ちゃんとした感想は別の記事で書きます。
「もしドラ」の主役が部活動をやめた後、程久保高校はどうなったのか
これまでとは裏腹に、やることなすこと上手く行かなくなったのだ。
文乃のマネジメントは、それまでのものと大差がないように思えた。ドラッカーの「人は最大の資産である」という考えにもとづき、部員たちを活かそうとした。マネジメントを、人の強みを発揮させることに集中した。また、真摯さを貫こうとした。しかし、なかなか成果が上がらなかった。
(中略)
結局、程久保高校高校は、昨年度の優勝校であるにもかかわらず、初戦で早々に敗れてしまった。
「真摯さを貫こうとした」ってなに……。結局もしドラでも言葉だけが強かったけど結局どういうことなの……という感じでしたが改めてこの言葉だけぽんと出てくると違和感パない……。(この本の中でも文乃が「ほんとうの意味での真摯さ」について自覚する描写が有ります)
と、ともかく「もしドラ」読んでた時も、途中からこんなあれもこれもやってうまくいくのだろうか?という内容が全部うまくいってたので、主人公補正が切れただけでは?と思ったりしたのですが、そういう話ではないようです。
「もしドラ」の時は、取り組みがダイジェスト版で済まされて詳細は描かれなかったけれど、ちゃんと「みなみ」にはあって文乃にはなかったものが存在したのかもしれません。それとも二代目には別の工夫が必要なのかもしれません。そういったところが「もしイノ」では掘り進められるはずです。
ちなみに川島みなみは大学卒業後クレアモント大学のドラッカースクールに通ってる。
もしドラの著者「岩崎夏海」が美少女に転生して登場
ハックル?誰ですか?知らない子ですね……。
「実はその本を書いた作者の人と、この前知り合いになってね」
「へえ!この……」と表紙の名前を見て、夢は言った。「岩崎夏海さん?」
「そう。だけどそれはペンネームで、本名は『北条文乃』って言うんだ」(中略)
「ああ!あの入学式でおどおどした挨拶を下た人?」
「そう。その先生が、高校時代の体験をもとに書いたのがこの「もしドラ」なんだ」
「へえ!あの先生、程久保高校出身なんだ」
「うん。しかもその後、東大に行ってるんだよ」
……東大って情報いらなくね?いる?
ちなみにここで登場する岩崎夏海さんとは全く関係ないし私は知らないけどハックルという人の経歴を電波で受信しました。
父親は筑波大学元助教授でアーバンデザイナーの岩崎駿介。祖父は岩崎書店創業者の岩崎徹太。茗渓学園高校、東京芸術大学美術学部建築科卒業。芸大へ進学した理由は特になく、建築家で芸大出身の父親の勧め。
「もしイノ」は「もしドラ」の欠点を調和しより進化させる
「なぜ去年はあれほど上手くいったマネジメントが、今年はうまく行かなかったのだろう?」そのことが大きな疑問として残った。
(中略)
調査、分析をすすめた後、今度はそれを文章としてまとめることにした。その際、それを伝えるのに最適な手段はなにかと考え、結果として、小説形式でまとめることとした。すると、その書き上がった原稿が、ふとしたきっかけから出版社の加藤貞顕という編集者の目にとまった。そうして本として出版されることとなったのだ。それがあれよあれよという間にベストセラーとなり、大きな話題となったのである。その本が、いわゆる「もしドラ」だった。
「もしイノ」の著者は、この部分をどんな顔をしながら書いてたのか気になる。今回の編集者は加藤貞顕さんではないが、編集者は受け取った時どんな顔をしたのだろうか。
「もしドラはなぜ売れたのか」とは何だったのか。……な、だから「もしドラはなぜ売れたのか」はフィクションだって言っただろ?「岩崎夏海」は沼正三ばりに正体不明の人物なんだよ。ネットで見かけるハゲたおっさんはあれダミーなんだよ!
と、ともかく話を戻すと…。「もしドラ」の著者は、もしドラの成功例を最も間近で感じつつも、その成功を引き継げなかったという設定になっている。
また「もしドラ」の時点でも作者の頭のなかにはちゃんと詳細もあったんでしょうが途中の成長の描写は小説と呼ぶにはあまりにスッカスカでほぼ取り組みと起きた結果の羅列にすぎず、ビジネス書として読むのでなければ「全然説明になってねえじゃねえか!」とマジギレするレベルでした。それだけ読んでもマネジメント実践出来ないし、足りない部分を補って実践デキる人はもともと「もしドラ」なんて必要ねえ!いう内容であったけれど、女子高生が書いたなら仕方ないね。
そんなわけで、「もしイノ」は「もしドラ」で伝えきれなかった「真摯さ」についてより掘り下げ、そこから「企業家精神」へとつなげていくのです。 「もしドラ」では描ききれなかった「なにか足りないのではないか」を補って今度こそ完成させるために執筆されたのです。
それどころかp88を読む限り、ドラッカーのどの本を読んでもある課題は解決されない。ドラッカーだけでは足りない。その部分は私が埋めてやる!もはやドラッカーにおんぶにだっこのオレ様じゃないぜヒャッハー!と「もしイノ」の作者は息巻いているのですね。実際にコリンズの「ビジョナリー・カンパニー2」などを引用しながらドラッカーを上書きしようとしていきます。
「もしドラ」は、真摯さという素質(主人公補正)がない奴が「マネジメント」読んでも無駄無駄無駄ァ!という無慈悲な本だった。これが数年越しに「もしイノ」によって克服されるのです。もはや「もしドラ」は単体では完璧な本ではない。「もしイノ」と合わせて初めて完成される。
さあ、そうと分かったら「もしドラ」を読んで絶賛していた(はず)の280万人-1600人)は、「もしイノ」を読まずにはいられないよね!
Amazonレビューの紹介文が明らかにやらせくさいの多くて見苦しい……。ダイヤモンド社はもうちょっといいバイト雇って書かせろよ……。そんなことしなくてもちゃんと面白いしいい本なのだから、読んだ人にお願いしてレビュー書いてもらえばいいのに。ハックルさんtwitterで一生懸命営業活動してるけどなんかダイヤモンド社がハックルさんの努力を裏切ってる気がするわ……。可哀想に。
導入部分はもしドラをトレースしてるので「もしドラ」読んだ人には入りやすい
・まず「企業家」の意味を辞書で調べる
・「野球部の定義」をする
「私達の野球部は、野球をするための組織ではないーーーということです」
「えっ!」と、鋼兵が素っ頓狂な声を上げた。「じゃあ、いったいどんな組織なの?」
「それは、マネジメントを学ぶための組織です」
「ええっ?」
「これまでの野球部は、選手が主役で、マネージャーは脇役でした。それは、野球部の定義があくまでも「野球をするための組織」で、マネージャーはそのお手伝いに過ぎなかったからです」
「うん。それが普通だよね」
「それに対して、私達の野球部はマネージャーが主役に成るんです。そしてそのマネージャーが、マネジメントを学ぶための組織とするのです!」
僕たちは野球部をベンチャー企業と定義しました。
・目標はやはり甲子園
ただし、今回は描写だけ見てるととてもそうは思えないけれど作品の設定上真摯さがあったことになっていて「もしイノ」ではじめてその詳細が明らかにされたみなみの主人公補正に依存しすぎて「甲子園に出てその後衰退した」もしドラの反省を踏まえ、「甲子園に出続ける」チームを作るために何が必要かを突き詰めています。
ここらへんの具体的な内容については次の記事にて……。