頭の上にミカンをのせる

「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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『チェンソーマン』 もし「うしおととら」の主人公が我欲まみれのすごい馬鹿(誉め言葉)だったら……?みたいな作品

悪魔が恐れるデビルハンターはなぁ……
頭のねじが吹っ飛んでるやつだ。

まともだから悪魔の攻撃を怖がっちまう。
恐怖が悪魔の力になるからな。
だがネジがぶっ飛んでるやつは何を考えてるかわからない。
悪魔も理解できんもんは怖がるもんだ。

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なんかしらんまに連載が始まってたせいか今まで読みそびれてた作品。



とりあえず今日は5巻まで読みました。これめっちゃ面白いっすね。

話の構造は補助輪付きの「うしおととら」って感じなのですが(主人公は主体的ではなくマキマに誘導される形で行動する)、とにかく主人公のキャラがとても良い。



このあたりのセリフがすっごい好き

みーんな俺んやること見下しやがってよぉ……

復讐だの家族守りたいだの猫救うだのあーだのこーだの。

みんな偉い夢持ってていいなァ!じゃあ夢バトルしようぜ!夢バトル!

俺がてめーをぶっ殺したらよお~~ てめえの夢ェ!胸もむこと以下な~!?

安心してくれ。アンタらみてえにご立派な目標はねえし、ショボい夢しかねえけどよ。

てめえと同じくらい俺マジでやっからさ。ド~ンと期待しといてくれ

このセリフの直後で夢がかなってしまって、そこから悩む主人公の姿含めてもうめっちゃ好き。




この感覚これからの世の中ですごく大事だと思うの。


今ネットで暴れてる、必死に右翼とか左翼みたいな「大きなもの」に同化しないと生きていけない人の真逆

今ってさ、みんなアイデンティティが瀕死状態なんだろうなとは思います。

だって日本っていう国家だとか、日本企業とかがこの先かなりしんどいことになるのは誰が見ても明らかなんだから。先行きが不安なんだと思う。私もすっごい不安です。

今の日本は本当に素晴らしい国だと思うけど、未来において国家全体が繁栄してみんなが幸せってのは想像できない。何をどう頑張っても、高齢者を大量虐殺でもしない限り、将来的に椅子取りゲームを強いられる

囚人リク(1) (少年チャンピオン・コミックス)

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  • 作者:瀬口忍
  • 発売日: 2013/10/04
  • メディア: Kindle版

だから、自分たちが他の人を押しのけて勝ち組になろうとする人ばっかりになってる。
平等とか反差別とか綺麗事を言ってる人も「誰かを悪と断じて叩き潰し、そこから奪う」ことにはなんの疑問も持ってない人が多い。



その際に自分の力で頑張ろうとせずに大きなものに一体化しようとする人たちがネットで暴れてる人たちなんだろなと。

「国家」やら「政府」を応援し続けることによって、自分たちが勝ち組側でいたい。今の政権が安泰である限りは自分たちの生活も安泰だと思いたい人達。

逆に「社会正義」とか「平等」とか「社会」みたいなでっかいことについて語ることで自分が上になったような気持ちになる人達。

どっちも、語ってることはご立派だけど語ってる本人に魅力というか中身がないという点では共通してる。

んで、そういう国家や社会レベルのウヨサヨ活動と個人の中間にオンラインサロンという底なし沼みたいな世界もある。



とにかく、日本だろうがどこだろうが余裕で活きていけるような強い人を除いては、個の力でどうにもならないような社会の変化におびえ、不安ばかり感じてる。だからこそ自分の身の丈を越えた何かに同化しようとして、自分自身が限りなく薄くなってしまう。

他人事のようにかたってるけど、悲しいながら私自身そういうどうしようもなくつまんない人間なのです。



私はつまらない人間だからこそ、「つまらない動機」で全力出せてるチェンソーマンの主人公に胸がキュンキュンする

この主人公はそのあたり考えず、かと言って大義とか言い出さない。


「主人公だからって大層な動機がなくたっていいじゃん。どうせ世の中は無茶苦茶なのだから」って感じの話なのですっごい面白い。

物語自体は、「銃の悪魔」っていうそれこそ「うしおととら」の白面の者をほうふつとさせるような超強大な敵が相手っぽい。かなりでっかい物語です。

人がジャンジャン死んでいきますし、自分自身もいつ死んでもおかしくない。

でも主人公は目の前のおっぱいとか目の前のかわいい女のことで頭がいっぱいになってる。退屈とか将来への漠然とした不安とかじゃなくてエネルゲイア的な生き方。

これとっても良いです。好みです。



話全体としてはすっごいエグイ展開が連続するし、敵も強大すぎて絶望感が強いけどなぜか笑いながら読める不思議な作品

2巻で主人公のこと好きになって、3巻の衝撃で作品そのものもファンになってしまった。

作者も頭ぶっ飛んでて素敵すぎる。

チェンソーマン 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

チェンソーマン 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

楽しくなるために頑張ってきたのに。
楽しくなくて頑張るのはクソだ

俺は俺のことを好きな人が好きだ

主人公の首輪を握ってるマキマさんもぶっ壊れてて素敵。

あなたのいう必要悪というものは。
悪事を行う自分を正当化する言い訳です。
その言い訳は社会に必要ない。
必要な悪というのは、常に国家が首輪を透けて支配しているものです。


この作品、真面目に読むと設定とかすごい気がするんですが、一回目に読んでるとき自然とIQ下がっててよくわかりませんでしたw


特に7巻から登場する敵、サンタクロースの設定とか色々とワケワカメすごて理解が追いついてません。単行本の8巻~9巻くらいまで出て情報が出揃ってから改めて感想書きたいと思います