Twitterでリプ欄でついたネタ全部採用したマンガをあげてたキドジロウさんの作品。
募集アイデア全部採用マンガ「魔法少女デウス・エクス・マキナ」(1/10) pic.twitter.com/BGuLpE8sfh
— キドジロウ🐟嫌パン2巻発売中 (@timberdoor) May 18, 2020
マンガ家として普通にすごいなと思ったので読んでみた。
キドジロウ先生には他にも作品があるのだけれど
7's―セブンズ― 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
- 作者:キドジロウ
- 発売日: 2018/04/19
- メディア: Kindle版
なぜこっちじゃなくて嫌パンの方にしたかというと、私がパンツを見たかったからです。以上。
アニメ版とはだいぶ違う内容になっている
アニメ版では、「もともとありえないシチュエーション」だったので、主人公は無個性どころか空気みたいな存在でした。
そりゃそうですよね。こんな関係性が成り立つ主人公描きようがないわけだし。
その分、「嫌な顔しながら」の部分が強調されていたみたいです。(1話しか見てないから2話以降がどうだったかは知らない)
しかし、マンガ版では無個性だった主人公がちゃんとキャラ立ちした状態で物語を成り立たせています。
その結果「嫌な顔をしながら」の部分より「なぜパンツを見せてくれるのか」の部分がが強調される形になっています。
頭もよく金持ちで容姿端麗、偉ぶりもしないし自分のことを大事に思ってくれている完璧な存在だけれど、ある一つの要素がすべてをぶち壊しにする男
それがタイトルの通り。
なぜか主人公には、他人に好意を感じた時に、パンツを見せてもらわなければ気が済まなくなるという性質がある。
さらに言うと、無理やりに見ようとはせず「相手の意思でスカートをまくって見せてもらう」ことにこだわる。
ちなみに主人公は性的欲求は全くなく、ただパンツがみたいだけ。
また、パンツを見たい相手には好意を持っているから全力で相手からの好感度を稼ごうとする。
実際その他の点では完璧超人なので、女の子は彼のことを好きになってしまう。
しかし、彼は相手の女の子からの行為には無関心で、あくまでパンツにだけ興味を示す。
そしてそれ以上は求めようとしない。
マンガでの作劇の流れがうまくて普通に面白い
この結果として、女の子はものすごい肩透かしを食らうことになります。
①最初いきなり「パンツを見せてくれ」といわれたので性的欲求を向けられたと勘違いして嫌悪する
②この主人公相手なら性的欲求を向けられても構わない。むしろ自分もそれに応えたいと思う程度に彼のことを好きになってしまう
③自分が惚れてしまった後で、相手は自分に好意は抱いてくれているが、恋愛感情や性的欲求を持ってないことを知ってしまう
④結果として「主人公の切実なパンツみたい欲求には応えてあげる」一方で「主人公への失望・幻滅」がセットになってタイトル通り「嫌な顔をしながらパンツを見せてもらう」というシチュエーションにつながる。
⑤恋愛関係が不成立のため、女の子が一方的に主人公のことを好きという「ハーレム状態」になっていく。
- 作者:鎌池 和馬
- 発売日: 2020/02/07
- メディア: 文庫
という感じです。
このあたりの流れの作り方、文字にしたらばかばかしいのに実際に読んでみたらすんなり読めるのでマンガとしてすごい上手いと思うんですが、作品内の主人公だけでなく、作品外のこの作者様含めて才能の無駄遣い感半端ないwww
しかも一発ネタに終わらず、主人公が少しずつ他人との会話や恋愛を理解していくという話になっててこれも上手い
主人公は天才ゆえに他人心がわからないというアーサー王みたいな設定であり
それゆえに何度もやらかしをしてしまうのだけれど
一度パンツを見たいと思った相手に対して妥協することは絶対にない。
なので、失敗にへこたれず、周りの人間の助言を得ながら
ターゲットの女性の信頼を得るために必要な行動や行為を学習していく。
まぁ中途半端に学習した結果、気遣いのつもりでより最悪なセリフが飛び出したりしますけど
主人公も女の子も楽しそうなので、無理やりパンツ見せるように仕向けられてるわけでもなくあんまり嫌な感じはしません。
おパンツ抜きにしてもマンガとして面白いのでおすすめですが、おパンツが見たい人は買って読もうねw