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「命令されなきゃ、憎むこともできないの?」(ブルーアーカイブ#3 エデン条約編3.私たちの物語)

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「サラリーマンはマネジメント、上司が命。」という話

今現在会社の方が炎上に近い状態になってるので、改めてちゃんとした上司のありがたみがわかる。



本当に上司大事! 「上司スキルを持った上司」の重要性!



上司スキルはちゃんと育てないと身につかないというお話

1兆回じゃすまないくらい言われてる話だと思いますが、やっぱり上司でとにかく困るのがプレイヤー型の上司ですよね。



私は最初に入社した会社で4年目くらいの時にひどい上司にあたったことがありますね…


プレイヤー型上司の何が困るって、自分で何でも抱えようとして抱え落ちするところ

権限や自由を部下に与えようとしない。そのせいで部下のスキルとか作業状況もちゃんと把握してなかったりする。

なんでも「自分がやります」っていって抱え込んで部下に触らせないからその時点でイラっとするわけですが

実際はどんなに優秀な人でも一人で抱えきれる範囲は限界がある。ボロボロこぼれていくんですよ。

んで、いよいよ抱えきれなくなったところで急にギブアップしだす。

どうもそれまでの間は報告の時だけええかっこしてたそうです。

結果として、部下は普段明確な指示も権限も与えられず、いよいよヤバイという状況になってからしりぬぐいをさせられる。

ホウレンソウのできない新入社員と同じように、ホウレンソウができない新人管理職もたまにいる

ここまで読んで「ホウレンソウのできない新入社員かよ!」って思いませんでしたか?私は思ったよ。

自分(が率いているチーム)が何をできるかとかいつまでに何をやらないといけないかがわかってない。

わかってたらやばいことはもっと手前でわかるはずだし、わかったら部長に報告したり部下に相談して手助けを求めるじゃないですか。

この人まったくそういうのやらずに、ギリギリまで頑張って、手出しもさせないで、全部抱え落ちです。

ほんとひどかった。

会社は単体プレイヤーとして優秀な人と、管理スキルがある人の区別をちゃんとつけてほしい

「なんでそんな人が管理職に?」って思う人いるかもしれませんが、この人は単体では優秀だったんですよ。

スペックが高くて、自分が上司から振られた仕事は余裕をもってこなすことができたし成果もあげてきた。

120のパワーを持ってる人に対して、100の仕事しか降らなければそうなりますよね。

逆に言うと単体では優秀すぎたせいで本人のマシン性能でごり押しできるから計画とかリソース管理を学ぶ必要がなかった。

それが、上の人から見たら「マネジメントができてる人に見えていた」だけだったと。

でも、いくらその人が120だか150だか200のパワーを持ってても

1000の仕事を10人でやってくれって言われたらちゃんと管理職として仕事しないといけないわけで。

この人はそれが全然できなかったというだけです。


結局この時はリーダーの人が頑張って何とか乗り切りました

もちろん部下も黙ってこの状況を見てたわけじゃなく、

最初は上司に対して「もっと権限振ってほしい」「こういう仕事はこっちにやらせてほしい」と言ってました。

それでも全然振ってくれないので暇だったわけですね。

んで、リーダー職の人は「これはあかん。あとで抱え落ちする」とわかっていたので

上司の指示がない状況で、自主的にチームとしてやらなければいけない作業タスクをエクセルで整理して

上司をスルーして個別にメンバーと面談して必要な準備をさせてました。

実際に作業させると上司も気づいてしまうので、とにかくヤバくなった時の準備をやってた。

これのおかげで上司がギブアップして、上から部長が乗り込んできて情報の整理を始めたときに

「後はこれだけ決めてもらえればすぐに作業できます」という状況になっていた。

もちろん、当初の期限までに達成することは無理だったけれど、リカバリーは早かった。

私はこの時に「上司が違うだけでこんなに働きやすいのか」という上司ビフォーアフターを経験できた

なにより、この状況になってからは自分が仕事やっててすごく楽だった。

それまでは「自分の仕事の範囲」が明確じゃなかったから、とりあえず定時まで働いて帰るけど

仕事が終わったという区切りの感覚がなく、ただ漫然と毎日会社に通って終わりのない作業をやってるような感じだった。

目標のようなものがなく、手持無沙汰でなことが多かったのに業務以外の事をやると怒られるので

忙しいわけでもないのにひたすら場に拘束されて何もできない縛り放置プレイを受けてるような感じだった。

ずっとストレスでスリップダメージを受け続けていた。


でも、体制が変わった後は指示が明確で何をすればよいかがわかりやすかったし、

責任があいまいではなく、自分はこれだけやれば役目を果たしたことになるというラインが明確だったから

「1週間でこれだけやればいいから、今日はちょっと頑張ってキリのいいところまで進めて余裕を作っておく」というのができた。

自分で自分の仕事をイメージしてコントロールできる感覚があった。

「自分の担当はこの部分。自分がわからない〇〇の部分はNさんの担当だから、Nさんに質問しよう」ということもやりやすかった。

こんなの当たり前だろって言われるかもしれないけれど、それまで4年間会社員生活をやってたのに、自分が「仕事してる」と思えたのはこの時が初めてでだった。今までの仕事は何だったんだと思えるほどだった。

それまで私は仕事が好きという人間のことが全く理解できなかったけれど、少なくともこの時だけは、仕事をやってて楽しいなという感覚があったと思う。

いい上司と、そうでない上司でこれほどまでに差が出るのかということをはじめて知った。



そういうことを思っていたらやしおさんが「お金を払ってでもやりたい仕事」というタイトルで素晴らしい記事を書いてくれていた。
yashio.hatenablog.com

・自身のレベルアップを実感できる:自己肯定感の醸成
・怒られない/失敗が許される:自己肯定感が毀損されない
・精神的な報酬
・新しい発見がある/好奇心が刺激される
・適度な単純作業がある(素材集めや祠のパズル的要素等)
・暇過ぎない/適度に忙しい
・裁量・自由度の範囲が広い
・意義や意味、目的が与えられている

こういう考え方は今後ますます重要になると思う。

数値や効率だけで考えると「ちゃんとしたガイダンスのもとに、裁量・自由度が与えられる」という点は軽視されがちなのではないかと思うがまさにこの部分こそが、私が上司に求める一番大事な部分だと思っている。ここと「(厳しくてもよいが)自己肯定感が毀損されない心理的安全性」という部分さえ何とかしてくれれば、仕事ならそれ以外の部分は最低限で良い。 残りはプレイヤーである社員が自分で頑張れ、でも最悪許容できる。

別にゲームほどいたれりつくせりでなくても、上司次第では仕事嫌いの私でも「これが仕事ならそこまで悪くない」って思える体験はできるということをこの時に教えてもらったような気がする。


なお、この時にチームを救ってくれた尊敬すべきリーダーはそのプロジェクトが終わった後退職してしまった。今何をしているのか知らないが、きっとどこかで活躍していると信じている。




新版 はじめての課長の教科書

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  • 作者:酒井穣
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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リーマンショック前後にマネジメントや課長の重要性に注目が集まったことがある。その時に出てたすごく良い本。オススメです。

ハックルさんは今では「ゲームの歴史」を書いてやらかした人みたいな扱いだが、マネジメントブームの到来を読みきって「もしドラ」をヒットさせ、一時的にでもマネジメントブームを国内でも起こしたという意味では結構な偉業を成し遂げた人だと思うんだよね……。「もしドラ」の内容自体はクソだと思ってるけどね。

今の日本で、こういうマネジメントの重要性ってどのくらい認識されているのかな。私たちはハックルさんを笑えるくらいちゃんとした組織で仕事ができてるんだろうか。なんてことをちょっと思ったりした。