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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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書いてることを書いている通りに読むってかなり難度の高いスキルだよという話

なんか書いてることを書いてる通りに読むことが当たり前に可能なことで、それができないのは識字障害とか「自分に関係がない話」だと思ってる人多いみたいだけど……私は全然違う意見ですね。

学校の偏差値60以上の私立高校の生徒に国語教えてた経験がありますが、その立場からすると、文章の難易度にもよるけど書いてることを書いている通りに読むって高度な技術が必要です。というか私も完璧なんてとても無理です。

完璧に書いてることを書いてる通りに読めるなら、少なくともセンター試験は余裕で満点取れますよね。

さらに言うと難しいのが「読む」の上で自分の理解を他人に伝える、の部分。正しく読めていれば少なくとも選択肢の問題は正解できる。でも、これを自分の言葉で正しく表現しようとするとこれもまた訓練が要ります。

センター試験で8割取れる生徒でも、記述式にした瞬間意味不明なことを書く人多いです。英語和訳でも整った日本語にするのがなかなかできない人いますよね。

いろんなところで「技術」と「背景知識」が必要なんですよ。英語以外に古文を勉強させるのって「日本語だったら適当に読んでも理解できる」という幻想をそげぶする目的もあったりしてね。古文が全然できなかった人は、高確率で現代文も適当に読んでると思ってますよ。自分では読めると思ってるだけ。

ただ、文章がちゃんと読めなくても「文章でコミュニケーションする場」以外ではそれほど気にしなくてもいいとは思う

文章はあくまでコミュニケーション手段の一つにすぎません。「多人数向け」「正確さが求められる」「親しくない人向け」などの状況に強みがあると思います*1が、逆に言えばそれ以外ではもっといい手段があります。

人間にとって必要不可欠なはずのコミュニケーションに対してそれだけ高度であったり厳密なスキルが要求されるのは不自然といえば不自然です。昔は貴族のためのものでしたしね。

とにかく相手の言うことわかって、自分の言ってることが伝わってるならそれでいいんです。文章読む力が高くても、文章での表現力が高くても友達や仲間がいなかったら意味ないです。

むしろ文章をきちんと読む能力が高いということは・・・(それ以上いけない)

その上で、文章読む力を育てたければどうすればいいのか?について「音読」は非常に有効な手法です

この手の話になると人にお勧めしてる本が2冊ありまして。

1冊目は冒頭で紹介した「わかったつもり」という本。これは読み手として陥りやすい落とし穴について教えてくれる本です。

わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ (光文社新書)

わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~ (光文社新書)

  • 作者:西林 克彦
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/12/13
  • メディア: Kindle版
「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける (光文社新書)

「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける (光文社新書)

  • 作者:石黒 圭
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/03/18
  • メディア: 新書

読み手が自分の持っている「ステレオタイプのスキーマ」を文章に簡単・粗雑に当てはめてしまうことによって、間違った「わかったつもり」や不充分な「わかったつもり」を作り出してしまうことがある のだということを、私たちは、はっきりと確認しておく必要があります。


もう一冊が「国語って、子どもにどう教えたらいいの? 音読から読解問題、作文・読書感想文まで、効果抜群のアドバイス集」です。これは自分が教える立場になったつもりで「文章を書かれている通りに読むということ」について理解できます。後者の本では「音読」の目的と効果について同じように語られていますよ。


どちらも非常に役に立つので読んでみてください。

数年前に読んだしんざきさんの記事もおすすめできる内容です。

*1:日本には恋文をやり取りするという激アツ文化もありましたが