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ハックルさんの新著「ゲームの歴史」を読む前に大前提として理解しておくべきこと:彼は「本質」という言葉を愛しすぎている

ハックルさんの新著を読むにあたって

今までハックルさんがどういう本を書いてきた人であるかを振り返ってみます。


ハックルさんの基本その1:「本質」という言葉が好きすぎると思う

青 才さんもそうなんだけど、人間には「本質」というワードにめちゃくちゃ惹かれる人種あるいは時期というのがあります。


私もこういう言葉が大好きでめっちゃ使ってた時期があるし今でも気を抜くとすぐ使っちゃうからブーメランを覚悟で書きますが……


この「本質」というワードを好む人たちは、本質という言葉を使って何を言いたいのかというと「細かいことはいいんだよ」「私は地道な検証作業が大嫌いだしそんなものは重要ではないと思っている」ではないでしょうか。


これ、結構黒歴史になってる人たくさんいると思うんですよ。


抽象的でフワッとした物言いを好み、具体的で細かい部分を詰めていくと中身がどこにもないようなことをたくさん述べる。で、そのことに本人だけはものすごい価値を感じてるわけです。


だから、そのただの思い付きに過ぎないものを、なんとかして他人にも認めさせたい。そこで自分の思い付きをパッケージングする言葉を探し求めた結果「本質」という言葉を多用するようになるわけです。


本質という言葉を多用することの副作用について

また、本質という言葉は「他の人がわかってない。俺だけが大事なことをわかってる」という自己暗示をかけるのにものすごく便利なのです。他人から間違いを指摘されたときに「それは本質的ではない」って言い返しをしたことありますよね?

この言葉、自分の自意識を守るためにめちゃくちゃ便利なんですよ。使いすぎると副作用で「承認欲求モンスター」になりますけどね。

https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im11084285


あくまでも私の経験の範囲内では、「本質」という言葉を日常的に多用する人で、本当に物事の本質を突き詰めようとしていたというケースなんか見たことがありません。日常的に本質がゴロゴロ発見できちゃう人は、「自分が大好きすぎるだけの人」であることが多いです。

そういう人が語る本質というのは、要するにただの「わかったつもり」でしかないので……。
www.tyoshiki.com

自分が持っている「スキーマ」を文章に簡単・粗雑に当てはめてしまうことに酔って、間違った「わかったつもり」や不十分な「わかったつもり」を創りだしてしまうのだということを、私達ははっきりと確認しておく必要があります。

一時期問題になった「トレースチェックやって全体があってないのに部分一致しただけでトレース認定してイキりだす迷惑オタク」のように的外れなものになるリスクが多分にあります。


ハックルさんがどのくらい本質って言葉を好きかというと

ハックルさんは他の人がバズってるとすぐ、嫉妬からなのか本心で言ってるのかわかりませんが(たぶん後者)、すぐに「この人は本質を分かってない」「本質的ではない」みたいな感じでマウントをかけにいきます


とにかく「本質を分かってる俺」のことが大好きなんですね。


冷静に考えれば「自分だけが知ってる本質が多すぎる人」ってのは単にズレてる人とか勘違いしてる人なんですが彼は絶対に自分の事をそういう風には考えません。「世の中の人間が愚かすぎる。自分だけが本質を分かってる、正解がわかっているのだ」と考えます。彼は本気でそう思っているのです。それどころか、「自分だけは本質を分かってるけど、それを独占せずみんなに教えてあげなければいけない」とすら思っているのではないかと私は考えています。



そう、ハックルさんはものすごく優しい人なのです。


でなければ彼の今までの著作に説明がつかないです。


というか本人が自分でこう書いてますからね。

岩崎夏海の最大の強みは、おそらく「社会の動向を読み解くところ」です。「これからの世の中はどうなるのか?」ということを、過去の歴史をひもといたり、現代のできごとを考察したりしながらお伝えしていきます。

著作を見ても「彼だけが知っている本質」へのこだわりが熱く語られてます。

「ゲームの歴史」ではじめてハックルさんを見た人は戸惑うかもしれませんが彼はすでに同じような本を書いています。

もしドラでは「真摯さ」がマネジメントの本質であると決め打ち
「小説の読み方の教科書」では「体験」「再読」こそが読書の本質であると決めうっている。

web.archive.org


「僕が〇〇について一番よく理解できている。僕こそが〇〇の本質を理解している」
「その本質を分かりやすく伝えるために僕は文章を書くのだ」
枝葉末節が正しいか間違っているかなどというところは「本質」の前では重要ではない。


彼の本はだいたいこの調子なのです。


彼の執筆スタンスはこういうものだということさえわかっていれば、
彼の本を読みながらチャカポコ音が聞こえてきても問題なく冷静に対処することができるはずです。


いっておくけどこれ私だけの意見じゃないからね

当時フジポンさんも全く同じこと言ってましたし、多くの人が同じようなことを指摘していました。

「原則」というか「方程式」みたいなものをみんなに教えてあげたい、という著者の熱意は理解できなくもないのです。こういうのはひとつの「叩き台」でしかないのだし、みんながそれぞれ「参考」にして、必要だと思うところだけ、役立てればいいだけの話です。そして、この本には、そういう「役立つところ」も、含まれているのだと思います。とにかく、「この人は本が好きで、本の力を信じているのだなあ」というのは、伝わってきます

https://possession.hatenadiary.com/entry/2014/02/24/201347

ハックルさんの基本その2:「本質」を深く掘り下げるのはあんまりやってくれない*1けど、直接関係ないうんちくはめっちゃ語るよ!

こちらは「エースの系譜」や「チャボとウサギの事件」「妹のジンテーゼ」などに共通する話なのですがハックルさんは、「自分だけが知ってる本質」について検証作業をあまりやってくれません。少なくとも読者からはそう見えます。


それだけならまだいいのてすが、一方で、頼んでないのに「本質」を補強してくれるようなうんちくは過剰なくらいに語ります。


とにかく彼はわれわれ凡人からしたらそれこそ「あまり本質的とは思えないような」うんちく話を山のように聞かされるようなことになります。他人に対しては「それは本質的でない!」といってマウントを取ろうとするのに自分の語りには本質から外れた話をいくら混ぜても平気なのはさすがにダブスタやろって思うのですが…。


そのため、私が彼の文章を読んでて抱く感想は本質を追求しようとする哲学者タイプではなく、鉄オタの人みたいな「物知り博士」です。知識量はすごいと思うのですが、あんまり繋がりを感じない。むしろ繋がってないものをむりやり繋げてくるのでその都度にジワジワストレスを感じる仕様になってます。彼が語りたい「本質」を見つけると自分の持つうんちくを総動員してそれを飾り立てようとすればするほどコミュニケーションが苦手なオタクがやりがちな「語ってる本人だけが楽しそうな独演会」に見えてきてしまう…。


一般的にはこういうのって「牽強付会」やら「我田引水」やら「奉仕バイアス」やらいろんな呼ばれ方をする行為ですが、彼が「本質」を盛り立てようとする熱意は常人のそれをはるかに凌駕してしています。本質のただしさを断言口調で語り、あまりに熱意を込めて語るもんだから「ハックルさんの事をよく知らなければ」、岩崎夏海さんってすごい博識だなあ……この人がこれだけ言ってるんだから正しいのだろうな……って思ってしまう人がいても全然おかしくないと思います。


結果として、彼の本はどれも半分くらいが「あまり必然性のないうんちく語り」で埋め尽くされ、本筋がなかなか進まず、「私は何を読まされているんだ?」という気分になります。



※あえて言うと「妹のジンテーゼ」は漫画家さんがわの努力のかいあっていちばん読める作品になっているので、うんちくが好きだったり、ライトな岩崎夏海節を楽しみたい人はぜひ「妹のジンテーゼ」を読んでみることをお勧めします。

note.com

ハックルさんの創作物についてはまだまだ語りたいことがあるのですが、これ以上言われても困ると思うのでいったんこのあたりで。


今回の記事のまとめ

ハックルさんこと岩崎夏海さんの本を読む際は以下の2点に注意しましょう。

彼はあくまで「彼が見出した本質」とそれを補強する「うんちく」が語りたい作家さんです。なので

①とにかく彼の本を読むときは必ずあとがきから読みましょう。
彼が語りたい「本質」とはなんだったのかがわかります。これを知らずにいきなり最初から読み進めると頭が痛くなってつらい思いをすることになります。


②事実関係はあまり真に受けないようにしましょう
彼は別に細かい事実の検証とかそういうものには重きを置いていないです。
当事者の人以外は、「まぁハックルさんだし事実関係は話半分に聞いておこう」という感覚で読むと良いでしょう。「ゲームの歴史」は脳内でタイトルを「もしドラの作者がゲームをやっていて"これが本質だ!"と思ったこと」くらいに置き換えればそれほど腹も立たないはずです。

当事者の方は・・・いろいろとご苦労様です。

www.highriskrevolution.com



さて、ようやく準備が整ったことだし、明日か明後日から読み始めます。

ともあれ私としてはもう二度と読めないかも、と思っていたハックルさんの新刊が6年ぶりに読めるのでうれしいです。特に今回は他人のお金で読ませていただいている(※前の記事参照)ので、その分じっくり読んで感想書いていきたい!

とはいえ8年待ち続けた「サクラの刻」が2月24日に発売されるのでここがタイムリミットです。なんとかその前に読み終わらねば…


なお、ハックルさんの件でこれ以上はてブ民にこのブログに来てほしくないので本の感想はnoteの方で書きます



www.tyoshiki.com

*1:ほとんど根拠は勘だから説明しようがないのはわかりますが……