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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「未来日記」

懐かしい。

http://nico.ms/sm8687286

 

すこし記憶は薄れてしまっているけれど未来日記は職人芸のようなエンタメ作品だったと思う。

 

同時代性に特化しているというか、当時のトレンドが非常にうまく構成されていた。作者の方はかなりロジカルな人なのだろう。

 

 

能力者によるバトルロワイヤル。

崩壊しつつある世界。

殻にこもりがちだが本気出せば能力がある主人公。

そんな主人公を物語に牽引する謎のヒロイン。

 

その他モロモロ、いわゆる受けが良い要素をキャッチーな形で詰め込んで、これらの要素を「キャラクターの性質や能力はみんなもやってる日記による」というキャッチーな形ででまとめていた。

 

 

そんなわけで、自分たちにとってホットなトレンドである要素が散りばめられているから抵抗なく読める上、相手の日記(アイデンティティ)を破壊することが勝利条件という新鮮さもあいまって、最初から面白い、と感じ五巻から六巻あまりまでは、この作品が今一番アツい!って思いながら先を楽しみにして読んでた。

 

幼稚園児や教団の教祖、大量殺人犯など様々なジャンルの人間が登場するが、それぞれ攻撃力は高いのに日記が少し傷つけられただけで死ぬという一発逆転、一撃死の可能性が物語に緊張感を与えていた。

 

 

ただ、個人的には後半それほど盛り上がらなかった。

 

非常に合理的かつトレンド重視な作品だったためか、途中からの展開は既視感というか先が予測されるものであったように思う。

 

ループ展開であることはかなり早い段階でみんなわかっていたことと、日記の能力が重視され過ぎて、後半に出てくるキャラがあまり魅力的に感じられなかったことなどから、後半は緊張感が持続しなかったように思う。実際は命がけで高難易度の戦いをしていたのだけれど、自分の中で盛り上がらなかった。

 

 

もちろんその点は作者もわかっていて、途中からはバトルロイヤルの対戦相手との戦いはメインではなく、今まで共闘、というか依存して来たヒロインこそが最大の敵であり、彼女の正体を突き止め、その切実なる思いを知ることが目的という展開になる。

 

 

つまりバトルものに見せかけた恋愛マンガだった。弱くて閉じた世界に引きこもっていた主人公が、一人のヒロインとともに戦い、成長し、ついにはそのヒロインを救うという王道的な物語。二人の関係だけを見れば「惑星のさみだれ」と相似形と言えるのではないかなと。

 

 

 

ただし、この作品と惑星のさみだれには大きな違いがある。

 

惑星のさみだれは、みんなで戦う過程で成長していく話だ。だからラストにおけるヒロインとのバトルには観客がいる。仲間がいて、応援してくれる人がいる。物語の後も話が続いていく。話のベクトルが、未来方向、拡散する方向を向いていると思う。

 

 

これに対して、未来日記は他の敵を殺していく話だ。ラストバトルはあくまで二人の戦いであり、目的は過去の清算でえり、後片付けである。荒らされた世界は元に戻り、二人は世界からはじき出される。話は二人に収束する。

 

 

どっちがいいとか悪いではないけれど、読み返したくなるのは惑星のさみだれ側かな、と個人的には思います。

 

 

 

それにしてもアニメはものすごく丁寧に作られていてよかったですね。惑星のさみだれもアニメ化はよ。

 

新作「ビッグオーダー」は読んでませんが思い出したことだしチェックしてみようかな。