頭の上にミカンをのせる

マンガアニメ大好き兼業投資家の日記です。WORLD END ECONOMiCAアニメ化のCFを応援しています。

マクドナルドは原田体制でなぜ崩壊したのか。そしてカサノバ体制でどのように復活したのかを振り返る

gendai.ismedia.jp

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「客数×客単価」の公式

彼が行った改革は大きく分けて4つあった。今後の流れをわかりやすくするために番号をふっておく。

(1)店舗業務を全国で標準化し、サービス力を向上、共通のマーケティング戦略で売り上げを拡大
(2)サプライヤー(食材などの購入先)の変更による効率化
(3)人員削減によるコストカット
(4)FC集約による財務体質の改善

マクドナルドの店舗数は、2004年には直営2686店、FC1088店だったのが、2014年には直営1009店、FC2084店と、FCのほうが多くなっている。直営からFCに売却された店舗は、閉鎖済みのものも含めて1400店以上に達している。こうした4つの改革は、大きな成果をあげ、「原田マジック」と謳われた。
ただし――それは2010年までの話だった。

現場のサービス力の低下、本社と現場のマーケティングの不均衡――
そう、この頃から原田改革が逆回転(バックスピン)を始めたのである。

①中央集権を進めすぎて現場の権限を奪ったことと ②コストカットを重視しすぎた結果 ③顧客満足度が最底辺に

藤田時代も条件は同じだった。だが、原田改革の(1)店舗業務標準化により、本社のマネジメントが強くなり、そこに売上高の伸び悩みが重なったことで、各店舗の店長に強烈なコスト削減のプレッシャーがかかることになった。これに加えて(3)の人員削減もマクドナルドの傷を深める要因となっている。
「人員を減らし、コストを下げると本社からの評定がよくなる仕組みになっている。これじゃあ客への対応が十分にできない。異物混入騒ぎがあそこまで大きくなっても不思議じゃない」

2010年頃から続くサービス力の低下は数字にも現れている。「サービス産業生産性協議会」が行っているJCSI(日本版顧客満足度指数)によれば、マクドナルドの顧客満足度は2010年の調査で外食企業21社中、14位だったが、2013年、14年と連続で最下位となっている。

原田さんは「マクドナルドの2つの哲学を破壊した」と手厳しく批判された

原田は従来のマクドナルドに存在していた2つの大事な哲学を壊してしまったと言える。

ひとつは「マクドナルドはピープルビジネス」という哲学だ。同社のホームページには「人を大事にし、人の力で事業を成功させる」との経営理念が掲げられている。だが、先にもふれたとおり、原田体制下で人材は流出した。
(中略)
もうひとつは、「3本足の椅子」という哲学だ。これは、サプライヤー・FC・マクドナルド本社という三者の強固な関係性を指した言葉である。

ここまでボロボロにされたマクドナルドはなぜV字回復できたのか。カサノバさんの取り組みを3つの面から整理

原田さんがもたらした一番の問題点は「信頼性の失墜」でした。

いきなりステーキは既存店売り上げが前年比の58.6%になっただけで瀕死ですが、異物混入事件の後のマクドナルドは前年比40%になった月がありました

原田さんが経営していた時代の末期には、コストカットの影響の結果

・そもそも安心できない(安全・衛生面の不安)
・接客が不満 (店員が少ない、疲労で態度も悪い)
・店も汚い。寝ている客も多く、ご飯を食べる場所ではない(客を選ばず集客しようとした結果)

などなど、飲食店としてのイメージに致命的なダメージを負ってしまった。

「残念でならないのは、(マクドナルド=)寝るための場所という利用動機を生み出し、定着させてしまったことだ。これは外食経営者として許せるものではない」「寝ている人ばかりの客席で食事をして楽しめるわけがない。深夜のマクドナルドはレストランのあるべき姿とかけ離れている」

普通だったら再起不能だったでしょう。
実際私はこの時の不快なイメージを今だに引きずっており2013年以降ほとんどマクドナルドを利用していません。


カサノバさんはこれらに対してまず「店舗体験・知覚品質の向上」を目指してかなりオーソドックスな取り組みを一つずつ行った

diamond.jp

おいしいバーガーとポテト、モダンできれいな店内環境があり、そしてスマイルでサービスをする、そんな楽しいマックにもう一度戻ろうと、15年に策定したのが「ビジネスリカバリープラン」です。

マクドナルドは「ハッピープレイス」でなければなりません。お客さまが常に「おいしい」「食べたい」と思ってもらえる場でありたい。また従業員には、「マクドナルドで働くことは楽しい」「人材に投資されている」と感じてほしい。

私たちのゴールは、「Q」(クオリティ=品質)、「S」(サービス)、「C」(クリンネス=清潔さ)に加え、「V」(バリュー=価値)を向上させ続けることです。特に「V」に対する見方はよりシビアになるでしょう。

サービスを向上させながら、チームで効率を上げるにはどうすればいいのか合わせて考えていますので、値上げするつもりはありません。

具体的にはこのような感じです。特に①が超重要かなと感じました。

①新規出店でカバーしようとせず、既存店を大幅改装し「清潔な店」を演出

私たちが優先したのは、既存店での店舗体験を改善すること。そのためにまずは既存店の改装に注力しました。この店舗改装に終わりはなく、最低でも全店の90%は常に改装した状況を維持したい。既存店と新店のどちらだけをやるというわけではなく、良いバランスで成長を持続させる

②サプライヤーとの関係を強化
③セットメニューの充実や夜マックの提案
④地区本部制を導入し、フランチャイジーへの権限移譲を進める
⑤人材獲得を強化・クルー教育のデジタル化
⑥待ち時間の改善。レジの横に受け取り専用カウンターを作り、スピーディーに番号で呼び出す仕組みに変えた。
→さらに最近では「モバイルオーダー」など、新たな「おもてなし」のための実験
⑦アプリやSNSを利用したマーケティング。「コド」など。


本当に原田さんのやったことをひとつずつ元に戻すような感じですね。
中央集権・コストカット重視から、現場重視・満足度重視へ。

www.businessinsider.jp
こんな記事も話題になりました。


店舗品質を高める一方で、新商品開発やマーケティングも「満足度重視」に切り替えた

www.mag2.com

①「マックグラン」「マックカフェ バイ バリスタ」などによるイメージ回復
②「ポケモンGO」の影響はかなり大きかった。
③「第1回マクドナルド総選挙」やコラボ戦略
④低価格帯でも黒と白の三角チョコパイなどの「カフェ」寄りのヒット商品が活躍

などなど。全方向的に「安いから」とか「期間限定」以外の理由で継続的に来たくなる仕掛けを用意。


価格戦略でも「安売り」はせずに「お得感」のあるメニューを考案

・「100円メニュー」を廃止する代わりに「セットメニュー」を重視。
・「単なる客数」ではなく「質のいい客の来店頻度アップ」を重視。

原田さん時代は、とにかく客数を集めて、その客に高いものを売りつけるという形になっていました。
カサノバさんになってから100円マック目当てのような客はそもそも対象外になっています。


まとめ 数字がやばいと思った時こそ、直接数字に出てこない「お客様の満足」を第一に考えるという基本に立ち返ろう

原田さん時代のマクドナルド、思った以上にボロボロになっていました。

イメージの悪化という飲食店にとって致命的な問題を抱えてしまっていた。

一方で、それを立て直すための施策は、かなりオーソドックスなものでした。

「まず全店改装」ってものすごい思い切りですね。

ギリギリに追い詰められる前に、赤字が出ている状態でも「マクドナルドのあるべき姿」を考えて体力があるうちに一気に変える。

これ、思い切りが悪かったらズルズルとイメージ悪化が長引いてうまくいかなかったかもしれません。

この切り替えは、多分日本人経営者の一番苦手とするところじゃないでしょうか。

実際、原田さんの末期は、行っちゃ悪いですがつぶれる飲食店にありがちな値引き方向だった気がします。

売り上げが厳しくなると「なんとかして客数を取り戻そう」「コストもっと削らなきゃ」って考えちゃうのはすごくよくわかる。でもそこで逆に「根本的に満足度を上げなきゃ小手先では客に見抜かれるぞ」「必要なコストまで削ったら終わりだぞ」と肝を据えて顧客満足度改善に取り組むというのは並大抵の度胸じゃないと思う。ほんとにすごい。

立て直しが必要な時こそ、顧客満足度を重視して徹底的に現場重視・ボトムアップ重視で取り組み、必要なコストも負担する。

これ、自分の仕事とかブログでも同じだと思います。

仕事はなにかと数字で評価されますが、数字がやばい時こそ、数字を追いかけるのじゃなく、数字に表れない「お客様の満足」を考え直すのが大事。ブログだって同じです。ブログの数字は追いかければ追いかけるほどたぶんダメになる。数字じゃない読者さんのことをよく考えられる人が長期的には強くなれるはず。

そのことを強く信じるためにも、このマクドナルドのV字回復は、しっかりと理解しておきたいなと思いました。

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久々にマクドナルド行ってみようかなぁ(株の方は、どうせいかないからと優待取らずに無視してたらもう買えない……)