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なぜ管理職は仕事中に部下が短時間睡眠をとることを見過ごしてはいけないのだろう?

delete-all.hatenablog.com

僕は管理職だ。目の前で部下が寝ているのを黙って見過ごすわけにはいかない

当たり前のように読み飛ばしてしまったけど、よくよく考えたらこれなんでいちいち管理職の人が注意しないといけないんだろう? 

記事だけを読むと部下の人は

・寝てるのかおきているのか判別しにくい(周りに与える影響は少ないと解釈)
・仕事自体は優秀であり、数分の睡眠は仕事に支障をきたしてはいない。
・仮に禁止したとしてもトイレに行って寝る、に代わるだけでは?
・病気の可能性が高く、職場中に眠くなること自体はどうしようもないのでは?

という感じであまり問題だと思いません。

ですがフミコフミオさんは

僕は管理職だ。目の前で部下が寝ているのを黙って見過ごすわけにはいかない

と言い切ってますよね。おそらく、ほかの部員の士気に影響が、という部分があるのでしょうが、記事中ではほかの部員の姿がまったく描かれていませんし描写が不足していてこちらでは判断できません。フミコフミオさんの文章はいつもそうだといえばそうなんですが、この記事に関しては病気の部下の取り扱いというデリケートな問題であり、もう少し詳しく説明をしてほしいなという気持ちになりました。



ところで、職場で数分の仮眠を許さないほうが合理的ということになってるけど…ほんとぉ?

少なくとも人体のメカニズム的にはそうじゃないよね。

サーカディアンリズムで考えると昼に活動が活性化する性質に合わせるほうが良いのでは

シエスタ - Wikipedia

一般的に人間のサーカディアンリズムは、午前中は上昇、正午頃が最も高く、午後2 - 3時ごろにかけて活性が低下する。午後4時すぎに再び上昇に転じて数時間活性化した後、就寝時間に向けて再び低下、就寝中の深夜2 - 3時に最低となる(健康的な朝型生活の人の場合)。

心身の活性が低い午後の2 - 3時を睡眠時間にあてることは合理的な行動である。この時間帯は交通事故が起こる頻度も上昇する

仕事の効率は本当に上がる?それともサボリ?職場での「昼寝」をめぐる賛否両論 | イマドキ職場のギャップ解消法 高城幸司 | ダイヤモンド・オンライン

カリフォルニア大のサラ・メドニック氏が、「1.5時間の昼寝が一晩分の睡眠に等しい」と発表しています。それ以外でも、昼寝によりいかに仕事が上手くいくか、健康上の意義があるかと効用に注目が集まるなかで
会社サイド:仕事の効率アップ、ミスの撲滅
社員サイド:体調管理、集中力のアップ
などを目的に昼寝を推奨する職場が増えるのは、もはや不思議ではないかもしれません。


日本でも導入事例はあるようです。
【わが社のオキテ】昼休み3時間「仮眠休憩=シエスタ」制度を実践するITベンチャーの“ポリシー”(1/3ページ) - 産経WEST

同社の平日業務は朝9時にスタートし、4時間働いた後の午後1時に「シエスタ」に入る。3時間の休憩後、午後4時から再び業務に入り、4時間後の午後8時に業務終了。1日当たりの業務時間は日本で一般的な8時間だ。

一方で、本家スペインでは公務員のシエスタが非効率として廃止されていることに注意

www.itmedia.co.jp

www.j-cast.com

フランスでは2007年に、健康相が「なぜ就業中の昼寝がないのか。これはタブーではない」と述べ、就業中の昼寝の効果を研究するよう指示したという。背景には、フランス人の56%が睡眠不足で仕事の能率が低下しているという調査結果がある。

2009年にアイシェアが実施した日本で実施したアンケートでも、「仕事中、昼間に眠くなったことがある」と答えた人は、「頻繁にある」「たまにある」を加えると96%にのぼり、「仕事中に気づいたら眠っていた」という人は20代の55.2%を占めていた。

昼寝といえばスペインのシエスタが思い浮かぶが、意外なことに現在では「その慣習は非効率」とみなされ、「大都市圏ではほとんど廃れていると言っていい」(スペイン大使館)。2006年には公務員のシエスタ制度も廃止されている

スペインに根付く「シエスタ」のライフスタイルを変えようとする動きが活性化 - GIGAZINE

現在のスペインの一般的な仕事のタイムテーブルは、朝の8時から9時の間に仕事を始め、正午から少し遅めの13時30分から14時30分頃からお昼休みを取るとのこと。そこから、人にもよりますが、最大で3時間の休憩時間をとった後に17時前後から仕事を再開し、20時ごろに仕事を終えて帰宅の途につくというパターンにます。今では、特にビジネスパーソンに分類されるタイプの人はこのパターンにあてはまらないこともあるそうなのですが、むしろ、20時ごろまでの勤務時間が一般化しているところに問題があるとされています。

そして、帰宅時間が遅くなることで夕食の時間が遅くなり、さらにその後にゆったりとくつろいだり、趣味や娯楽に費やす時間も遅くなる傾向にあるとのこと。そのため、スペイン人の多くは深夜になってやっと眠りにつく人が多いという傾向があるそうです。

生産性という点で考えるなら、特に残業がある会社においては短時間の仮眠は推進したほうがいいのでは?

会社規模にもよりますが、適切な時間のシエスタ導入は、強引にRPAを推進するよりは生産性や士気にプラスの効果があるはずだ、と主張することは可能かと思います。導入コストもかからないですし、むしろ生産性が上がって残業が抑制されるならプラス効果すら期待できますよね。逆に、「チームの士気」などあいまいな部分を除けば、ちょっとした仮眠も禁止することが正当化される理由はあまり思いつきません。

生産性や合理性を論じるならこの問題って普通に議論の余地あると思うんですが、「ならぬものはならぬ」的にダメってことになってますよね……。


法律・就業規則的にはどうなっているか。

フミコフミオさんが上の記事を、労働基準法34条にある「休憩時間の一斉付与の原則」を意識していたのであればそれはそれで一理あると思うんですが、そういった話ではないように思います。

労働時間内の休憩に関する注意点|休憩時間に関するQ&A付き | HR NOTE
【労務管理】昼休み意外の休憩時間を廃止したい - 賃金制度・退職金制度のコンサルティングを得意とする 中川式賃金研究所

原則として、休憩時間は、「一斉に」与えることになっています。そのため、1人だけ別の時間に与えるということはできません。ただし、みなし労働制やフレックスタイム制を採用している場合は、休憩を一斉に与えることは困難だと考えられます。そのため、休憩を一斉に与えない旨の労使協定を結べば、休憩時間は一斉に与えなくても構いません。

今回のケースの場合、睡眠障害の可能性があるため、そうした事情があれば特別の対応をすることを妨げないと思います。文子さんが部下の人に病院に行けというのも事情を受けて対応するために必要だからかもしれません。

659naoso.com
しかし、いちいちこういうので病院の確定診断をもらわないと対応できないというのは(私の会社でも同様なのですが)なんというかもどかしいものがありますね。


フミコさんには「なぜ管理職は仕事中に部下が短時間睡眠をとることを見過ごしてはいけないのか?」というお題で記事を書いてみてほしい

せっかくなので、フミコさんにはこの部下に限らず、一般論として「なぜ管理職は仕事中に部下が短時間睡眠をとることを見過ごしてはいけないのだろう?」というのを書いてみてもらいたいです。

実際のところ、これ当たり前のように見えて結構難しい気がするんですよ。


私もなんだかんだいって休憩時間以外で寝ないように気を付けてしまっているし、どうしても眠気がきつい場合はトイレにいって10分だけ寝るとかそんな風にしてごまかしています。「職場内で寝てはいけない」という建前に協力しちゃってる側の人間です。

寝ないようにいろいろ気を遣う……

職場内で堂々と寝ていたら注意されるでしょうし、別に「寝る権利」を主張して抵抗しようともあまり思いません。部下もいますが、眠かったら寝てもいいよとはなかなか言えません。だからフミコフミオさんが部下を注意するのもまぁ日本だと自然なことだよなって思ってしまってる。ただ、これって普段はそれほど困らないからなんとなく従っているだけです。明確な根拠があるわけじゃない。

それどころか、どーしてもしんどい時は寝てもいいってルールがあったほうが普段力を出しやすいのになって思ったりしてる。私はめちゃくちゃ体力ないので、みんなと合わせるために普段からめちゃくちゃ力をセーブするのが常態化してますが、本当なら気分が乗ったときにがばーっと仕事して、そうでないときには少し休んでも許される環境が理想なんですね……これだけテクノロジ発達してもいまだにそれができないの、日本の職場って全然進歩してないなと「自分を棚に上げて」めっちゃ思ってます。(※実際は、とっくに実現してる職場あるけど、自分がそういう職場に就職できない雑魚なだけだぞ)


職場の眠気は、単に「個々人が我慢しろ」というよりもっと良い解決法があると思うのでもっと話し合われてほしい

そんなわけで。

「職場で眠い時にちょっと休んで、それで辻褄合わせられるならいいじゃん」って思ってることもあり、普段なんとなくで受け入れてるルールについて、フミコフミオさんが特に躊躇なくダメと言い切っていたので、「なんでそれがダメなのか」と明確に言い切れるのであれば、その根拠や意見をよんでみたいなと思った次第です。

フミコフミオさんの場合は部下にそれなりの事情があるわけですよね。それでもこの「なんとなく従ってるルール」を部下の人に適用しようとされている。とすると、それ相応の理由というか根拠があるんじゃないかと思われます。そのあたりを、フミコフミオさんの言葉で説明してもらえると面白いなと思ってます。