もう1ヶ月経ったけどようやく読み終わった……。今更だけどとても良かったです。
「孤星」はアークナイツのサブシナリオだ。
この作品世界には主人公が属する「ロドス」以外にも多数の勢力が存在する。
(むしろロドスはこの作品世界に存在する国家と比べると弱い勢力だ)
その中でクルビアという大国に属する一企業として「ライン生命」という科学者集団が存在し、
この集団に焦点を当てたサブシナリオがシリーズで展開されていた。
「ライン生命」に関するシナリオがこの「孤星」でひとまずの完結を迎えた形になる。
(もちろんクルビアという国の物語はまだまだ続くだろうけれど)
「ライン生命」に関する物語は以下の4つのシナリオを読めばとりあえず網羅できる
炎魔事件
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孤島激震
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翠玉の夢
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孤星編(星の庭計画)
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まず単体のシナリオとしても人間ドラマとして素晴らしい。
大筋はクリステンという当代最高の天才のロマンの行末と彼女に巻き込まれた人々の騒動の物語であるが
・孤独を抱えたものが手を取り合う姿を描いた群像劇でもあり
・過去にとらわれる者と未来を目指すものとの対比を描いた話でもあり
・人間社会を置き去りして進歩を目指すものと、科学を人間の手に止めようとするものの相克を通して
少しずつ前進していく人間というものを描いた人間讃歌でもある。
まず単体として読んでも満足度はすごく高いと思う
「アークナイツはじまったな!」っていう興奮がすごい。アークナイツのタイトル回収&ドクターの正体のヒントなど情報がてんこ盛りすぎる!
ただ、やはりこのシナリオが特別なのはサービス開始から4周年を迎える「アークナイツ」が
ようやく次の段階に進むための下地づくりをしているからだろう。
SF作品としての「アークナイツ」がどういう作品であるか
この作品の舞台である「テラ」とはどういう世界なのかを示し始めたのだ。
そして、この「テラ」という世界がどういう状況にあるのかを俯瞰的に語り始めた。
そして、ドクターの正体とは何者であるのかや、源石とは何であるのかについてかなり直接的に答えを見せてきた。
「アークナイツ」というタイトルが意味するものがなにかまで示唆されはじめた。
メインストーリーでは「ウルサス」編が終わり「ロンディニウム編」になっても
物語はなかなか先に進まず、話が進んでもむしろ謎のほうが増えていくばかりだった。ずっともどかしかった。
なのに、再度ストーリーで不意打ち気味に
せき止められていた大量の情報を開示されると情報が処理しきれずに押し流されそうになってしまう。
ただ、なんというかこう……。
今まで小出しにされてきたバラバラの情報が急にまとまりはじめた感じはある。
物語の演出も相まって、プレイヤー側も狭かった視野が急に広がった感覚を味あわされた。
「アークナイツ・エンドフィールド」をやるべき明確な理由も見えてきた。
アークナイツは、4年目になってこの「孤星」シナリオでようやく本格的にスタートしたのだと感じる。
今までのいろんな積み重ねはこのシナリオをもってアークナイツを始めるためにあったのかもしれない。
アークナイツはとにかくテキストがクソ長い。
この「孤星」のテキストを読むだけでも6時間くらいかかる長編だし
ライン生命編だけでも、「孤星」の前に3つのシナリオを通過しておく必要がある。
果たしてこれだけの時間を割く価値があるのかと言われたら、今までは結構悩ましいところだった。
でも今は
「時間はすごくかかるけど、挑戦する価値がある作品だよ」
「アークナイツは今始まったばかりだから、今から始めたら楽しめるよ」
「お願いだからみんなやってくれ」
って言いたいと思う。