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恵方巻の原価率はどのくらいなのか。そして、なぜ「恵方巻」の強制や自爆営業は起きやすいのか。 

www.tokyo-np.co.jp

なぜか7月に恵方巻のニュースが……。

恵方巻といえばなんと言っても大量発注&廃棄問題ですね!(味の話ちゃうんかーい)

なんと毎年売れ残った恵方巻の廃棄は10億円分くらい発生してるそうです。

news.yahoo.co.jp

「なぜ恵方巻の大量発注&大量ロスが起きるのか」という話は定番のお話ですよね。

本当は恵方巻の廃棄率ってそこまで一般食材と変わらないらしいですが、ただ、「強制買取」や「自爆営業」の話が出るのは恵方巻とクリスマスケーキくらいだと思います。なぜこの2つは「強制買取」や「自爆営業」が問題になりやすいのでしょうか。



皆さんもご存じだと思うので、サクッと箇条書きでまとめるとだいたいこんな感じだと思います。

恵方巻は、そもそも他の食材と比べて「食材原価」そのものが割と高め



②「期間限定生産」なので個別のコンビニ店にとっての原価はそれ以上に高くなる。(値段が高いのは常時大量生産ではないから。学校の制服の値段が高いのと似たような理屈です)


③他の食材よりロスしたときのダメージが大きいため、なんとしても売れ残りを作るわけにはいかない。


④立場が弱い個店経営などではスーパーバイザーに逆らえないのでキャパシティ以上の発注をすることが多い。


www.youtube.com

Google Slidesの練習がてらに動画で説明してみました。

改めて思うけど、もうブログ書くよりも動画でしゃべった方がこちらとしては楽ですね。文字を書くの面倒くさくなってきた……。


コンビニの仕入れと売り上げの関係の基本

・具体的に言うと、おにぎりなどは食材原価3割程度といわれてますが仕入れ値段は70%です。

じゃあ100円のおにぎりが1個売れたら30円の利益なのかというとそうじゃなくて「粗利益に6割~7割」のロイヤリティがかかるので、1つ売れても9円~12円の利益にしかなりません。

https://trip-melonpapa.com/business/convenience+store

一方で、売れ残って廃棄になると70円+廃棄コストぶんの損失です。逆にコンビニは発注がかかった時点で70円売り上げているのでコンビニで売れ残ろうがどうなろうがかまいません。なので、多少の廃棄が出ることは前提で多めに発注するように各店舗に圧力をかけます。

これが悪名高いコンビニ会計!ってよく言われてますね。


しかし誤解がないようにしたいのは「食材を卸した後、その店で廃棄になろうが知りません」というのは普通です。コンビニに限らずみんな大好きコメダ珈琲とかでも同じです。コンビニが問題視されているのは、優越権地位の濫用です。自分の言うとおりにしなかったらビジネスができない状況を作っておいて仕入れ量や営業時間に介入する点が問題視されます。

www.ryutsuu.biz
www.jftc.go.jp
www.jftc.go.jp


恵方巻の原価率は?(食材原価率と売り上げ原価)

詳しくはわかりませんが、冒頭にリンクを張っているnoteで元店長という人がしゃべっていた音声を聞く限り原価率は普通のおにぎりなどより断然高いそうです。 

つまりまず食材原価率の時点で35%くらいいってる可能性がある。

その上でコンビニにとっての売り上げ原価率=仕入れ値はさっき言ったとおり間接要員もあってさらに高くなるのではないでしょうか。

というわけで、あくまで推測ですが売上原価率は70%より高い80%程度と想像できます。


恵方巻の場合は「単価が高い」「利益率がそもそも低い」「大量に仕入れさせられる」の三重苦のせいで売れ残ると大惨事になります

コンビニのおにぎりは1個うれば粗利3割、最終利益が1割です。

これに対して恵方巻の場合さらに利益率が低くなります。実は結構いい素材使ってるんですよね。しかも常時生産してないから間接費も高くなる。あの価格でも利益そんなに出せているわけじゃないのですね。ぼったくり価格というわけではないんです。

だからこそ、本部は各店舗に大量に発注させます。そのくらい数を出さないと利益が取れないから。

(自分で書いててほんとかなア……ってちょっと思ってます)


本部も大変ですがより大変なのはお店の方ですね。

そもそも1本あたりの利益が低いせいで、1本売れ残ったときにカバーするための個数が多くなる。
(おにぎりなら8個売れてれば1個のロスは総裁できるが、恵方巻の場合はそれより多く売らないとダメ=実質的にはロスが出せない)

単純に単価が高いので1本売れ残ったときのダメージがでかい。

しかも本来売れるであろうキャパシティ以上に仕入れさせられているのでどうしても売れ残ってしまう。

その結果、結局自爆営業のようなことになってしまいます。

当たり前ですが、オーナーにも同情の余地がありますが、店員への強制は許されるものではありません。


じゃあなんで無理して2月に恵方巻なんかやるのか? →そもそも2月は売り上げが少ないから

これ誰でも思いますよね?じゃあ無理して恵方巻なんかするなよと。

そういうわけにもいかないんですよね。

コンビニ店にとって2月はそもそも月次売り上げが少ないという問題がありました。

一年のうち2月と8月の両月で商売が低迷して、売り上げがダウンすることを意味する「二八」という言葉は聞いたことがあると思います

だから2月に売れる商品が欲しいというニーズがあって、「土用丑の日」と同じような感じでバレンタインチョコと似た感覚で生み出されてるわけです。もともとは2月に売り上げが少ない店舗を救済するアイデアだったんですね。


ところがまあ、ウナギの方もそうですが、資本主義というのはどこまでも罪深いもので以下略。まぁ最近はちょっとでも食材ロスをなくそうとして各コンビニでも「ジェネリック恵方巻」「恵方巻オルタ」的な商品を生み出そうとしてるところです。

そのあたりを注目してみると良いのではないでしょうか。

www.lawson.co.jp

www.family.co.jp


余談ですが、日本のバレンタインチョコの元祖は「メリーチョコレートカムパニーである」についてはこういう話もあります。

https://repository.tku.ac.jp/dspace/bitstream/11150/481/1/jinbun124-05.pdf