死にました。たった1日で100万を越える損失です。すでに100万以上の含み損をかかえていたのでこの銘柄だけでトータル200万以上くらってます。
これはないやろこれは。
http://www.teraprobe.com/cwp/wp-content/uploads/2018/08/2QCY2018tanshin.pdf
利益を無理やり前受収益扱いにしてB/Sにのみ「負債として」載せ、P/Lから消し飛ばすって……。いともたやすく行われるえげつない会計処理としか言いようがない。
以下あんまり興味ない人が多いと思いますが、あまりにむしゃくしゃしたので今回のテラプローブの決算について感想です。
今回の会計処理には会社になんのメリットがなく、悪意すら感じる。
「固定資産売却益に変な特約をつけて前受収益扱いにし、B/Sには記載するがP/Lにはほとんど利益計上しない。」という何一つメリットのない会計処理。
ちなみにこれは法人税回避でもなんでもありません。単に利益認識を後にずらすというだけですから、普通にこの利益は今年度の法人税対象になります。
https://www.eytax.jp/pdf/article/2010/senmon2010_05u.pdf
実際に、今期も法人税は去年の2.5倍負担しています。(4.5億→11億)
つまり、
①工場を売って38億の利益が出ました。
②そのうち8億だけ計上して残りはP/Lには計上しませんでした。
③でも法人税は38億に対してかかってくるので11億はらいました。そちらはP/Lに載せました。
「プラスを記載せず、マイナスだけ載せる」……ってふざけてんのか。
本当に、会社にとっては本来何のメリットもなく、ただただ単純に会計の見栄えが悪くなるだけの処理です。
まぁ流動負債に組み入れているので今年度末までに結局は計上することになるのですが、それならなぜ最初からこういう処理をしたのか。
株主からすれば、あえてこういう処理をしてきたことから「経営陣は、少なくとも今季はあえて会社の株価を下げたい」という意思を読み取らざるを得ません。
なぜあえて社長が会社の株価を下げようとするのか
そんなことする社長がいるのか?と言われるかもしれませんが、この会社は台湾PTI社がすでに過半数の株を持っています。
つまり台湾企業の子会社です。実質的には台湾企業の意向に従わなければいけない事情があるんですね。(もともとはエルピーダメモリの一部門。その後マイクロンの子会社になり、マイクロンの撤退に合わせて、共同出資していたPTIが親会社になりました)
そして実は以前、PTIという会社は当時テラプローブの株価が1500円だったのに、会社の不利な状況を利用して1100円でTOBを発表してまんまと成功させました。
テリー・ゴウ率いる鴻海のシャープ買収を思い出します。シャープってその後株価4倍以上に上がったの覚えてます?
テリー・ゴウからしたら、株式の値上がり益を手に入れてその金をシャープの投資にまわして更に儲けられたんだから、もう美味しかったでしょうね。
なにげに日本はこういう守るべきところを護らないから、良い企業を台湾に実力良いはるかに安い価格で買い叩かれてるんだよなあ……。
今回も、この理不尽な会計処理は無理やり株価を下げるためのものであり、株価が下がったところで、また同じようにPTIがTOBを仕掛けようとしているのではないかと考えられています。これで近日中に親会社PTIによるTOBが発表されようものなら、今回の会計処理は、まじで株主への背信行為に近い。
テラプローブは2Q通過してから業績が回復していく予定だった
ここ数年間、テラプローブはマイクロン撤退による売上減少や台湾ライン向けの新工場建設の負担(および減価償却)が重くのしかかりました。
とにかく今までの親会社でもありメイン顧客でもあったマイクロンが撤退するインパクトは大きい。マイクロン向けのラインを動かしていた工場は売らざるを得ない。しかも、工場売却の期限は5月まで、と指定されていました。
生き残りをかけて、新しい顧客であるPT社I向けのラインを構築するために時価総額110億しかないテラプローブは、ここ数年は自分の身の丈を越える莫大な借り入れをして短期間で200億超の設備投資を行ってきました。
それまで手堅くビジネスを続け、自己資本比率も70%以上あったのに、最近は半分の37%辺りまで落ちてきていました。
ただでさえ費用負担が重たいのに会計の仕組みがこの会社を苦しめました。台湾の子会社(テラパワー)の新工場にかかる費用負担は全額親会社であるテラプローブに計上されるのにテラパワーの利益は半分しか計上されないという会計のいびつさもあって本来の力よりはるかに会計上の数字が悪いという状態が続いていました。
株価は低迷し、株式市場で資金を調達することもできず、ギリギリ黒字を維持しながら、現在の事業と並行して新事業を並行して立ち上げていきました。
そういう苦難の状況に耐え続け、ようやく台湾新工場が完成。6月から稼働開始し、実際にすでに売上も立ち始めています。今までただただ先行する費用負担と減価償却に苦しめられていましたが、ようやくそれがなくなり、新工場も利益に貢献し始め。
やっと。
本当にやっと、谷を越えてここから上を目指すという段階になったわけです。
今回の旧事業および工場売却の特別利益38億というのは、新工場製造費用である200億と比べたら些細なものであり(大部分は減価償却済み)今までの苦難の時期をギリギリで乗り切ったちょっとしたご褒美みたいなものになるはずでした。
私が投資しているのはもちろん自分のお金のためですが、投資スタイルは「積極的設備投資をしている企業への注目」です。「ジャストシステム」「山一電機」「放電精密加工研究所」「メイコー」のような苦しい時期にがんばって設備投資をこなし、これから成長していくぞというところで買うのが好きです。この企業も、そういう企業としてこれから成長していくことを期待していました。
にもかかわらず、自社の価値をあえて低く見せるかのような会計処理。「意地でも日本の株主には還元も配当もしたくない。親会社であるPTI様がTOBするときのために株価を低く抑えておきたい」
そんな感じなんでしょうか。
だとしたらとても悲しいです。
ここまで株主をコケにするなら、それならもうさっさと1500円位でTOBして日本の証券市場から消えてほしい。さすがにむかつきました。 社長まじでどう弁解するつもりなのか説明会行きたいわ。
で も す き
とはいえ、配当期待や特益のことしか見ていないイナゴがぶん投げているため仕方ないですが、業績的にはありえない株価。
年末までには結局特益をどこかで計上する可能性が高いですし、それがないにしても、通年でのPERは7以下、PBR0.44になります。会社による3Q決算予想は非常に保守的なものであり、今期も情報修正の可能性が高いですし、来年以降は費用負担が激減するため、業績は大きく改善する見込みが高い。
とりあえず、今の投げ売りが収まるまで1週間ほどかかると思うので、1週間後あたりから買い始めれば絶対に勝てると思います。というわけで、今までこの株買ってなかった人が本当に羨ましいです。