現時点では、今期アニメで一番楽しんで観ているのは「ID-0」。
ちゃんとSFやってる作品はアニメの華といえます。「アクティヴレイド」は設定は面白かったものの物語のドラマツルギーが弱く、SFで日常やってどうすんだ感がありましたが、この作品は、ちゃんとSFやって、しかもストーリーがぐいぐい進んでいくので惹き込まれます。その分登場人物のキャラ魅力は弱いかもしれませんが、こっちで勝負せずとも楽しく見れるのが素晴らしい。
という話は置いといて。
今期はオタクを「メタ」に扱っている作品が3作品もならんでいて、それぞれ切り口が違うため、合わせて観ると面白いなと感じます。
(1)ReCREATORS(被造物視点)
ラノベやゲームとして作られた世界の人間が現世界にやってきて、作者と対話を行う。主人公は作者ではなくただの一読者であり、その作者と被造物たちのやり取りを観測する立場。登場人物達は当然このメタ構造は認知している。
様々なラノベやゲームからキャラクターが登場して戦ったりやりとりをするので「fate Grand Order」や「とある魔術の禁書目録」のような楽しみ方もできるが、やはりポイントとしては両者の位置づけでしょう。間口はもっとも拾いものの、残念ながら現時点では説明が長くテンポが微妙。今後に期待。
(2)冴えない彼女の育て方2期(作家視点&被造物視点)
主人公は、「作品のメインヒロイン」「絵師」「シナリオ」「音楽」を担当する女性を集めてギャルゲーを作ろうとする。そのギャルゲーの内容は、登場する女性キャラと主人公との恋愛関係にリンクしてくる。登場人物もその構造を認知している。
あらかじめ視聴者を「オタク」に限定しているためか、登場人物の会話もメタメタしく、いろんな「萌え」のお約束を了解していないと見るのが大変かもしれない。しかし逆に言うとそのあたりを理解できていれば、非常にテンポが良くて楽しい作品。
(3)エ○マンガ先生(作家視点)
やたらとキャラが萌えというかロリロリしているがそれは作者の病気。根本的にはメタオタクもの。
中学生の原画家、ラノベ作家など、通常のレールから外れたところでクリエイターとして勝負している人間たちが登場する。主人公自体もラノベ作家だが彼は通常の価値観。ぶっ飛んだクリエイターたちが彼を翻弄することを通じて読者の常識も揺さぶってくる、という構造。この作品については主人公たちは構造を特に意識していない。
TVアニメ「エロマンガ先生」 PV第1弾
どれが優れているという話ではなく、「オタク」そのものをネタにするにしても、いろんな視点があるということがわかると思います。組み合わせて見ると、つながりから見えてくるものがあると思います。
もちろん、あまりメタな部分だけ頑張ってストーリーが貧弱だと困るのですが、今のところ(2)は問題なし、(1)と(3)はまだパンチが弱いけれどここからの続きには期待できる、という感じですね。