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「本好きの下克上 第二部 本のためなら巫女になる!」

東京への引っ越しも終わり、コロナは大変ですがなんとか仕事も開始して落ち着き始めたので、またぼちぼちとマンガを読んでいきたいと思います。ここ数か月はまともにブログが書けなくてちょっと悲しかったけど、このブログはマンガと投資について紹介するのが目的のブログだからね、忘れないでね!


というわけで、「本好きの下克上」です。第一部で神殿仕えすることが決まったマインのその後を描く第二部です。4月からアニメでこの第二部の放映が始まりますが、個人的には第一部よりもこの第二部の方がより面白いと思っているので、コミックでもアニメでもいいのでどちらかは是非見てほしいです


第一部からのあらすじ

一部では高い魔力を持って生まれ、しかしそれゆえに生じる「身喰」という病に苦しみ後わずかしか生きられない状況にあったマイン。

この問題を解決するための魔道具は神殿に存在した。マインは魔力と一定の金額を定期的に神殿に奉納することを条件に平民出身でありながら貴族扱いの「青色巫女見習い」の地位を与えられることになった。ここら辺の駆け引きや、マインの家族たちの奮闘は非常に面白かったので、ぜひ第一部の7巻も読んでほしいです。

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彼女は貴族社会や神殿ならではの価値観の違いや独自のしきたりに苦戦しながらも何とか生き延びていくことになります。



神殿仕えスタート

平民出身でありながら貴族出身の神官と同じ扱いを受けることになり最初からそば仕えを持つことになった。

①書類仕事
②魔力を神殿に奉納すること
③図書館で聖典を読むこと
④寄付金の徴収

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の4つが当面の役務。

ただ、第一部の経緯から神殿長に疎まれているため、そば仕えのものは反抗的。まず彼ら彼女らをきちんと統率するという課題からスタートする。

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面白くなるのは2巻で孤児たちの扱いが明らかになってから!

今まですごいのんびりとした雰囲気で物語が進んできたと思っていたのに、いきなり「ブラッドハーレーの馬車」みたいな設定が飛び出してくる。


ブラッドハーレーの馬車

ブラッドハーレーの馬車


詳しくは読んで読んでもらいたいんですが、「神殿」という小さな社会構造のいびつさのしわ寄せがすべてこの孤児たちに押し付けられている。神殿というシステムの存続のために使い捨てられるためだけに最低限の食だけを与えられて生かされ、幸運にも必要と判断された者を除き、残りは全員人知れずシステムにすりつぶされて消えていく。*1

※一時期の「まんが王国」とかだったら絶対この辺りをサムネにするだろうなと思うから絶対にスクショは取らない。


きれいごと抜きで、ちゃんと「ビジネス」として解決していく展開がすごく面白いです

これを見たマインは最初ただ「助けたい」と思って神官長に孤児たちの待遇改善を要求する。


しかし、すげなく断られる。そういう事情になってるのはちゃんと理由があるのであって、「かわいそう」だけで助けられるほど甘くはないのだ。最近のネットは人権意識「だけ」が発達していてこの感覚が欠けてるせいか、なんも考えなしに要求とか批判ばっかりやってるスラクティビズムに陥ってる人が多いので見習ってほしいと思う。



ここでマインは一度心が折れそうになるが、ルッツの励ましもあり、現状を踏まえた上で改めて「仕組みとして」孤児たちを救える取り組みを準備する。

そして、計画をもとに神官長を説得した上で、孤児院長に就任して行動を開始することになる。

「……デリアはうれしくないの?」
「うれしいけど…悔しい。なんで…あたしの時は助けてくれなかったのよ」
「デリア…今度デリアが困っていたら助けるから。ちゃんと助けるから。
 だから…泣かないで」

与えるのは魚ではなく魚の釣り方を。施しではなく仕事を。

この際に、ただ施すのではなく孤児院を「工房」にする。

そうして「神の恵み」として無差別に救いを提供するのではなく「働かざる者食うべからず」の原理を導入して、仕事に対して「ご褒美」を提供する形にする。



「神の恵み」に依存して「余裕があれば助ける」という方式だったから、余裕がなくなった途端に助けなくなった。また「施し」だと、まじめにやっている人間とそうでない人間との間に不公平感が出る。

なにせ、マインがただ施すだけでは問題は何も解決しない。平民の神官や巫女にも協力してもらわなければいけないし、孤児たちにも自活してもらわなければいけない。活動を永続的なものとするために「がんばったらご褒美として与える」という方式にした。

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「基本的に他に対して無関心な君が行動を起こす理由は?
 なんの得もなく面倒を抱え込みはしないだろう?」
「心置きなく本を読むために決まっているじゃないですか」
「…なんだと?」
「壁の向こうで子供が飢えて死にそうだと知ってしまったら、気になって読書もできないでしょう?」
「つまり、読書の障害排除のためだけに、孤児院長となり、工房を運営するということか?」
「その通りです」
「君は…予想以上のバカ者だ」
「よく言われます」


これによってまたひと悶着が生じるのだが……という感じですね。

*1:しかも、第三部で明らかになるが、それでもまだ神殿がそばにある孤児院が一番ましで、それ以外の孤児院はもっとひどい状況になっていたりする