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累計販売本数こそ首位陥落したけれど、未だにエロ同人の絶対王者はクリムゾン先生じゃないかなという話

www.tyoshiki.com

のおまけ。


まずはGW中のFANZA同人の売上本数を見てくれ

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データのソースはこちら

少なくとも「同人のDL販売」に関してはすでにDLSiteがFANZAに肉薄しているということ自体も驚きですが、GW期間中のFANZAの販売本数がおかしいことになってます。



まぁこれ、理由ははっきりしてて

FANZAはGW中にえげつないセールをやってたからです。

・50%~90%オフセール

・シリーズもののエロ同人作品の1巻を10円で買える特別セール

などなど。


この1巻が10円で買えますセールの販促効果は思っている以上に強力です。

とあるサークルさんでは1巻を買った人間はその後10人に1人は続編も買われていましたし(1巻の売上本数の増加と2巻以降の売上本数の増加をチェックした)

なによりも「お気に入り登録」される率が高いからです。



FANZAの人気作家がどんどんと「シリーズ作品」を出す傾向だし、シリーズ作品の最初の方はえげつないような値引きされてて本数が水増しされている

このせいか、FANZAで特に売れっ子となっている有力な同人作家さんは作品をシリーズ化する傾向が強いです。

そういう意味で、エロ同人のうち、特にシリーズもの作品の1巻の販売本数は本当にあてになりません。

販売本数だけだとサークルさんの強さが必ずしも把握できないという状態になってます。


また、シリーズ完結作品が出た時に

・総集編を出して、その総集編は一定の期間半額で売り出す(伊東ライフ、菊月太朗、ぽち小屋など)

・シリーズ完結作が出た時だけ序盤の巻を90%オフなどの値段にして通しで読んでもらえるように工夫する(※ハイエロ、モンプチなど)


このあたりの作家さんは、FANZA内で自分のファンを育ててきている人たちですね。


ちなみに、最近発売されたハイエロさんの「春くらべ」3巻がめちゃくちゃいい作品だったので、瀬戸口廉也さんの「キラ☆キラ」とかが好きだった人にはぜひ読んでみてもらいたいです。上で述べたように1巻が90%オフ、2巻が50%オフになってます。




さて、ここまで話をだらだらとしてきたのは、「FANZAの販売本数」でこそ首位陥落したものの、やはりクリムゾンさんは今でも最強だという話がしたかったからです。

古参の中でもクリムゾンさんは「別格」

前の記事で、累計販売数の表を載せました。この記事でも上位の部分だけ引っ張ってきます。

サークル名 累計販売数 販売本数
青水庵 196万 32作品
クリムゾン 161万 325作品
チンジャオ娘 123万 29作品
リリックボックス 125万 75作品
Digital Lover(なかじまゆか) 77.5万 43作品
ひぐま屋 77.5万 14作品
サイクロン 62万 35作品
STUDIOふあん 61万 73作品
ヨールキ・パールキ 53万 10作品
立花オミナ 52万 14作品

本数で言えば確かに首位陥落しています。しかし、それでもやはりクリムゾンさんがサークルとしては最強だと思います。


①まず、人気作家さんが大幅値引きを駆使して販売本数を伸ばしている中、クリムゾンさんの場合、まず商品の値引きを一切と言っていいほどしません。

他の人気作家さんでも「50%オフをやるタイミングは新作が発売したタイミングのみ。その他のセールには一切参加しない」「10円への参加など絶対に参加しない」くらいの作者さんならたくさんいますが、クリムゾン先生の場合は古い作品であってもろくに値引きしてくれません。MAXで20%オフまで。(今ちょうど20%オフセールやってます

総集編みたいなのも、二次創作をやっていたころはよく作ってくれてたんですが今はほとんど作ってくれません。

FANZAが勝手にポイント還元してくれることはありますが、これはFANZA負担であってクリムゾンさんの収益は一切減りません。

つまり、クリムゾン先生の場合、製品の定価×売上本数がそのまま販売額に直結するわけです。(あえて2割減してもいいけど)


②また、そもそも1作品あたりの単価が非常に高いです。

相場770円~880円くらいのボリュームでも、クリムゾン先生の作品は1430円などの超強気な価格設定だったりします。

それでもコンスタントに5000~7000本売れる。そして作品の制作スピードは他のサークルと比べて以上に速い!

そういった事情を踏まえて販売数を見ると、販売金額では未だにクリムゾンさんが圧倒的にトップであると言えます。

強すぎますよね。



③また、クリムゾンさんはあまりに知名度が高いので、どちらかというともはやFANZAではなくAmazonKindleをはじめとするその他メディアでの売り上げの方が目立ちます。

わざわざそれぞれの媒体に合わせて微調整された形で商品が出ていますので、それ以外の販売サイトでの売り上げが小さくないことがうかがえます。

例えばAmazonだとこんな感じでエグイくらいに分割して売られていますし、Kindle Unlimited対応作品も多い。

こんな感じで、そのメディアごとに合わせて売り上げがが上がりやすいように自社作品を展開します。

自分の勤めてる会社、ここまで顧客に合わせてきめ細かく商品展開できてるかというと全然そんなことないよね……。

2002年からFANZAで電子書籍版の販売を始めるくらい動きに敏感だったクリムゾン先生ですが

VTuberがブームとなるやいなや自らも活動を始め10万以上のチャンネル登録者数をあっという間に獲得したり

貪欲にいろんな方法を模索し、挑戦し続けているのが本当にすごいなと思います。 

まぁここまでべた褒めしてきましたが、クリムゾン先生の作品が好きかといわれると反応に困るものも多いですけど……





余談 コロナ災禍を契機に、FANZA内でも大きな動きがあったという話

そんな中、「二次創作」中心に活躍してきた作家さんがコロナショックを契機として新興勢力としてFANZAに参入し、売り場を荒らす面白い展開も起きています。


この人たちはそもそも「同人誌で儲ける」というのがもう古いという新世代の人たちです。

ツイッターのフォロワー数が多く、多数のファンがついている人たちは、FANZAやDLSiteに依存する必要がありません。

いくらでもお金を稼ぐ手段があるからです。

今一番売れてる人たちはそもそもFANZAの中にはいない。



そういう人たちは、例えばPivixFANBOXでのファンからの月額課金の方を行ったりしています。

ファンサイトで隔週で4~5枚。差分含めて15ページ程度の作品を提供するという月額500円~1000円くらいのプランを持っていたりします。

そしてそれらのストックがたまった時に、CG集として販売するためにFANZAやDLSiteを使うという感じです。

FANZAはそれも良く把握しており、こういう作家さんが自分のところで作品を出してくれるように広告宣伝を行ったりもしています。

例としては「満開全席」さんや「矢印キー」さんあたりでしょうか。

この二つのサークルは同人誌は同人誌で5000とか10000とか売れてるわけですが、ファンサイト活動も積極的です。
コロナを契機として、「同人即売会」の意義も大きく問い直されることになるんじゃないかと思ってます。



①同人即売会でドカーンと売れる時代はそれはそれで素晴らしかったのですが、

②DL販売が普及することで、「コストをかけ過ぎず・ストックを抱え過ぎずに販売ができる」「価格戦略なども自由が利く」という時代がありました。

③さらに現在では薄く広く安定収益を得ながら同人活動を続けられる環境が出来つつあるという状況です。

④さらにけんすうさんなんかは「作業風景を見せるだけで収益に結び付けるサービス」なんかを今考えてるみたいですね。



一見いいことづくめに見えますが、もちろん良いことばかりではありません。
これらのテクノロジの恩恵を受けられるのは強い人たちであって今まで「同人即売会」という制約によって守られていた弱い作家さんはかなり苦しくなってくると思います。






とかまあ、個人的にはいろいろ面白いと思う現象が起きてて、語りたいことたくさんあるんですが、需要はあんまりないよね……。

こういう話に需要があって記事書いてくれーみたいな話あったら是非お声かけくださいませー。