最近らーめん才遊記ってマンガをずっと読んでました。
マンガとしてはすごく上手いという感じはなかったんですが、描こうとしているものが明確で、それがだいたい1巻ごとにまとまっていることもあり、とても読みやすかった。
私はラーメン自体にはそれほど興味ないのですが*1
・「人を惹きつけるものとは何か」
・「なにが人をわくわくさせるのか」
といったテーマ設定が非常に面白く特に、
メインどころではないがらーめんたかじ編で出てきた「濃口らーめんと淡口らーめん」の1:9の話などが特に印象に残ってます。
また、後半からは「女性の活躍」という点にも力が入っておりフェミニズム的な側面でも見せ場があり、ラーメン好きでない人も楽しめる作品だったと思います。
未知への感動と既知への安堵の両立
で、このらーめん才遊記にこんな話がありました。
料理をうまいと感じる際、そこには未知への感動と既知への安堵という両面がある。○○は、その二面性を両立させるセンスがずば抜けているんだ。
これはマンガでもちょっとあるよなぁと思います。
私は本当に普通にマンガが好きなだけなので、オリジナリティをもとめつつも、斬新過ぎるヤツとかなじみがないものにはついていきにくい。
コンテンツを作られる作家さんは、一話目からこの両立を迫られるわけで、本当にすばらしいなと思います。
というわけで、いまさらですが1話目が素晴らしい作品ということでBEASTERSの紹介
登場キャラが全て獣というのはなんとなく苦手なので敬遠していましたが*2、読んでみたら第一話を読んだだけでもだいぶ引き込まれました。
・獣だけの世界という臭みはありながらも、
・われわれの世界でもなじみの「殺人事件」「演劇」「人種差別(対立)問題」といった要素で作品世界に引き込み、
・その上で一話の中で、認識をひっくり返してくるような展開を入れてくる。
・その展開の力によって、かなり癖があって掴みにくい主人公の魅力をしっかり伝えてくる。
まだ1巻しか読んでませんが、一度気に入ってしまえば、
獣だけの世界っていうオリジナリティを使ってどんなことをしてくれるのか楽しみで仕方ありません。また最新刊まで読んだら感想書くつもりです。

- 作者:板垣巴留
- 発売日: 2017/01/06
- メディア: Kindle版
こういう1話でがっちり心を掴んでくる作品って他にどんなのがあったかなぁ・・・・・・。
最近で言えば、「約束のネバーランド」や「ハッピーシュガーライフ」あたりは印象に残りましたね。
とにかく、導入部分である1話の完成度が非常に高い。この1話だけでも読んでみてほしい(2巻に1話のプロトタイプがあるけれど、全く話の強度が違う)
あと、「琴浦さん」のアニメ1話や「がっこうぐらし」、「聲の形」も話題になりましたね。

- 作者:えのきづ
- 発売日: 2015/04/30
- メディア: コミック

- 作者:海法紀光(ニトロプラス),千葉サドル
- 発売日: 2015/04/04
- メディア: Kindle版

- 作者:大今良時
- 発売日: 2014/01/17
- メディア: Kindle版
1話がすごければ作品全体が必ずしもすごいというわけではありませんが、たとえば「ダブルアーツ」みたい第一話だけは文句なしに魅力的って作品もあります。

- 作者:古味 直志
- 発売日: 2008/08/04
- メディア: コミック
こんな感じで、みんなもっと「第一話」に絞って作品を評価していくべきだと思うんだ。
というか、こういう面で考えても「鋼の錬金術師」や「マスターキートン」ってすごかったよね……。
第1話で満足度高い上に、続きが読みたくなる仕掛けがあれこれと。 どうやったらこんな作品作れるんやまじで。

- 作者:荒川弘
- 発売日: 2012/03/12
- メディア: Kindle版
というわけで、みなさんの「この作品の第一話はすごい」というものがあればまた教えてほしいです。私も時々追記していきます。
<追記1 6/13 19:00>
地味って言われるかもしれませんが、「放課後カルテ」。
1話読んだときにめっちゃ心が掴まれました。今でもまだ続いてるのがすごい。kindle unlimitedだと3巻まで無料なので、読んだことない人はぜひ読んでみてほしいです。