリシラとの対決

そこで主人公が正しい決断をすることにより、続く第三幕での最後の試練に勝利 (または敗北) する

⑧プリシラを止めるためにプリシラと融合したクレアを救い出す(23巻~)
・深淵の者カサンドラは融合体のもとに向かう。この二人が出会ってしまうとすべてが終わる。その前にラボナの街にいる融合体からクレアを引っ張り出すことにする。

・融合体の復活を前にして、ラボナの街には「野良覚醒者」が見学に集まっていた。(幽遊白書の、雷禅の友人たちみたいな感じ)

・ラキの呼びかけによってクレアは融合体から抜け出し、ついにラキとクレアは再会を果たす。


⑨封印していたクレアが抜けたことで融合体が動き出す
・もともと⑥で述べたように、「プリシラ、破壊するもの、クレア」の三体が融合した状態だったが、クレアが抜けたことで三すくみ状態が解除され、残ったプリシラと破壊するものが主導権を争って暴れだす。

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23巻。もはや戦いはクレアだけのものではない

・まずは、プリシラと破壊するものが戦っている間に、プリシラに融合しようとするカサンドラの動きを止めることに専念する。その際に「野良覚醒者」や「謎の存在(リフル?)」も参戦する。


⑩プリシラが融合体間の勝負に勝利して破壊するものが消え去る
・プリシラの憎悪のエネルギーは無尽蔵。カサンドラと思っていたものもプリシラの身体の一部。「リフル?」もプリシラの一部だった。しかし二つともプリシラとの融合を拒否し、カサンドラは自我を取り戻し、リフル?はプリシラと戦う。

・戦いのさなか、「野良覚醒者」の一人エウロパがラボナの街を襲うが、対プリシラ戦に参加していないクレイモアたちが一致団結して倒す。

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25巻。クラリス

・しかし、結局プリシラが「リフル?」にも勝利し、誰もプリシラに勝てない状態になってしまう。


⑪すべての仲間たちの力を結集して、プリシラに勝利する
・覚醒体としては一瞬で全員を皆殺しにできるほど圧倒的な力をもつプリシラだが、戯れに「戦士」として戦う制約を自分に設定する

・最初はラキが挑むが瞬殺され、次にクレイモアが総出でかかるもあっさりいなされる。

・カサンドラを乱入させ総攻撃するもダメだったが、ラキとクレアの共同攻撃で油断していたプリシラを打倒する。


エピローグ 「デウス・エクス・マキナ」

27巻の77ページを読めばわかる通り、本編の戦いは26巻の⑪で終わっており、27巻の展開はすでにエピローグという扱いになっている。

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27巻。最後の後始末


・しかし、プリシラは、逃走経路にジョセフを配置していたDIOのように、カサンドラを同化(⑩で述べた通り、もともとカサンドラはプリシラの一部)することで復活する。もはやハンデもなしで触れるものをすべて貪欲に取り込み、最強の状態で襲い掛かってくる。今度こそ絶体絶命に

ここにきてすべての伏線が回収され、想像外の超展開が発生する。 

「半覚醒を保てる戦士たちの存在」「双子の女神像」「ラファエラとルシエラ」「クレアとジーン」「ジーンの願いによって自分は覚醒できなくなったクレア」「覚醒する存在をスイッチできるアリシアとベス」「クラリスとミアータの関係」「覚醒体としての強さのメカニズム」などなど、繰り返し繰り返し描かれてきたのはすべてこのシーンのため。




クレアの成長

私はあの時のやり直しをしたかっただけなのかもしれない。私が許せなかったのはあの時、怒りよりも恐怖に支配された自分。ただ震えて泣くことしかできなかった自分自身。だからやり直したかったのだ、あの時を。愛するものを殺され、そのものを胸に抱き、怒りのまま挑んでいく自分の姿を。倒すことが目的ではない。たとえ殺されても相手に向かっていくことこそが全て。


私は弱くなった。ラキと再会し、仲間と剣を重ね、ともに闘うと約束した時から、私はこの者たちと共に生きたいと願ってしまった。仲間を失いたくない。この先もともに歩いていきたいと思う私に、かつてのすべてを投げうてる強さはもうない。圧倒的な力を持つ者に心の底から恐怖を抱き、死にたくないという思いに駆られながらそれでもなお必死に剣をふるう。私は初めて仲間とともに戦い、私の中にあった大きな力を失った。
かわりに得た力は、臆病になった私を魂ごと奮い立たせる。

セイバーかな?と思わせておいて阿良々木暦くん。


プリシラの克服できなかった過去

人としての私が一番期待したのでしょうね。この私を殺すことができる、最初にして最大の希望だと

誰よりも妖魔を憎み、その妖魔を自分の体に宿した自分自身を殺したいと願い続けた少女。