以前にこういう記事を書きましたが、
tyoshiki.hatenadiary.com
内容がわかりにくかったと思います。すみません。
というわけで、プロの人によるわかりやすい解説があったので是非聞いてみてください。7分くらいで聞けます。
あと、radikoなので、今週中までしか聞けませんのでお早めに。
11:19辺り~ソフトバンク上場の失敗した件について、自分たちの事しか考えない証券関係者を和島さんがぶったぎってます!
— 日本酒好きなパパは投資家で職人? (@MONHASE) 2018年12月24日
この訴えは個人投資家には是非聴いて頂いて、認識してほしいと思います!
和島英樹のウィークエンド株!│ラジオNIKKEI第1 │2018/12/24/月 8:00-8:50 https://t.co/jMopVSIIvs pic.twitter.com/Hx2H4Ubg2V
ソフトバンクM上場の問題点を3点に分けて解説してくれてますが完全に同意です。
和島さん、かなりブチ切れながら説明してくれているので、よくわからない人でも怒りのほどがわかると思います。ラジオNIKKEIなのにここまでいっていいんかいとちょっと心配になるレベル。
今回のソフトバンクの上場に関して、OAの仕組みを知らなくて、「誠意」のことを主幹事証券が損をしてでも買い支えをする行為だと思っていると思ってるみたいですが、「誠意」って言葉を聞いたことがないとか誤解していた人は、この放送ちゃんと聞いておいたほうがいいです。
今回N證券などの引き受けた証券会社がやったこと(Nだけじゃないけど)=シンジケートカバー取引
https://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2018/20181210_01/
oneinvest.jp
わかりやすいように正確さを若干犠牲にしています。
実際には死ぬほど営業大変だったと思いますしそれに広告や営業費用が掛かってるのはわかってます。
(1)まず14.3億株を1463円でソフトバンクから買います。
(2)この1500円で顧客に売ります。 (この時点で37円×14.3憶の粗利)「買えば1500円以上で売れるから」とか「配当が高いから」が売り文句ですね。
(3)さらに1.6億株をソフトバンクから借りてきてこれも1500円で売ります。(つまり実質は、引受先の証券会社だけができる空売りです。ただでさえ売り圧力が強く、OAの必要がないのにすべて放出したことが報告されています)
(4)とりあえず寄り付きで1憶株ほど買って無理やり1463円で買い戻します。これで37円×1.6憶の粗利ですね。
(5)寄り付きの時点で1.6億ぜんぶ使ったならこれで終わりですが、1463円で寄らせさえすればあとはあとはできるだけ下げてから買い戻したほうがお得です。
実際に、寄った直後に買い板が消滅し、5秒で60円以上下げる惨劇になりました。とは言え、今回はOAの買戻しは寄りで全部弾打ち尽くしたみたいな声もありましたね
こんな感じです。この規模で、公募価格割れは絶対に許されてはいけないのに余裕で割らせてちゃっかり下で買い戻してるのがなんだかね。
まず、ソフトバンクは規模とタイミングを考えたら上場を見送るべきだったのにそれを強行しただけでなく、ましてバリエーションに反した公開価格で、素人を羽目こんだことが最悪なのですね。これによって上場前からマザーズ市場を中心に資金がロックされたり個人投資家の資産が毀損することになり、市場の空気を一気に冷やしてしまいました。そうして市場の流動性や健全性にダメージが生じた状態を狙って、一気に海外投資家にオーバーシュート気味に売り込まれています。
今現在日経平均が、景気後退観測やらアメリカの暴落の影響を受けて、日銀のETFが含み損になるラインまで強烈な下落をしていますが、この一端にソフトバンクの無理な上場があるというのは多くの人が指摘しているところです。
まぁ規模や公開価格に関しては「買うやつが悪い」と開き直ることもできますが、上場に絡んで、本来上場前に公開すべきだった大きな点を2点を伏せ値段が決まってから公開したことがさらに問題です。これについて和島さんは「ソフトバンクの普通の企業以外だったら上場廃止ペナルティが即出されても全くおかしくない」とまで言っています
証券会社のクソっぷりについても、たっぷり説明してくれています。まずバリエーションについて、各証券会社がほとんど詐欺に近い説明をしていたことにも触れられていますし、何よりも野村証券の「誠意(笑)」のクソっぷりについてもしっかり解説してくれています。
寄付き価格以上のOAは主幹事証券に許された「自分だけができるほぼ100%勝てる空売り」です。これはまぁいいんです。でも、「公募価格以下」の寄付きになりそうな時にOA放出して公募価格以下で寄り付かせる行為というのは違法ではありませんが仕組みの趣旨からして絶対にやってはいけない行為です。今回野村証券はこの制度を悪用して2重に空売りをして儲けています。
これは何も知らない一般投資家をはめ込んで、公募価格以下で損切りさせることでそれを買い戻して儲けるという行為です。こういう行為は投資家保護の観点に真っ向から反していて、自分たちさえ儲ければよいという態度です。証券会社としては絶対に許されてはいけない。なによりもまず東証こそが怒らなければいけないはずです。
しかし今回野村証券がやらかしたことについては、東証は二度と同じ行為をやらないように野村證券にお咎めをしなければいけないのに、投資家のみなさんおよび、一般の人たちが、そもそも何をやっていたのか理解していないため全く批判がされていません。たぶんそこまで見越してソフトバンクも主幹事の野村證券も投資家を舐め腐ったことをやってるわけですね。
みんな今回の問題をちゃんと知ってちゃんと怒ってほしいなぁと思う
ただ、ソフトバンクがここまで非人道的な行為をやらなければいけなかった事情も理解できるのでなんとも言い難い……。
これをやっていなかった場合、最悪来年親会社のソフトバンクグループ自体が存続できないリスクがありました。
なにがまずいかというと、親会社が投資事業メインになり、ビジョンファンドが連結になってしまったことです。そして連結にした直後からいきなりITバブルが崩壊しました。
孫正義は日本の一般投資家をはめころすことで2兆6000億もの金額を合法的にカツアゲしましたが、現時点でVISIONファンドの損失額はこれを超えると思われます。 なにせ、エヌビディアを筆頭に投資していたハイテク企業は半額以下になり、原油価格も4割減ですからね。
なんでこんな無茶苦茶なことをしたのかよくわかりませんがソフトバンクはこのまま投資先の株価や原油価格が上がらないようだったら、
少なくともソフトバンクGの2019年度の業績はマイナスです。前期当期利益6倍からの大幅マイナスのインパクトは超でかいですね。
ソフトバンクは19兆円の負債を抱えており、しかもほぼすべてを社債や超長期の劣後債で賄っているという状況です。
(※何度も何度も超巨額の資金調達をしているのに、孫さんの持ち株比率が全然下がっていないどころかここ数年また上がっている、というのがどれだけ異常かというのがお分かりいただけるでしょうか)
今まではなんだかんだ事業収益の担保があったから何とかなっていましたが、VISIONファンドが失敗してその巨額の損失を埋め合わせられないと思われてしまえば、社債での資金調達が困難になります。少なくとも劣後債の利回りはずっと上がってしまうでしょう。ただでさえキャッシュフローが厳しいソフトバンクで借入が止まったら死にます。ひふみ投信がかわいく思えるくらいにリスクを取りすぎた上に、リスクをとったところが市場のピークというのは本当にヤバイ。
景気後退とかいろいろ言われていますが、大抵のものはそこまで急激ではありません。ただし、ソフトバンクのリスクだけは「未知数」なのでたちが悪いです。こういう企業が日経平均構成率で4%を超える2位であるというのが本当に怖い。そこまでひどくはないにしても「エンロン」がダウ平均の構成率の4%とか言われたら、どう思うかって話です。
ソフトバンクは生き延びるために個人投資家や市場のモメンタムを冷やしてでも生き残ろうとしていますが、ソフトバンクG本体は、アメリカ株と原油が戻らないと自分が一番最初に死ぬ可能性すらあります。
最後に 日経平均寄与度トップ5の株価推移
見ての通りで、今更になって景気後退とか言ってる人は遅いです。
日経平均のコアを形成する株は二月からずっと下げ続けて一年間で半額セールになってます。
でもファーストリテイリングが全く下がらないのと(日銀が買いすぎてもはや浮動株は2%以下です)
ユニーファミマをバリエーション完全無視して釣りあげることで無理やり日経平均株価を維持してた。
むしろ10月までずっと上げ続けていたのが詐欺だったといえます。
そんな中、直近で大きく崩れているのはとにかくソフトバンクでというわけですね。
もはやTOP5のうちソフトバンクも崩れ、ユニーファミマも限界ということで、
もはやファーストリテイリングが崩れたらすべてが終わるという状況です。
まぁ、それでも、少なくともTOPIXは短期的には下げすぎだと思うんですけどね……。