買戻特約と原状回復についてのみ確認します。
買い戻し特約条項について =買い戻し特約は有り。
「負債は数億」森友学園籠池理事長が恨み節会見 (日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース
【文字起こし】森友学園・籠池泰典理事長&長男の佳茂氏〜3月10日(金)記者会見での質疑応答【音声配信】|TBSラジオAM954+FM90.5~聞けば、見えてくる~
以前「まとめ2」で書いたとおりこの豊中市野田町の8770平方メートルの国有地は2016年6月に国から森友学園に「買戻特約」付きで売却されています。
実際に契約書の1ページ目をアップしてくださっている人がいたので読んでみましたが
・売却価格は1億3400万円。頭金は2787万円
・10回の分割払い年利1%
となっています。「抵当権設定・埋設物処理費用は買主負担」については確認出来ませんでした。
【アベ小学校疑惑】黒塗り契約書に隠されていた 「国有地タダ同然で払下げ」の筋書き
学校法人に大阪の国有地売却 価格非公表、近隣の1割か:朝日新聞デジタル
森友学園側に契約違反があった場合、国が「1億3400万円」で買い戻す特約がついていた。公益財団法人の不動産流通推進センターによると、買い戻し特約の代金は売却額と同じ額におおむねなるという。森友学園の籠池泰典理事長も売却額が買い戻し特約と同額と認めた。
これを受けて、国が買い戻しを検討との話になっています。
森友学園の土地 財務省が買い戻しへ調整|日テレNEWS24
買戻特約と原状回復義務について
①買い戻し価格について
contract16condition
こちらを参考に見てみると
とありますから、国は売却価格より高い金額で買い戻すことは絶対にできません。また、この買戻特約は第三者への転売にも勝てる性質のものなので、森友学園が第三者に高値で売却し差額を抜くことも出来ません。(第三者が森友学園に安い金額で請求しない限り。もしこういうことがあれば完全に不正を疑うべきですね)
②原状回復義務はあるのか? =あるけど実際に原状回復を求めるかは疑問
買戻しがなされると、売買契約が解除された形になるので、本来であれば、売主と買主は原状回復義務を負うことになります。すなわち、売主は、受け取った代金に利息を付した金額を返還する義務を負い、買主は、目的物の使用収益分を返還する義務を負うことになります。しかし
579条後段 この場合において、当事者が別段の意思を表示しなかったときは、不動産の果実と代金の利息とは相殺したものとみなす。
583条2項 買主又は転得者が不動産について費用を支出したときは,売主は,第196条の規定に従い,その償還をしなければならない。ただし,有益費については,裁判所は,売主の請求により,その償還について相当の期限を許与することができる。
とあって、このあたりでごちゃごちゃやらかす可能性はありますね。
【3/12更新】森友学園と大阪・豊中の国有地&小学校認可問題 情報集約 | よどきかく
2017年2月15日 自由法曹団が現地調査・会見 「仮に債務不履行等が生じて買戻しを行うとしても、大型校舎が建築されて小学生が学んでいる土地を原状回復するのは非常に困難」
と記述がありますし、森友学園を懲らしめるという意味以外で原状回復(建物の取り壊し等)を求めるのもどうなんだろうか、という気はします。
しかし、これについては予め国交省も財務局も「原状回復を求める」と発言しています
【森友学園問題】「国が用地買い戻すなら原状回復を」と石井啓一国交相 - BIGLOBEニュース
石井啓一国土交通相は3日、用地を国が買い戻す際は法人側に更地へ戻す原状回復を求める考えを閣議後会見で示した。石井国交相は「買い戻すかどうかは決めていない」とした上で「契約上は原状回復ということになっている」と述べた。
ちなみに以下の記事で
政府、森友学園に見積もり求めず 隣接地は実施、参院予算委 - 共同通信 47NEWS
佐川氏は「学園側がごみを撤去して土地価格が上がっても、私たちには追加の支払いは必要がないとの契約だ」と強調。 国が買い戻す際、学園側が行う原状回復に関し「(土地の)上に構造物があれば撤去し、地下は売却時と同じ状況に戻してもらう」とも述べた。
と記述されていたと複数のツイートが引用をしているわけですが、今読むとそのような記述になっていません。これは一体どういうことなんでしょうか?
一番責任が重いのは認可を出した大阪府では無いでしょうか
そんなわけで、実際学園として使わせる訳にはいかないとなると、建物を残していると別の用途に使えませんから本当に壊さなければいけなくなるかもしれません。これは恐ろしい無駄であり、森友学園の教育方針にどれだけ問題があるとしても森友学園にとって致命傷になってしまう。確実に破綻するでしょう。私は森友学園の教育方針には断固反対ではあるけれど、最初から認可しなければこんなことにはならなかったことを考えると、森友学園がもし不正をしていたのでないのであれば、あまりにも酷い仕打ちであるといえます。
これはつまり、認可取り消しになるような可能性がある、問題のある学園に、認可を出した大阪府の責任が最も重いということになります。森友学園ざまぁだけで終わっては絶対にいけないでしょう
そもそも、こちらでまとめたとおり
「大阪府私学審議会」では最初NGを出していたのに2ヶ月後に手のひらを返しているんですよね。
2015年1月30日 工事請負契約の締結・寄附金の受入・カリキュラム・出願状況等の報告等を附帯条件として、認可適当と答申する。議事録によると、府私学課が「財務局が契約に走る手筈になっている」「国と話が付いている。何かあっても国が相手だから大丈夫」とコメント
この点は相当問題あると思います。
以下私では妥当性が確認できないため参考程度に
#森友学園 問題。3月末までに工事完了&認可降りない場合、国は違約金10%もらいつつ土地を買い戻せます。この際は「原状回復」が原則で、建物取壊し前提ですが、国がそれは適当でないと判断すればそのまま引き受けることができます。加えて特別違約金も請求可能です。これは時価の3割が原則。
— 長嶋修 不動産コンサルタント (@nagashimaosamu) 2017年3月7日
#森友学園 : 土地契約その後どうなるか 1。
— 長嶋修 不動産コンサルタント (@nagashimaosamu) 2017年3月10日
●期日が来たらとりあえず1340万の違約金
●用途指定義務できない特別な事情あると国が認めれば買い戻し解除可。この時さらに1340万。
●買い戻しは原状回復の上時価が、原則だが、建物ごと引き取るのも可。
続く
#森友学園。 土地は原状回復で買い戻しが原則だが、最大1億くらいかかりそうな建物解体費を学園側が捻出できるとは思えない。この場合、建物ごと引き取ることもできるが、そんなことを国がするとも。となると買い戻しに変えて、トータル40パーセント程度の違約金で決着の可能性。
— 長嶋修 不動産コンサルタント (@nagashimaosamu) 2017年3月10日
森友学園の、国による合法的買戻し。こういう「マルにする」というのは、後で監査請求あっても、結果的に原状回復しているから、棄却できる典型例なんだよね。
— 廣瀬哲雄 (@hirosetetsuo) 2017年3月10日