アンジェス逝ったぁぁぁぁぁ!!
それにしても正直よくここまで持ち上げたものだと思います。
マザーズお祭り銘柄暴落直前の時価総額
— つりにんじゃ🎣 (@tsurininjya) May 8, 2020
ブランジスタ 約2,300億
アキュセラ 約2,700億
アンジェス 約2,750億 ←New!
そーせい 約5,000億
サンバイオ 約6,300億
アキュセラやサンバイオ、そーせいはまだ多少なりとも値上がりに期待への裏付けはありましたが
アンジェスについては100%ワクチンを開発なんてのはありえません。
誰一人アンジェスがワクチンを本当に成功させるなど期待などしていなかったのに、だからこそ需給だけでここまで上げ切った。
日本市場、特にマザーズという市場がいかにクソであるかがよくわかる一幕でしたね。
ちなみに各金融機関による空売りは以下の通りです。
各機関は4月1日からアホみたいにかつがれてますが、機関投資家はアホじゃないので高値で売りをさらに積んでいくために、両建ての形で買いも積んでいると考えるのが良いと思います。
(というかここで報告されてるやつって全部が自己勘定じゃなくて、あくまでそれぞれの金融機関経由での注文合計ですからね)
いずれにせよ、急激に空売りが増え始めている4月1日、遅くても4月7日あたりからは機関投資家は売りだと判断していたわけで、中期的には700以上で買ってる人は許されないということになります。
コロナ後のリバウンド状況は、東日本大震災後と同じくらい需給が良く、「低い位置で起きたバブル」になっています。
マザーズ市場というのは、常にカモとなる個人投資家が上級者から金をむしり取られる相場です。
初心者なのにマザーズ市場の株を売買するというのは「私は自殺志願者です」と言っているのと同じです。
そんなマザーズ市場はコロナショックによって崩壊しました。
この時に個人投資家はほぼ一旦すべての株を投げました。(MAX信用評価損益率がマイナス40%を超える状態になった後急改善)
これによって「高値で捕まっている信用買い」は一掃された。
いったん焼け野原になり、上値がめちゃくちゃ軽い状態になりました。
誰も上の値段で買ってる人が生き残らなかったからです。
一方、プレイヤーが入れ替わって、3月初めあたりに底値から買った人たちは軒並み大きく利益を出している状況になっていました。
こういうときはとにかくみんな強気です。
コロナショックで死んだ人をしり目に、新しく参入した人はどんどん儲かっていきました。
実態の経済状況=ファンダメンタルズはどんどん悪くなっていますが株価だけはどんどん上がっていきます。
これは「下がりすぎた」「売られすぎた」状態がアンワインド(巻き戻し)されているからですね。
下げに乗じていろんな株を売りまくっていた人たちは、今度は撤退戦をすることになります。
売りの買戻しを追いかける形でどんどん株価は上がっていきました。
もちろん、長期投資的な意味での買いなんてほとんどありません。
経済支援とか超絶金融緩和なんとかも全部口実に過ぎません。
今あるのは、ただただ「やたらと需給がいいから買えば上がる」という状態で売りが息をひそめてる状態というだけです。
中身空っぽの売り上げほぼなしのクソバイオ企業が、吉村府知事のクソ煽りによって時価総額2750億円まで膨張したのはまさに今の状況を象徴してる
ちょっとでも株式投資やってた人ならわかってると思いますが、
日本のマザーズに上場してるバイオ企業は実績面でみればほぼすべてカスです。(もちろん悪質な企業はTとAくらいで、後の企業は皆さん厳しい環境下で研究頑張っておられるとは思うのですが)
ろくな成果を上げている企業はそーせいくらいしかありません。
アイロムとかソレイジアとかシンバイオ、GNIは自力で成功したわけではないし市場も小さいです。
きちんと企業活動を維持しつつ黒字を安定して出せるにいたった国内創薬ベンチャー企業はペプチドリームくらいですが、ここはとっくに東証一部に行ってます。
市場を騒がせたアキュセラも、サンバイオも、見事に崩壊しました。
こういう創薬ベンチャー企業と、タケダやシオノギなどの製薬会社は明確に区別しなければいけません。
これは日本の国内創薬ベンチャーに対する姿勢のせいもあるんですが、とにかく芽が出ることはほとんどありません。
唯一マザーズに上場してる企業でまともな開発力を持つとされるそーせいにしたところで、成功したのは買収した海外ベンチャー企業でした。
みんなそういうことは重々承知の上、それでも「万が一成功したときが大きいから」という理由でバイオ株の祭りに参加します。
そんな中でもアンジェスの信用できないぶりは別格です。
10年以上にわたり37回、トータルで450億以上の増資を行っておきながら、製品化した薬による売り上げは20億にも満たない。
HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」が去年ようやく販売承認されましたが、これにしたって本来10年前に上市されるはずの薬がようやく今更になって、です。しかもこの時も数年後には年間売り上げ500億といって煽って株価を釣り上げていたのに、実際は15億にもみたない数字になることが明らかになりました。
新薬の薬価がたった60万円!日の丸創薬ベンチャーは意気消沈 | 経済界
コラテジェンは、本来なら10年前に世に出ていたはずの薬だった。アンジェスは、「国内バイオベンチャー1.0」と呼ぶべき存在だ。大阪大学医学部の森下竜一教授らの研究成果を基に、1999年に設立されたメドジーンがその前身である。84年に日本で発見された、肝細胞増殖因子「HGF」が、コラテジェン開発の源流だ。HGF遺伝子を局所投与すると、その部位の血管新生を促すことを95年に突き止めたのが、阪大の森下教授である。
今回のコロナウイルスに関しても、もともとコロナとは関係なく研究していたDNAワクチンの研究を無理やりコロナに結びつけているだけ、という印象があります。アンジェスの「プラスミドDNA」技術は、数年前から研究して特に有効な商品が生み出されてないのに、コロナの時だけ短期間で商品化するんですか?
よいことずくめの開発法に見えるが、この製造法で作られたワクチンはまだ世に出ていない。製造期間が短くても、まずはマウスや猿などを使い、安全性を確認するための動物実験が必要で、その後行われる人間に対する有効性と安全性を確かめる臨床試験(治験)に入るまでには、最低でも「半年はかかる」(森下教授)。エボラ出血熱や鳥インフルエンザでワクチンの開発に着手した例はあるが、治験に入る前に感染が終息。治験に必要な患者が集まらず、治験を断念した経緯がある。
あなたが大勢の人の命を預かる自治体のトップだとしてこういう企業に運命を預けようと思いますか? ないよね?
今回はアンジェスもさることながら、吉村大阪府知事の行動の意味不明さが目立つ。この人まじで何考えてんの?全く信用できなくなりました
そんな企業を、なぜか大阪府知事や大阪維新の会が猛プッシュし、マスコミも過去のアンジェスの実績には触れず、あたかも7月にはウイルスができるかも?などと煽る始末。
アンジェスによると、開発しているのは「DNAワクチン」と呼ばれるタイプ。3月に阪大と共同で開発に着手し、当初は9月ごろの治験開始を想定していたが、動物実験が順調に進んでいるため前倒しを検討しているという。
吉村知事は「最前線で働く医療関係者に優先的に投与したい。実用化されれば10万~20万人単位で接種が可能で、コロナウイルスと戦う武器になる」と話した。
同大の森下竜一寄付講座教授によると、7月にも医療関係者に対し、数十人規模で接種する。抗体ができるかを確認し、順次対象人数を増やしていくという。
絶対にありえないと思います。
国内メーカーでも、アンジェスの数倍開発力が高く、もともと風邪薬などに知見が多い塩野義製薬が、国立感染症研究所などの権威のある機関と組んでようやく21年の秋頃にと言ってるんですよね。
www.iza.ne.jp
つまりこれ最初から真面目に開発するつもりがないとしか思えません。
そもそも開発リーダーの森下さんは、3月の時点では最低でも動物実験だけでも数か月かかりますって言ってましたよね?そんな都合よく開発が進行するんですか?
新株予約権発行した一か月後に都合よく大阪府がバックアップしてくれて、株価が5倍以上に吊り上がったところでしっかり増資完了。すごい偶然ですね(棒)
なお、アンジェスはただでさえ金がなくて市場で金を刷って投資家から巻き上げているのに、直前に海外の創薬ベンチャーに50億の出資を行っています。その結果として3月にはまた90億円分の増資=第37回新株予約権(第三者割当て)を行っている。4月14日に大量行使。4月24日に行使完了しています。4月27日に社員に対してストックオプションを発行しています。
どう考えても、この新株予約権の権利行使のために株価つり上げを行ったとみるべきでしょう。。
www.marr.jp
アンジェスは過去に幾度となく市場から資金を調達。今回の共同開発を発表する直前である2月17日にも、第三者割当の新株予約権発行による90億円超の調達計画を発表したばかり。遺伝子治療やDNAワクチンなどの知見を内外で推し進め、ゲノム編集に強いアメリカのバイオベンチャー・エメンド・バイオセラピューティクス社に50億円超を出資、持ち分会社にする予定だ。
https://toyokeizai.net/articles/-/335256?page=3
すごいなー。アンジェスさんは本当に運がいいなー(棒)
こういう「露骨に金に困ってて株価を釣り上げる必要性がある」という背景がある企業を、吉村さんが「大阪のリーダーシップ」を示すとかいうホラをふくためだけに援助してる構図に疑問を感じるなってのは無理でしょ
今までであればアンジェスが勝手にやって、欲豚が勝手につられたということで別に問題なかったんですが、
どう考えても上場しているバイオ企業の中でも信用的に微妙な会社を、事情もろくに説明せず強力にバックアップするのは明らかに不自然です。
さすがにこれは無能というだけでは説明ができません。 第一維新の会の人たちや、府議会の人はなんかおかしいと思わなかったんですか?別に陰謀論を唱えるつもりはないので現時点で癒着だのなんだのは言いませんが、さすがに不信感めちゃくちゃ強いです。マスコミの中で、アンジェスって本当に大丈夫なの?って疑義をちゃんと伝えられたところはあるの?
少なくとも私にとって、現時点ですでに吉村知事は「口だけは達者だけど全く信用できない」という認識ですしこの後7月以降に成果が出なかったときにしらばっくれるのだとしたら安倍総理以上に信用ができない人間ということになると思います。さすがにその時点でだんまりだったりこの人はなんか裏があると疑い始めるでしょう。
私の中では、今大阪維新の会は、民主党よりも自民党よりもひどい、内実のないポピュリズム全振り政党という評価になってます。人気のためなら実現性が皆無の政策をでっちあげることくらい平気でやるか、あるいは鳩山由紀夫さん並みに理念先行型の無能という印象です。そのくらい今回の吉村知事の判断はありえない。モリカケ問題をやらかした一連の流れとおなじくらいか、それ以上に維新の会のガバナンスが弱いのではないかという気がします。「目先の人気に目がくらんだ」状態で、まともな検討が行われたようには見えません。
なんか今はコロナ対策で評価が高いそうですが、今までで最悪の府知事になるかもしれないくらいに思っています。