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ついに裁定売りが裁定買いを上回る事態に……これはプチバブルの予感?

強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく(テンプルトン卿)

さて、去年末からのリバウンド相場が崩れ、だんだん悲観度が強まってきています。まだですけどね。


※この記事はある程度実際の株取引経験がある人向けという前提で書いてありますので、全く取引経験がない人はそっ閉じ推奨です。


裁定売り 裁定買いって何ですか?

裁定買い残│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

裁定買い残とは、裁定取引(アービトラージ)において「先物売り、現物買い」のポジションを組んで、まだ裁定取引を解消していない現物買いの残高のことです。一般的な株式の裁定取引では、株価指数先物と現物株はセットで取引され、一方が買いであればもう片方は必ず売りになります。そして、「先物売り」で「現物買い」の残高を「裁定買い残」といいます。反対に、「先物買い」で「現物売り」の残高を「裁定売り残」といいます。また、裁定買い残、裁定売り残を合わせて、「裁定残」と呼びます。

裁定買い残は、裁定取引が解消されるときに必ず売却される現物株になりますので、裁定買い残が増えていくと、それは将来の売り圧力が高まっていると判断することができます。

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グラフを見てもらえばわかる通り直近では「どっちも」増えていました。
しかし裁定売りがどんどん増えていき、金額ではまだ裁定買いの方がわずかに上回っていますが、枚数ではついに裁定売りが裁定買いを越えてきました。

裁定取引残高の推移

①買い3億5649万株 +2887万株 ②売り 3億4586万株 -1349万株

ここから裁定売り残りが減少を始めれば反転開始になります。つまりまだです。




今の日経株は「ダウが上がってもついていけない」ほどに弱い=海外投資家が去年一年で資金を大幅に引き上げてしまった

ダウ平均と日経平均の価格差は拡大を続け、ついに5000円にまで拡大してしまいました。
2018年冬頃までは2014年以降は3500円差まで広がったら日本株は反転するといわれていたのに。

パウエル議長による「金利引き下げ」や「再び量的緩和実施」といった方向転換への期待を受け、
今後は「ドル安円高」になるのでは、という懸念からダウが上がったとしても日経平均はそれを追いかけられないという状態が続いていました。
つまり、今年のドル円の想定レートが110円の企業が多い輸出関連のシクリカル銘柄に悪影響が出るとみられています。

それを見越してか、去年一年で、日本における出来高の6割を占める海外投資家は日本株を13兆円売り越しています。
2018年海外勢の日本株売越額、現先合計13兆円超-事法買い越す - Bloomberg


また、個別で見ても日経平均の構成比率2位のソフトバンクGが踏んだり蹴ったりなんですよね。

子会社上場益で自社株買いを発表してから確かに株価は大きく上がってはいるんですが、

・スプリントとTモバイルの合併が水を差され
・ARMSもファーウェイ紛争でのあおりを受け、
・5兆円を投資すると言っていたサウジ問題もあまり進展がなくリスクが大きいです。

自社株買いもいつもなら短期間集中でやるのに今回はノロノロとやっていました。

さらに中国とアメリカの制裁合戦は輸出産業に打撃を与えているし、先週から香港のテロ問題でかなり緊張状態が続いています。
これをきっかけにイギリスなど欧州資金が凍結みたいな騒ぎになるとVIXショック再びもあり得ます。
とにかく今はリスクオンが期待しにくい状態になっています。


まとめると現状では

①米国のFF金利引き下げによる長期的なドル安円高懸念 
②ソフトバンクの苦戦(ファストリはもう限界近くまで買われている)
③政局の不安定さ

などが原因で、日経平均関連銘柄の株価は頭をガンガン押さえつけられています。



この状況で、アメリカはネックラインである25200を下回って推移しております。
チャート的にもリスクが高く、20300あたりから底で買っていた人でもない限りなかなか強気になれない状況ではないかと思います。




とはいえ、裁定売りが裁定買いを上回る状況は長く続かない。

今までの前例を見ると、だいたい下髭を付けてそのあと反転しています。この状態になってから長くても1か月下落し続けた例はありません。


今回も今の時点で買いに行くことはかなり危険なのですが、現物買いで一か月耐えることが前提ならありな状態かと思っています。
今の時点で少量だけ買っておきそこから大きく下落してきたら(月足トレンドラインの日経平均20300ラインが底)そこから本格的に買うという形になるかな。

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ちょっと専門的な話をすると(ここは読まなくていいです)

今って6月MSQを通過したばかりなんですよね。
売り方買い方ともに各々の戦略に沿って6月時点で売買していたポジションを解消し、再構成している段階です。

なので、現時点での動きを判断しにくいところがあります。

少なくとも分かることとして、JPXの日報の出来高を見る限り機関投資家側は大量に21000-21250のPUTを買い越ししています。
この利確 or 損切が終わるまでの間、一気に上に上がるのは難しいと思います。金曜日にはあまり解消されませんでした。


「売り方」であるputを買っている機関投資家からすれば、いったん下げて少しでも利益を確保して処分したいはずです。
一方「買い方」側はそれを許さずにどんどん買っていくことで踏み上げさせるか、putの転売を引き受ける形で株価上昇につなげようとします。

今回はcallが買われず、put引き受けもなかった。つまりすぐに上を目指すという動きにはなっていません。

現時点ではリスクを考慮して積極的に買い仕掛けをする人がおらず、
売り方がput買い越しポジションを整理するのを待っているという状態なのでしょう。
VIXが下がっている割に指数が上がっておらず、完全に様子見状態ですね。

ここから一度下髭を付けて6月末には上昇基調になると予想します

ただ、私はこの後踏み上げ相場は十分あり得ると思っています。
とりあえず来週の6月19日深夜のFOMC議長声明でどうなるかが注目されますね。
そこまでに大きく押し目を作るようであれば、買いの姿勢でいいと思ってます。


「6月19日のFOMCおよび、6月末G20サミットによる米中首脳会談」ここを通過したころには上げ基調になっているという見通しで考えています。
FOMC前後が底になるか、サミット前後が底になるかは判断が難しいので、今は小さく買う方が良いと思う今日この頃。


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