頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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発達障害

「なおりはしないが、ましになる」 エッセイストが、医師の助けを借りながら自分の発達障がい特性と一つ一つ丁寧に向き合っていく作品。作者の言語化能力が高いのでよく腹落ちさせてくれる傑作

発達障害の診断を受けたマンガ家がちゃんとした専門医と会話しながら自分の生活を見直していくというマンガ。

「発達障害なおりました!」「つらかったけど理解ある彼クンを今は幸せです」みたいな話じゃなくて

この作品は「理解ある彼クンはすでにいるけどその程度で解決するわけねえだろ!今だって生活ボロボロなんじゃ~^」というところからスタートしている。


当たり前だけど、全ての問題がきれいに解決するみたいな展開は、発達障害者には存在しない。

その上で、それでも医師に相談しながら「ましにできるところはある」という塩梅で描かれている。


こういうのが「共感」できる読み物だ。

この漫画は作者自身を描いたエッセイだが、全然他人事という感じがしない。

「当事者の外」に向けて、教科書的にふるまったりせず、ほんとに作者自身が、つれーつれー言いながら「なんとかやっていく」姿を見せてくれている。

発達障害者だけどなんとなくうまくいく話を見せられると「ここまでが世の中の許容範囲なのか」という謎の疎外感を覚えることがあるのに対して

本作はとにかく「共感」させられる語りや描写が多い。 そうなのよ、私はこういうのが読みたかったのよ!とすごいうなづかされる。



普段どうしても社会から疎外されている(あるいは自分から疎外している)意識がある私としては、読んでてとても「ほっ」とする。

このような安堵感というのは、誰かに同情ではなく「共感」することによって、「自分だけじゃないんだ」というのを感じることで生じるのだろうか。知らんけど。


「おまおれ(お前は俺か)」ポイントが多すぎて変な笑いが出る


これめちゃくちゃある。

誘われてやっていたらだいたいなんでも楽しめるのに、
自分から企画して他の人に声をかけて云々みたいなのが本当に苦手。
だからだいたい行動するときは一人になるか
「めちゃくちゃ気心が知れた人」と何度も繰り返し行動することになる。
そのせいで体験が受け身になるか、めちゃくちゃ狭くなるのだ。



この「相談ができない」というのも長い間めちゃくちゃ苦痛だった。
だからこそ、小学校の時からノート取る癖がついたし
大学に入ってから山田ズーニーさんの影響をめちゃくちゃ受けてこれは改善しようと努力した。
とはいえ「準備していればできる」だけであってアドリブとか求めらると死。



これもちょっと気を抜くとすぐになる。
ただ、これは昔は自己嫌悪が凄くひどかったけど
実は周りの人もそこまでちゃんとできてないと知って安心したのと
ある程度習慣化によってマシにはなるということがわかってきた。



人間関係が壊滅的になるというのは生まれてから今までずっと同じ。



だから自分より周りの人がみんなすごそうに見えて、
ついつい気後れしてしまい、
そうすると何も言えないのに無駄に気づかいしていつも疲れた状態になってしまって、
でも、周りからすると「何もやってない」状態になっていたことが多かった。
誰も幸せにしてないので本当に無駄なんだなってわかってるけれど
ちょっとでも気を抜くとすぐにこの状態に陥りがち。



「さっきから誰に怒られているんですか」「幻覚としゃべるな」
これ気軽に言うけど、これ割と死活問題だからね。
怒られることを常に想定して自分を戒めておかないと
なにやらかすか自分でもわからないんだよ。
で、めちゃくちゃ自分で悩んでるのにここを茶化されると普通にキレると思う。


夫に相談したときのリアクションの部分は必見

インターネットでは発達障害って結構認知されてる気がするけれど、それほんとに気のせいだから。

身内ですらこの程度の認識なので、基本的に周囲の人に理解するのは絶望的。

うちは、中学に入ってからようやく父親は勉強してくれてたけど母親はたぶん今でも
私の事はただの怠けっぽくて集中力が続かないやつくらいに思ってそうだ。


こういう感じだから、絶対にテストを受けて、点数を可視化したほうが良い。



あと、発達障害あるあるというか、当事者ですら「このオチ」で納得してる人が結構いるが……

これで納得できる人は、そもそも診断を受ける必要がないというか
自分が発達障害だといちいち意識することはほとんどない。

ここで納得してる人たちは、よほど考えが甘いか
ファッション発達障害といっても良いと思っている。

「得意不得意が凸凹で得意なこともある」がわかったところでどうしようもないんだよ!

こんな感じで「ちょうどいい」ところというか「落としどころ」が見つけられないまま極端になっちゃうから駄目なんですよ。

そんなわけで、大人の発達障害に至ってはそもそも診察してくれる場所そのものが少なすぎるのですぐ詰みます。


私は読んでてめちゃくちゃ楽しかったので、他の人にもぜひ読んでもらくなるけど、他の人が私と同じように楽しめるかは正直自信がない……


とかね、ほんとにこう、1ページ1ページが
「わかる」「ほんそれ」「おまおれ」みたいな話が多い。

共感しまくる。

となると次にどうなるかわかるかな?



そうだね、紹介だね。



他の人にお勧めしたくなるんですわ。

まだ2巻までしか出てないし、ちょっとでも発達障害に興味ある人にはぜひ読んでほしい。特に身近に当事者の人がいる人は絶対に。

ただ、わかりやすく「役に立つ」とかじゃなく、当事者がよんでほっとする本だから他の人が読んだ時に絶対に面白いとかはわからない。

いつもわからないけど、この作品は特に読む人によって評価が変わると思う。





でも、私のブログは発達障害の人結構いると思うので、そういう人が一人でもこの本を手に取るきっかけになってほしいなと思ってこの記事書きました。よろしく!



この本に関しては、読んだ人が5人くらいいたらスペースとかで読書会やりたいなって思ってます(漠然としてる)

すでに読んだよーとか何でもいいので、読んだ上でこの本について語りたいみたいな人がいたら、はてブとかでコメントして下さるとうれしいデス。

まぁ先に自分がYouTubeとかで感想語るとかしたほうがいいかもしれぬ。


蛇足(ここまで紹介した内容がだいたい8話までですが、それ以降で気になった感想を追記予定)

この続きはcodocで購入