最初のツイートからこの作品を知ってる人と、最近存在を知った人との間にある温度差について
現実の事件および当時ネット上でよく言われたセカンドレイプ言説のことをしらない人が、単行本化された「幸色のワンルーム」を読んだ場合、まず間違いなく深刻なセカンドレイプものだとは考えないだろう。だって、「誘拐」は主題なんかじゃなく、たんなるガキのオ◯ニーレベルの妄想を実体化するための舞台装置でしかないから。こっちの漫画は誘拐犯は主体ではなく、家出補助であり少女にとって都合のいい道具でしかない。
一方、事件からわずか9ヶ月後に作者が投稿したツイートをリアルタイムで見た人は逆に絶対にこれはあの事件をネタにしたと思うはずだ。このツイートを当時見ていた人は絶対に許せないという気持ちになるのはすごくよく分かる。
世の中いろんな人がいると言う話 pic.twitter.com/7fMhNV7QlA
— はくり@幸色のワンルーム❹発売中 (@89hakuri) 2016年9月20日
このツイートをシリーズ連投の1つ目に持ってきたのはかなり問題が有る。これで事件に便乗してません、というのは流石に無理がある。なぜならこの時点では(少なくとも読者にとって)「幸」というキャラはまだできあがっていない。被害者に対するセカンドレイプ的な言説が多くあり、まだそういう意見がネットに残っている状況で、「幸」というキャラの説明抜きにいきなりこれを1つ目に持ってくる意味が本当にわからないなら、もう作者はサイコパスかなんかだろう。このツイートの4コマを冒頭に持ってきたのは確実に話題狙いであり、わざとであるのは間違いない。
いくら「世の中にはいろんなひとがいる。この4コマのキャラはあの事件の被害者とは関係がない」と言ったところで、読み手には当然「あの事件の被害者」を想起させる。このツイート単体で見れば、多くの人が言う通り「被害性を毀損する」言説に便乗しており、それを後押しする。
ちなみに作者はこの1ツイートその後ものすごいハイスピードで連投しまくっている。最初のツイートだけで止めたらそれこそやばいというのはわかっていたのだろう。「これはあの事件の被害者じゃなくてあくまで幸という別のキャラの話なんですよ」っていうことを一生懸命主張しているように見える。さらに、この一連のツイートの人気を前提にしてシリーズ化・単行本化された作品では、現実の事件と切り離して「幸」というキャラクターを作り上げ、事件との関連はかなり意識して脱臭されている。 この作者は、全部わかっててやっている。そのうえで、それが悪いことだと思ってないのが伝わってくるのでかなり人格的にやばい。
ただ、作者もスクエニも、それを広告しまくってるWeb漫画系の会社も。あまりにも物事を甘く考えすぎだ。人気が出た発端は間違いなく事件に便乗したツイートであり、読者も当然それを意識している。そういう背景を持っている以上、かなり微妙な作品であることは間違いない。その微妙な作品を、なんの問題もないように扱い、大々的に広告し、あまつさえドラマ化してさらに広めようとする、そのデリカシーのなさには、ドラマ化が中止されるべきではないと考える私からしても呆れた、としか言いようがない。
繰り返しになるが、最初のツイートから見ている人が、この作品について「気持ち悪い」と感じる気持ちはとても良くわかる。そして、批判している人たちだって、気持ち悪いとかは言ってたけど出版するなとかそこまで言ってる人は多くなかったし、大枠として「気に入らないからと言って作品の存在も許さないのは極端すぎる」というのは了解されていたと思う。しかし、ドラマ化とまでいくと、「この作品が普遍的に受け入れられている」という形になるわけで、いい加減にしろ、そこまでは認められない、と堪忍袋の緒が切れた状態だと思う。そういうことをするから、「やっぱり作品そのものを叩き潰さなければ」って考えを持つ人が出てくるのだと思う。この作品は「アングラ」という認識くらい持とうぜ。
批判している人だって「この作品気に入らないから文句は言うけど単行本化されてそれを支持する人がいる」という形でギリギリ妥協していたのに、なんでこんな藪をつついて蛇を出すような暴挙に出たのか。 TV局の人も、出版社の人も、数字だけを見て作品とちゃんと向き合ってないんじゃないの?本当にこの作品ドラマ化する価値あると思ったの?
上でも述べたとおり、私はこの作品全然好きじゃないし駄作だと思っているしルール違反していると思っている
この作品は、対して面白くない上に、作者およびスクエニは取るべき責任を取らずに美味しいところだけ取ってる卑怯ものだと思っています。
「幸色のワンルーム」は問題がない、ということではない。「問題はあるが、それを理由に規制されるべきではない」というだけのことだ。そのかわり、ちゃんと認めさせて履いているゲタは脱がされて、「善悪の屑」と同レベルで評価されるべきだと思っている。つまり「この作品はセンセーショナルな事件をもとにして話題狙いで描かれたという色眼鏡で見られるべきだ。
最初からこういう評価であれば出版社だってテレビ局だってドラマ化など考えもしなかっただろうし、作者もドラマ化のオファーが来ても受け入れなかったと思う。いくら売れてるからと言って「善悪の屑」をドラマ化しようと思います?せいぜい映画化でしょ? あくまで「グレーゾーン」「アングラ」の作品としての自覚があったら普通に自重するでしょ? 作者も出版社も、この作品のもつ人気の背景とそれが持つリスクを甘く見すぎているのだから、ドラマ化をきっかけにボコボコにされるのは自業自得。
正直この作品が、エログロ描写がないというだけで許されて、「知るかバカうどん」さんの作品が最初の掲載誌でNGになるというこのバランスの悪い現状はほんと納得行かない。そのくらい、この作品はたいした価値のない駄作だと思う。
ただ、ドラマ放送に関する批判のされ方は妥当なものとは思えない
ここまで私も幸色のワンルームについてボコボコに批判してるし、怒ってる人たちが、最初からキレてたわけじゃなく、さんざん我慢してたのに鬱憤が溜まって爆発したというのも理解しているつもりだけれど、それでもなお「雑な理由でこの作品を批判している人」が多すぎてうんざりしている。
叩いてる人はまず最初に、この作品に対するヘイトがかなり高まっていて、嫌いな作品が話題になったから、もっともらしい理由をでっち上げて叩いているように見えるパターンが非常に多いと感じる。
だって。
この人たちは「本当に自身が掲げてる批判理由で怒っているのであれば」、他にもいくらでも批判しなければいけない作品があるからだ。しかしこの作品だけを熱心に批判してる。つまり、批判してる人たちの本当の理由はそこじゃないし、本当は自分が何にそこまで怒っているのかよくわかってないんだと思う。「わかってるつもり」でわかってない。
『幸色のワンルーム』はほんとうに否定されるべきセカンドレイプなのか。|海燕|note
この記事読んでちゃんと否定できる人どのくらいいるかというと、多分そこまで考えてないって人のほうが多いはず。
わかりやすく言うと、幸色のワンルームは「(元のツイートはともかくとして)出版されている作品そのものはセカンドレイプに相当しないが、知名度を得て作品が売れるようになった経緯は間違いなくセカンドレイプ的言説を利用している」という評価が妥当だと思われる。こういう特殊な作品をどう批判するかについてちゃんと考えて欲しい。
だから私は「幸色のワンルーム」についてはこういう意見をもとに存在を否定することはできないと思う。
id:taisai429 創作で3000人殺しても少女拉致監禁してもいいが、それが実際の戦争や事件の被害者への侮辱になってないかどうかは常に問われる。創作は荒唐無稽でいいけど、その荒唐無稽さが他者へ向くのは別の問題ってこと
id:bigapple11 見当違いの擁護ブコメは当時の経緯を知らない人?事件当時の被害者中傷、「あれは実は同意だった」というネット民の妄想から「通報したのは女の裏切り」とかそれは酷いものだった
少なくとも単行本化された作品については、かなり意識してキャラクターと現実に起きた事件と切り離して描いている。作者は大変卑怯で人間の屑だと思うし、ネットでセカンドレイプ的な言説を現実の被害者に向けていた人たちは批判されるべきだし、この作品をbigapple11さんが例の事件に結びつけて受け取るのは自由だが、その責任を作者に求めるのはおかしい。 私は当時の経緯を確認したが、その上でそこは切り離して考えるべきだと思う。
ただ、ドラマ化は明らかに現実の事件との関連をほのめかしながらそれを商売にしようとしているように感じる。これは現実の被害者をまた世間の好奇の目に晒す危険がある。作品そのものは良くても「ドラマ化」という行為はダメだ、という批判は十分に可能だと思う。
長くなってしまったけれど、ここまでは前置きです。
この作品に関しては「嫌なら見るな」は通用しないと思う。だって嫌がってる人にも広告で見せまくったんだから
ここからが本題なんですが。
私はこの作品「読む前から」大っっっ嫌いでした。
なぜかというと。興味もないのにtwitterや色んな場所でやまほど広告を見せられて死ぬほどうんざりしたから。
ブロックしてもどういう仕組みかしらないけどしばらくしたら出てくるのほんとやめろ。
最近ちょっとましになってきたけどWeb漫画の広告ってソシャゲーと違って嫌がらせみたいな内容が多い。
あれほんっと嫌い。
ああいう嫌いな広告出してる会社が潰れてくれるならCoinhive認めてもいいくらいに嫌い。正直Web漫画の広告は倫理規定さっさと作らないなら一部のやりすぎ会社の暴走をそのまんまにしている連帯責任で全面的に禁止にされてほしいし、まんが王国(運営会社は上場企業のビーグリー)とかコミックシーモアとかは会社で謎のガスが発生して広告担当の社員が一日中自社の広告が視界にちらつく病気にかかって欲しいくらいに嫌い。あくまで「そのくらい嫌い」ということであって実際にそうなるべきだとは言わないけど、もうホント嫌い。
んで、「幸色のワンルーム」はそういう嫌いな広告の中でもすごいよく目立ってた。見るたびにイライラしてた。
(最近見かけないけど、誰か当時の広告の画像や文字列保管してる方がいらっしゃったらURL教えてください。)
ここまで嫌いになると、ちょっとおもしろいくらいの程度では全然許せない。しかも広告でやたらとPV推しだったので、この作品を人気作に押し上げてる読者たちにまでヘイトを感じる始末。私は「作品」と「読者の願望」あたりは当然区別すべきだという主義であるにも関わらず、この作品に関しては、読みもしないのにこの作品の読者に見下しの感情を覚えるほどにこの作品が嫌いだった。
作品に対する理不尽なバッシングさえなければ、こんな作品絶対に読んでやるものかと思ってたよ。
で、大事なことなので二回いいますが。
実際に読んだらやっぱりたいして面白くもなかったんですよこれが。
見たくもないのに、無差別に垂れ流される広告によって強制的にたいして面白くないものを何回も見させられ、
それが広告によってさらに押し上げられ人気になりますます視界に入る数が増えてくるというクソサイクル。
さらにそうやって人為的に人気お仕上げた作品が、その人気を背景にしてドラマ化までする、と。
なんというマッチポンプ。
あ ほ く さ
ってなるじゃないですか。
この作品について読みもせずに、あるいは読んだとしてもずれた批判する人間がやたらめったら多いのは、絶対に広告のせいだと思う。先入観の時点でムカついてるしろくでもないと思い込んでるし、何がなんでも批判したくなってるから理屈吹っ飛んでる人絶対多い。
私は、他の作品だったら読みもせずに批判してるような人はアホだとか馬鹿だとか言ってたかもしれない。でも、この作品に関してだけは、そういうことしてる人みても、何となくそこまで否定で来ない。どんな理由であれ、この作品が順調にうまくいくみたいな流れは阻止したくなる気持ちはわかるよ。もう理屈じゃない。 この作品の内容そのものすらどうでもいい。 とにかくこの作品嫌い。足引っ張りたい。
そういう気持ちはわからなくはない。
でも、だからこそ、なんかよくわからん理屈で変な前例作ろうとしないで欲しい。
マルクスさんの時に散々言ったけど。
結論には同意できることでも、クソみたいな理屈をこねられると、その理屈が間違ってるなら否定しないといけなくなるんだってば。
理屈なんかないくせに理屈があるように振る舞ってるやつは迷惑だから、とにかくムカつくからこの作品嫌い!だけ言っておけばいいよ。
というわけで。
今回の件で一番悪いのは、見たくない人に何度も作品を見せまくったWeb広告界隈の人たちだということは声を大にしていいたい。
Web漫画広告は調子に乗りすぎだしいい加減自重しろ。今のようなやり方が許されてはいけない。
男も女もオタクも非オタクも、まずは手を取り合って、もはや公害レベルの迷惑系Web漫画広告を潰すべき。
そんなことよりテレビ局の対応がひどすぎてほんとクソ
ちなみに、この作品の擁護に表現の自由がーみたいな話をしてる人もどうかと思う。
上のように変な理屈こねてる人がいるからどうしてもそういう物言いになるのはわかるけど、今回の件ってそういう話じゃない。
今回は大量のクレームに対して、テレビ局が経営判断で制作陣のはしごを外しただけだけだ。漫画は今までどおり連載が続いている。
その文句を言うのであれば、批判をしている人たちよりもまずテレビ局を批判すべきだ。
私は今回のテレビ局の対応は考えうる限り最低最悪だと思っている。
この作品の内容について、どういう経緯で注目され人気が出たのかちゃんと理解しているなら、批判のリスクくらいわかってたはずだ。
ここまできてそんな腑抜けた判断をするなら、最初からこの企画にGOサインを出すべきではなかった。
作品が面白いと面白くないとか以前の問題で、こんなことされてどうやって士気を出せというのか。
何度も言うけどこの作品のこと好きでもなんでもない私だけれど、さすがに作者もスタッフさんも可哀想過ぎる……。