この夜が明けるまであと百万の祈り

発達障害者としての生き方によく悩んでます。いろいろあって今現在は教育系の出版社でつとめてます。普段は自分が好きなマンガの話してます

「あーとかうーしか言えない」1巻感想 この作者さん、絶対けものフレンズのこと好きだよ、間違いない

urasunday.com
https://urasunday.com/ienai/index.html

つまり私は、成人漫画のことを好きになりたいんだよね

主人公は成人誌(エロ漫画雑誌)編集者の「女性」。

意図せずこの職業に就いたこともあり、他の編集者と違って「エロ」への理解はそれほど深くない。
彼女自身はキャラクターそのものへの愛情を注ぎたいという気持ちを強く持っていて
どこかこの世界になじみ切れないまでも、エロ漫画に強い期待も持っている、という状態。

情熱をもてあましてくすぶってるような感じですね。

そんな状況で、日常でのコミュニケーションではあーとかうーしか言えないが、
その分マンガに内面世界をぶつける「漫画家」と出会い
同居生活をすることになって、日々ともにすごす過程において「お互いに影響しあって」成長していくというお話。

あーとかうーしか言えない (1) (裏少年サンデーコミックス)

あーとかうーしか言えない (1) (裏少年サンデーコミックス)



この作品の主人公は「SHIROBAKO」の宮森や、「けものフレンズ」のかばんちゃんあたりを思い出す

「漫画家」を題材としたマンガは本当にたくさんあって数多くの名作がありますよね。 (Wikipediaに「ちゃんと描いてますからっ」がないのはどういうことなのか(# ゚Д゚))

編集者が主役のマンガというと「編集王」や「重版出来」を思い出しますし、
出版業界を舞台としたマンガだと「バクマン」や「RIN」。
エロ漫画家が主役のマンガというと「キャノン先生とばしすぎ!」
天才のそばにいることの苦悩という意味では「G線上ヘブンズドア」「さよならソルシエ」。

隣接分野として「SHIROBAKO」の宮森なんかも当然頭に浮かんできます。
異端児が暴れまわる作品としては「響」がとても話題になりましたし、
不器用な天才とコミュ力人間のパートナーシップという意味では「星明りグラフィクス」も捨てがたい。
ちょっと困った彼女の存在は「アスペルカノジョ」なんかも思い出します。
自分自身の存在の在り方に悩むという意味では「けものフレンズ」のかばんちゃんも思い浮かびます。


本当にどれも面白い作品ばかりなので、読んだことがない人はぜひ手に取ってほしいですが、
この作品にも、そういった濃いにおいを感じますね。とても良いことです。


私は特に「SHIROBAKO」の宮森や、「けものフレンズ」のかばんちゃんが近いなと思いながら読んでました。
この作者さん、絶対にけものフレンズのこと好きだと思う。
主人公のタナカさんの在り方は、かばんちゃんに強く影響を受けているのを感じる。


一話の時点では「好き」の答えを出せなかった主人公のタナカさん、六話では……

この作品、タナカさん側を描く物語としては割とシンプルだと思います。

一話の時点では「エロは好きですか?」と言われて答えが出せなかった田中さんですが、
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「あーとかうーしかいえない」戸田さんのマンガを応援していく過程において、
七話ではやくも一通りの答えを出してきます。

「戸田さん、一番最初に会った時、私に聞きましたよね。エロが好きかって。
 あの日からずっと考えてたんですけど、うまい答えが浮かびませんでした。

 私、戸田先生が好きです。
 やなぎ先生も好きだし、N先生も好きだし。
 エロ漫画の編集者になって、好きなマンガ家さんいっぱいできました。

 エロ漫画って毎号キャラクターは変わるけど、描いてる人は変わらないんです。
 作家さんを深く知ったら、作品の中に<その人>が見られる。
 成人漫画は、いろんなことがむき出しになるぶん、人柄が浮き彫りになって、
 作家さんのファンになると、癖になるほど面白い。

私、好きな人が描く漫画が好きです。
 その人が描きたいものがエロだったら、私もエロが好きになれます。
 それが、今の精いっぱいの答えです。

タナカさんは本当にまっすぐな人間なので、答えもシンプルでわかりやすい。
とても好感が持てる人物です。


「あーとかうーしか言えないマンガ家」のほうはまだまだ底が見えない

世の中には、私にしかわからないよどみがある。
だから私には、よどみを吐き出すすべてが必要だった。
けれお、うんざりするほど私の手は遅くて。
よどみは私の中にたまる一方。
それでもいつか、すべてを吐き出さなければいけない。

一巻の時点では、とりあえず漫画家の戸田さんはタナカさんという理解者?を得て
なにやらそれなりの形でまとまろうとしている。

でも、この漫画が描きたいのはそんなもんなのかな、と。
戸田さんのポテンシャルはもっと高いんじゃないかなと思います。


私がこの作品を読んでイメージしたのは「ねこぢる」なんですよね。


超ぶっとい単行本ですが、なんとkindle unlimitedで無料で読めます



今はタナカさんが戸田さんに寄り添って成長をサポートすることができている。とても良い関係だと思う。

でも、いつまでもその関係にとどまっていられるのかな、と。

戸田さんが飛躍的に化けていって、タナカさんの力で収まらない存在となって
彼女のうちから際限なくあふれ出る淀みが制御できなくなった時
二人の関係はどう変わっていくのかな、と。
そんな感じの展開になっていくのではないかなと思ったりもしています。


この作品ではそういう不穏な空気をちょっと潜ませたり、
主人公以外の、戸田先生の対抗馬となりそうな漫画家や、キワモノ編集なども登場しています。
そのあたりの人たちが今度どう話に絡んでくるのか、とかも楽しみです



<蛇足>
上で述べた作品は本当にどれもお勧めなので、ぜひ読んでみてほしいです。二つだけAmazonリンク張っておきます。


この作品を知ったきっかけはこの不幸な騒動でしたが、とてもいい作品だと思います。今後も応援していきたいと思います。

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