柊あおい「星の瞳のシルエット」新作が次号りぼんに、“250万乙女のバイブル”復活 - コミックナタリー
懐かしいなぁと思ったので文庫版を読み返してみました。
中学生くらいまでの間、私は自分でマンガを買うことが許されていなかったので、姉が買ってきた少女漫画をたくさん読んでました。だからマンガ読みはじめの頃は少女漫画が多かったんですよね。池野恋とか椎名あゆみとか小花美穂とか赤ずきんチャチャとかいろいろ好きだったわー。
私にとっては元祖「メロンパン好きキャラ」はこの作品に出てくる久住くんでした。
さて、この作品は、中学生編→高校生編と二段階にわかれているのですが、連載開始当初の中学生編は絵や構成がうまいとは言えない状態でスタートしました。それが高校生編になるころには絵柄が相当上達し終盤には、現在にもつながるほどの完成度に。
登場人物の成長と、作者の成長がシンクロするような感じで進んでいくのが今から考えると素晴らしいなぁと思います。
今から読み返すとツッコミどころが大きいのですが、それは今で言うと「君に届け」がそうであるように、当初長期連載予定でなかったものが、人気を博して設定や展開が変わってきたからだと思います。
って思ったらあとがきで全く同じこと書いてた。
とにかく初めての連載だったので一生懸命、夢中で描いていたことだけは確かです。
当初5回くらいでおわれるようにということで、適当に話を進めていました。ところが予期せずありがたいことに、読者のみなさまの支持を得ることができて、当分の間連載を続けさせていただけることになったのです。描いていくうちに描きたいことがどんどん増えてきて話がどんどん広がってしまいそうだったので、残りの回数を気にしないで描けるというのは本当にありがたいことでした。でもそうして広げるだけ広げてしまったとき、さて今度はどうやって収集をつけようかと途方に暮れてしまったりもしました。話がどんどん泥沼化して暗くなっていくにつれ、描く方の精神状態も同じように鬱々としてしまって、描いていて苦しかったです。終盤になってようやく話が解決の方向に向かいだした時には、やっぱり描いていても解き放たれたような解放感があって、気持ちも落ち着きました。
3年半という長い連載の間にキャラクターの顔もずいぶん変化してしまいました。はじめと終わりでは「これ同じ人!?」と疑いたくなるくらい違っていて恥ずかしい限りです。中学生から高校生へ、成長の過程を絵で追っているとでも都合よく思っていただけたらありがたいのですが。
今読むと正直古臭いしいろいろガキ臭くてふんぬーって気分になりましたが、やっぱり覚えてるもんですね。当時は何回も読み返してたからなー。こういう恋愛したかったなー(涙)
吉祥寺啓子の後日譚「エンゲージ」
さて、当時は単行本で読んででなかったのだけれど、今回文庫本で読み返してみると、「エンゲージ」という外伝が追加されていました。
私がこの作品のキャラで一番好きな「吉祥寺啓子」にまつわる後日譚だったので大喜び。もし私以外にも「吉祥寺啓子」覚えててこの外伝まだ読んでない人がいたら是非読むべし。
「吉祥寺啓子」は高校生編から登場したキャラクターで、私はこの作品で吉祥寺啓子が一番印象に残っていました。
明らかに他のキャラと違ってサバサバして大人びており、「周りがよく見えている上で、自分の望むように行動する」ことができる存在でした。
他のキャラは、他人を気にしすぎたり自分の気持ちだけで精一杯になるあまりウジウジと行動をためらって物語を停滞させ、その結果物語が暗い方向に落ち込んでしまうのですが、そんな中彼女が行動できないキャラを引っ張ったり、状況を掻きまわしたりして話を盛り上げ続けました。
トリックスター的存在であり、このキャラの存在が事実上この作品を支えていたと言っても良いと思います。ただ、メンツがメンツなので、原作においては吉祥寺啓子の入り込む隙間はなかった、と。
もちろんこの作品中で幸せにならなかったとはいえ「自分で自分の幸せをつかむためにまっすぐ行動できる人物」だと思ってたし、実際彼女にふさわしい相手は大学かそれ以上で見つかるんだろうな、ということで心配は全くしてなかったのですが、それでもそんな彼女の外伝が存在したのは知らなかった。
こうして20年ぶりくらいかな?に続きを読むことができて、すげえ嬉しかったです。実際読んでみて、大学で、いじけた男を見つけて思いのまま強引に引っ張り回す吉祥寺啓子の姿は、いま見てもスカッとするものであり、やっぱり私はこのキャラクターすごく好きだなーと思いました。
末永く爆発しろ♪