さっそく読んでみました!
ものすごく面白かったので、この同人誌の前半部分のみ紹介させていただきます。
面白かった話を何点かピックアップします。
(1)スクエニの株主総会の話
①すずきさんが真剣に株主総会に参加することになったきっかけでもあるスクエニの株主総会の話です。
すずきさんは吉田直樹さんによって作り直されたFF14をやりこんでいる(有名なギルドの生産職リーダー&財務担当だったそうです)中で、不正行為を全くしていないのに不正アカウント扱いされて、正当に稼いだ所持金をすべてリセットされるという運営の仕打ちを受けたそうです。これに対してかなり粘り強く説明や交渉を続けたものの結局運営は彼の潔白を証明してくれることはなく、すずきさんはゲームを引退したうえで株主総会で直接質問することを決意したということです。
この後のすずきさんの行動が面白い。いきなり株主総会に行ってサプライズ的に質問するようなことはしません。満を持して株主総会の半年以上前から「事前質問状」を作成しています。(本の中ではその公開質問状のコピーも読めるのでぜひ確認してみてください)その結果、会社からきちんと詳細な回答を受け取ることに成功し、名誉回復の上でFF14に復帰することが可能になったそうです。(こちらのブログにその時の記事が載っています)。 私もテラプローブの経営陣に対して事前質問状を送るべきかも?
なお、すずきさんは実際の株主総会にも参加されて、自分が行った質問やほかの人の質問に対する会社側の回答をレポートされています。ゲーム会社の総会ではバンナムがよく話題になりますが、スクエニでもやはりゲーム好きなファンが株主となっていることが多いみたいで、実際にゲームをプレイしている人間ならではの質問が多く飛び交っており、非常に面白そうだなと思いました。東京に住んでて資金に余裕あったら株主総会参加代としてこういう会社の株買いたいなぁと常々思っています。 ちなみに、ドラクエ10でも自分が不正行為をしていなくても、RMT業者からゲーム内マネーを受け取ったことが原因でアカウント永久停止処分になるケースはあったそうなので怖いですね。(2016年KSK総師範事件)
(2)クックパッド2016年株主総会における監査役の反乱
たいていの場合監査報告は「指摘すべき事項は見当たらない」で終わりなのに、この時は岩倉正和弁護士が、補足意見で経営陣のごたごたへの批判を紹介する事例があったそうです(笑)
(3)企業が公開している議事録や動画からは、企業にとって都合の悪い部分が削られていることが時々あるらしい
これについては実際に読んでみてほしいです。おいおい〇田さん(笑)ってなりました。そういう部分は、直に参加した人のレポートがないとわからないから貴重ですよね。
(4)意外なことに、twitterで反響があるのは女性向け作品に関するツイートのほうらしい
(5)すずきさんが書いた株主総会のレポートがどういう人が読んでいるか?
これもちょっと意外な結果でした。ぜひ読んでみてほしいです。ちなみに、ファルコムなど海外のユーザーがいる会社の場合、関係者がすずきさんのツイートや記事を英訳したりすることもあるそうです。すごい(笑)
(6)「株主総会でメモを取ってはいけない」とか「株主総会の内容をツイートしないで」と企業に言われても、ちゃんとした内容を書いてる限りは問題ない
よーするに、メモを禁止したり、株主総会ことは企業には許されてないってことです。当たり前ですが、嘘はダメですよ嘘は。
他にも「総会屋の歴史」の話だったり(1981年商法改正、1997年商法改正。利益要求罪の新設などは大事ですね)なども面白かったです。
飛ばし飛ばしですが、ここまでが導入というか前半部分です。
後半は「この株主総会がスゴい!」「この質疑応答がすごい!」
例えばこんな内容です。これはぜひご自身で読んでみてください!
(1)バンナム
二階建てでもおなじみのお祭り騒ぎ。二階建てまとめに載ってない話も。
(2)ほぼ日
社内を見て回れるのはすごい面白いけど社員さん嫌だろうなー(笑)
(3)日本ファルコム
新作タイトルの発表などサプライズが多いことで有名。お土産のサントラ欲しさに株主やってる人も多いとか。
(4)フジ・メディア・ホールディングス
うわぁ……
「質疑応答がすごい!」で特に興味深かったのが
電通株主総会における「高橋まつりさん過労死問題」についての電通の対応部分と
「日本ファルコム」(新海誠監督の古巣)における「君の名は」に関する質問など。
さらにこんなコンテンツも
「株主総会参加初心者のためのチェックポイント」や「コミケ参加者にお勧めの株主総会一覧」がまとめられています
本当に中身がぎっしり詰まっている本なのでぜひご一読ください。
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