頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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うみねこのなく頃にEpisode4 事件振り返り

うみねこのなく頃にEpisode1 事件振り返り - 頭の上にミカンをのせる
うみねこのなく頃にEpisode2 事件振り返り - 頭の上にミカンをのせる
うみねこのなく頃にEpisode3 事件振り返り - 頭の上にミカンをのせる
の続き。ようやく出題編までの事件はすべて整理できた…… 自分がいかに「うみねこ」という作品をわからないままほったらかしにしてたのかがわかってツライ……。

EPISODE4 概観

「金蔵」が明確に生きて登場する回……なわけはない。金蔵はゲーム開始時には死んでいる。つまり「金蔵が生きている」と主張するグループは嘘つき。

それはいいとして「金蔵が生きている」と主張するグループが全員殺人犯かというと、今回は「被害者」が積極的に嘘をついた後に殺されるケースがあるので、何が正しい情報かわからなくなる。今までの仕組みで「共犯者の口裏合わせ」という図式理解している人のほうが逆にトラップにはまる仕組みになっている。「人狼」でいえば、今までは「狼」「狂信者」だけだったのに、このエピソードでは「狐」が混じっているような状態。少なくとも「狼」については前エピソードまでに理解していないと厳しい。



ところで、EP4は「難しい」とは別になんかずるいと思うところが結構ある。TIPSを見て被害者の真の死因が把握できない&作中の描写だけではどの殺人がどの人物による犯行かが判別できない。さらに「実際に死者が出てから、第十の晩まで、わずか2時間で終わっている」ため、エピローグにおける死亡報告で「第一の晩~第十の晩」で時間が前後しているためここで騙される。ヤスの多重人格である(紗音・嘉音・ベアト)以外に「第一の晩で死亡」とされた人間が生きていてそれ以降の晩の被害者を殺害してなどなど、まともに推理する以前にシステム的に騙されてる感じがする。

ただ、ラストシーンにより「人間としてカウントしていないが島の中に存在する人格」としてヤス(ベアト)の実在を保証する、というかルールのネタ晴らしがあり、この大ヒントがわかれば、EP4はともかくEP3はクリアできることになる。

<主犯>
ヤス

<共犯>
源次

<狂言>
戦人を除くすべての人物が買収されている

第一の夜 「幻は幻に。……黄金の真実が紡ぎ出す物語は、幻に帰る。」

・子供は全員ゲストハウスへ

・食堂にて金蔵が呼び出した悪魔たちにより夏妃、留弗夫、楼座、絵羽、秀吉、源次が死亡。

<答え>
①大人たちが金蔵が生きている前提で「子供を試すゲーム」を仕掛ける。

②霧江、南條、蔵臼はヤスの誘導で「狂言のつもりで」屋敷内の電話のある部屋に移動。(九羽鳥庵にワープしたわけではない)

③熊沢・郷田がゲストハウスに移動し「狂言のつもりで」子供たちに殺人を知らせる

④ヤスと源次が食堂に残った夏妃、留弗夫、楼座、絵羽、秀吉を殺害。
 源次はこの時点では死亡していない。


途中経過

①この時点ではまだ蔵臼や霧江は、他の大人たちが死んだことに気づいていない。

②熊沢・郷田は園芸倉庫のカギを受け取って内側から閉じこもり「死んだふり」をする

③朱志香には霧江から電話があり朱志香の部屋へ移動。
 譲治 には紗音から電話があり東屋    へ移動。


第二の晩 「幻は幻に。……黄金の真実が紡ぎ出す物語は、幻に帰る。」

・ゲストハウスの戦人宛に朱志香から電話がかかる。

・朱志香は自室、譲治は東屋で死亡しているのが発見される。

<答え>

①銀次が園芸小屋に移動し、小窓から熊沢と郷田を射殺。

②朱志香の部屋にて、ヤス(紗音)と朱志香が合流。
 紗音が朱志香をだまして戦人に連絡させ、
 朱志香は「狂言のつもりで」戦人に自分が殺されたと告げる。
 これにより、戦人も金蔵が生きていると錯覚してしまう。

③源次が東屋で譲治を銃殺。

④ヤス(嘉音)人格を抹消

⑤ヤス(紗音)が朱志香の部屋にて朱志香を銃殺。


ワープのような現象は当然起きていない。二人の犯人がいただけ。
被害者である朱志香が嘘を言う、というところがポイント。

とりあえず嘉音の死亡が9番目であるのは赤字で確定しており、
嘉音人格生きてるのに紗音が朱志香を殺す構図はNGと判断してこの順番。


第四・五・六・七・八の晩 「土は土に。幻は幻に。……虚構に彩られし、物言わぬ骸。」

・霧江からもゲストハウスに電話。その直後、電話越しに霧江が殺された音を聞く。

・九羽鳥庵より脱出していた紗音、嘉音、南條、蔵臼も殺される

<答え>
①もともと誰も九羽鳥庵にはおらず、屋敷の中の電話のある部屋で待機していた。

②ヤス(紗音)が南條と蔵臼を屋敷の裏手に移動させた後銃殺。

③源次が霧江に依頼して戦人にウソの電話をさせる。

④源次が霧江が電話をしている最中に霧江を射殺する。

⑤ヤス(紗音)人格を抹消? 以降ヤス(ベアト)が行動する。


正直このシナリオでは、ヤス(紗音)人格の抹消は必要ないかもしれないが、
この後戦人の前にベアトが登場するのでこのように設定。


第九の晩 「土は土に 幻は幻に 虚実は猫箱に閉ざされることで真実となる」

・真里亞に「ベアト」から電話が掛かって来る(戦人が電話で声を聴いている)

・戦人 も「ベアト」に屋敷前に来るよう言われる

・戦人 が「ベアト」をバルコニーで目撃後、礼拝堂に移動。
 礼拝堂でマスターキーを拾い屋敷に入り、食堂で真里亞の死体を発見する。


<答え>
①ヤス(ベアト)が源次を「食堂」で殺害。

②ヤス(ベアト)が真里亞と戦人を呼び出す。

③ヤス(ベアト)が呼び出した真里亞を毒殺したあと食堂に運ぶ。
 真里亞は「ベアト」姿のヤスをよく知っており信頼していたので
 躊躇なく毒を飲んで死亡したと思われる。

④ヤス(ベアト)がバルコニーで戦人と対面。
 戦人が実物としてベアトを見るのはこのシーンだけ。

⑤ヤス(ベアト)は
 紗音が死んだとされる場所で死んでいる必要があるので
 屋敷裏手の井戸まで移動してから自殺する。

⑥24時が来て島の爆弾が発動して戦人も死亡。


「…私は、だぁれ…?」 「幻は幻に。約束された死神は、魔女の意思を問わずに物語に幕を下ろす」

その死神こそが「私」

EPISODE4は戦人を残して全員死亡するため、戦人を害する存在はいないが、それでも島の爆弾が作動して全滅する。

EPISODE1で生き残った子供たちを殺したのもこの爆弾。

EPISODE2ではローザと真里亞は生き残っていたがこの爆弾で死亡。

EPISODE3のみ、黄金の謎を解いて爆弾の存在を教わっているため絵羽は生存。しかしこのエピソードでも絵羽はあえて爆弾を作動させている。


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おまけ 戦人の母親について

「妾は黄金の魔女、ベアトリーチェ。そして右代宮金蔵の孫、右代宮戦人と戦うためにこのゲームを開催した。」
「右代宮戦人の母は、右代宮明日夢である。」
「俺の名は右代宮戦人」
「俺は右代宮戦人だ」
「右代宮戦人は、右代宮明日夢から生まれた。」
「俺は右代宮」
「俺は右代宮明日夢から生まれた」はNG
「そなたは、右代宮明日夢の息子ではない。」
「右代宮戦人は右代宮明日夢の息子ではない」

<答え>ゲーム版EPISODE8で留弗夫が告白してくれます。

①右代宮戦人は霧江の実の息子である。

・正妻の明日夢が死産して、愛人の霧江が出産

・混乱して、霧江が産んだ子を明日夢の子だってことにしてしまった。

・霧江はそれを知らずに戦人を憎み続ける。
 実際の真相がEPISODE7に近いとすると、留弗夫はその場で白状しろよと……。
 とはいえ、その場で言ったら霧江が留弗夫を撃ち殺すだけだったかな?

ついでに言うと、EPISODE1で語られる戦人の「落ちる落ちる恐怖症」は留弗夫が遊園地で戦人をぶんぶん振り回したから。ヤスのように崖から落とされた、とかいうことは特にない。

この戦人の出生の秘密及び「落ちる落ちる恐怖症」はミスリード。EPISODE6の後、戦人こそが金蔵とベアトリーチェの間にできた子供であるという話がとても人気がありましたが、このミスリードに見事にはまった形ですね。


おまけ 出題編の殺人事件は、もともとすべて「物語上」でなければ実行不可能

今までのEPISODE1~EPISODE3までの間でトリックのためには「共犯」が必要であり、またその共犯は金で買収した親族の誰か+使用人、というパターンであることはわかったと思いますがしかしカネに目のくらんだ大人たちはともかく、使用人たちは殺人まで手伝ったりするだろうか、とか同じ使用人に犠牲が出たのに、自分の命をかけてまでヤスの秘密を打ち明けないなんてことがあるだろうか、という疑問を持ったはずです。

そして、このEPISODE4は狂言殺人のはずだったのにヤスと源次だけが本当に殺人を犯していく、という展開になっています。 狂言殺人であることがバレないためには、実際に殺人が発覚すれば狂言のつもりで参加したいた人間はすぐ首謀者である自分を訴えるのはわかりきっているから、一人目の殺人事件が起きてからわずか2時間以内に殺す必要があった。そして、共犯が自分の正体をバラすリスクを考えた時に、ヤスは源次以外の人間を本当の意味での共犯にすることは出来なかった。



この展開は、超重要です。



当たり前ですが、EPISODE1~EPISODE3では共犯がヤスの正体をバラす展開がないのは不自然だと思いませんか。共犯は、殺人事件が起きた後でも自分の安全を確信してヤスに付き従うでしょうか? 自分も殺されるリスクがあるのに黙っているでしょうか?

EPISODE8まで行っても、使用人たちにそこまでやる動機はありません。いくらヤスが不憫であり願いを叶えてあげたいとはいっても源次以外の使用人たちは殺人まで付き合う必然性がない。つまり、EPISODE1からEPISODE6までの殺人事件は、ミステリーとして説明することはできても「叙述トリック以外としてしか実行不可能な犯罪」です。EPISODE4だけは例外として、実際に殺人事件として実行したら途中で破綻するものばかりです。さらに、言えば、ヤスにとって「右代宮家の人間を殺す」ことは目的ではありません。彼らはただの生贄であり、いちいち実際に殺す必要はない。条件を満たせばどうせみんな爆弾で皆殺しにするからです。そのことを考えると、いちいち実際にチマチマ殺人を起こす必要はない。


つまり、これはどういうことかというと……。これらの殺人はもともと紙の上で行われる話だったということです。実際の殺人事件として実行することはありえなかった。


これ結構大事。というか、まぁEPISODE1以外はあくまで八城一八と幾子が書いた偽書だから論外だし、ヤスの計画の中にも本当に個別に人を殺していく前提で建てられた計画があったかどうかは不明です。