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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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とうしば

https://www.facebook.com/hideto.fujino/posts/10156097554648438

シャープがホンファイに買われた。テリー・ゴウは優れた経営者なので、うまく経営できるだろうし、会社はずいぶんと復活している。それはそれでいいけど、株式って大事な国富。それを他国の資本に取られちゃった。別に強奪されたわけではなく、日本人の人たちが手を挙げなかった。すすんであげちゃった。新生銀行外資に取られた。日本人は誰も買わなかった。そのあと外資が儲けたといって国会で騒いでいたけど、それはリスクを取って投資をしたんだから、そこで騒ぐのはお門違い。ライブドアも韓国資本のネイバーが投資をして、それがLINEになった。そして上場したけど、LINEは韓国資本の会社だ。

そして東芝だ。東芝は確かにガバナンスはクソだったが、技術は確かにある。それが原発関連のところだけ(国民のお荷物になるところだけ)残されて、おいしい部分の半導体部門が売りに出されている。たった2兆5千億円で。韓国系や台湾系の企業が手を挙げているけど、いまのところ日系はおとなしい。これでいいのかな。一方で日本の個人金融資産の現金は過去最高水準、企業側の現金も過去最高水準。タンス預金も過去最高水準で100兆円もある。ツボやタンスに100兆円もあるけど、この2.5%が動くだけで、東芝半導体部門が買える。なんとかならないかな。

確かにサムソンは強敵だし、技術力もある。人材もいる。でも、あそこも同じようにお家騒動でぐちゃぐちゃだ。東芝半導体部門の現場の諸君こそが主体だし、未来だし、光だよ。今までのことに腹を立てて頭にきているでしょ。知ってるよ。自分たちの力と可能性を誰よりもわかっているはず。上司は自分たちで選ぼうよ。というか、自分たちの中からリーダーを出して、世界と戦おう。絶対勝てるよ。チャンスじゃないかな。へんなオヤジを追い出して、思う存分戦えるチャンスだよ。お金は腐るほどある国なんだから。そういうドラマが見たいよね。今までの東芝は私たちをガッカリさせたけど、反撃の象徴にしたい。そしてその夢に投資をして会社が大復活して大儲けできたら、それはハゲタカとは言わんでしょう??

私もこれは思う。バブルで一度失敗した日本人は高値追いは苦手だと思うけれど、安いものを買うのは得意なはずなんですよね。だからここは日本企業が頑張って買いに行って欲しい……

しかし一方で、日本人って落ち目の存在を手助けするのを拒むよね……。判官贔屓といって言って「同情」はするかもしれない。でもかといって助けない。むしろあれとか赤穂浪士について言うのであれば「助けないからこそ同情心だけはやたらと強調する」というのが本当のところだと思う。生きてる間は助けないが、死んだ後はやたらと同情心をアピールする。 企業についても、手を差し伸べられるときは誰も助けない。問題があるところを助けようとすると「まだ膿を出し切ってない」「禊が済んでない」「お前はアイツに手を差し伸べるのか」と言い出す。で、あとになってから「あれはもったいなかったな……」「どうしてだれも助けなかったんだ」とかいい出す。

とはいえ、シャープはまぁ難しかったのはわかる。あの経営陣の体たらくを見ていて、助けようとなるかというと、技術を守るためとはいえちょっと抵抗あった。東芝本体だって別に助けなくてもいいと思う。 その上で、東芝半導体分門は、純粋にもったいなさすぎる。



東芝半導体部門は、総合的な世界シェアでいうと3%、8位という中途半端な位置にいる。
2016年半導体メーカー売上高トップ10――Gartner - EE Times Japan

これだけを見ると、だめじゃん……て思うかもしれないけどそうではない。まず、日本で半導体でトップ10入りしているのがそもそも東芝だけというのが大事。日本で一番検討してる分野なのだ。

また半導体部門といっても幅が広くて、東芝半導体部門の売上メインはNAND型フラッシュメモリースマートフォンなどの記憶媒体として使われる半導体)だ。付加価値が高い分野である。この分野に限って言えば、サムスンには劣るけれど世界シェア2位だし、世界シェア3位のWD社とは開発関係などで協力体制を築いてる。まだ世界で十分戦っていける分野である。

これはIOT(モノのインターネット)やAI(人工知能)など今後圧倒的な成長が見込まれる分野に関わる部門なので、ココは絶対にアメリカや韓国・中国に取られたくない。もしここをサムスンに取られたら、スマホに関して日本が得られる利益はかなり減少すると思う。

もともとメモリの分野は、バブル頃に日本はDRAMでトップを走っていた。でも油断したらサムスン電子が国策で莫大な投資を行って価格競争で一気にシェアをかっさらっていってしまい、東芝NECも日立も全部この分野から撤退させられたところだ。そこから東芝が頑張って戦えるところまで持ってきたのだ。


今回もこの分野で勝つには相当額の投資が必要で、東芝は8600億程度の投資が必要と発表していた。それにもかかわらず東芝本体が他で赤字出してこの部門の利益を食いつぶすものだから思うように成長できなくなっていた。こういう問題を考えても、今この部門が本体の支配から完全に切り離され、独自に資金調達できるようになるのであれば、時価総額は2.5兆なんてものではない。全然安いと思う。だって、東芝半導体部門よりはるかに規模が小さい「サンディスク」は2.3兆円で買収されたんだよ?3倍以上の価値は余裕であると思う。

実際に、完全独立でなく東芝本体の首輪がついた「20%放出」のときですら、米コールバーグ・クラビス・ロバーツ、米ベインキャピタル、米シルバーレイク・パートナーズ、英ペルミラなどのファンドが「出資したい!」と食いついてきたのだ。当然シャープを買収した鴻海のテリー・ゴウさんも入札していたし、WD社、マイクロン、SKハイニックスも入札してた。

そのくらい海外のいろんな企業が価値を認めてこぞって欲しがっているところが、しかも本来の価値の3分の1くらいで投げ売りされてるんだから、道徳的なところ差し置いても、とりあえず日本の中で守るべきだと思うんだよね。(とはいえ「とりあえずキープ」みたいな中途半端な態度なら競争にまけてゴミになるから、助けるなら国策レベルで全力投資しなけりゃいけないわけで。それこそ1兆円規模の投資が必要だけれど、絶対わかってない人が反対するよね……)

これは「東芝(本体)が潰れろ」って声と全く矛盾しない。そもそも世間の人は、未だに江戸時代にみたいに一族郎党みな打ち首にせよってな価値観を持ってるわけじゃなくて、東芝を全部まとめて一つのものとして認識してるわけでしょ? はてブのネトサヨみたいにくっっそ雑な認識でギャーギャー喚いてる人とかどうでもいいじゃん。ちゃんと頑張ってきた東芝半導体部分は、認められて欲しいなと思う。


アベノミクス批判とかさ、東芝批判とか、そういうのはいいと思うんよ。でも、そんだけ言うなら「日本で頑張れそうな分野」の応援くらいしようぜマジで。ダメな所叩いてるばっかでは何も成長しないと思うよ。