TL見てたら「ああっ女神さま」の話を見かけたので何となく思い出し語り。
申し訳ないんですが、私は25巻以降は読んでないので、それ以降の展開はラストで二人が結婚して終わったことしか知りません。
「ベルダンディー」とかいう属性てんこ盛りの化け物ヒロイン
あえて「属性」という言葉を使いますが。ベルダンディーの属性がやたらと抱負なんですよね。
「癒しの女神」でもあり「ママ」でもあり「恋人」でもあり「家族」でもあり。
そのうえ、途中から三姉妹が登場したことにより「妹」でもあり「姉」でもあり。
性格においても、最初は現代の常識とズレがあるポンコツぶりを見せていたのが姉妹の中ではいちばんしっかり者となり、
さらにペイオースが出てきてからはエリート女神としての側面も見せる。
さらに作中では自動車部のマネージャーとして、先輩や後輩としての顔も描かれたり。
さらには、神同士でのやりとりもありました。
世界そのものの存在の安定をつかさどる二柱の片割れなのにこんなところで何やってんのとか。
幼少時から彼女を好ましく思っていた悪魔の存在を差し置いて女神に愛される主人公ってなんやねんと。
ありとあらゆる妄想を掻き立てる要素がてんこ盛りですごかった。
自分がこの作品にはまってた頃は、美少女ゲームによるマルチヒロインものの影響や学園ものラノベなどが多かったせいかほかのキャラが、とにかく特定の属性をもってピーキーさを競ってるものが多かったです。
そんな中で一人の女性の多面な表情や変化を延々と描く(といってもどこまでも男主人公に都合が良いんですが)という路線で王道を往くこの作品は、圧倒的な存在感があったような気がします。
特に15巻くらいまでは作者の絵がどんどんうまくなっていく過程でもあり、みるみるうちに魅力的になっていくベルダンディーの姿に虜になっていきました。
王道を行く「仮契約→試練→真の契約」をきっちり描いたストーリー
さらにストーリーにおいても20巻くらいまではきちんと盛り上がりを感じられる展開になっていました。
fateにおいて「サーヴァント」という概念によってシステム化され*1FGOでも定番となっているストーリー類型として「契約→破棄→再契約」というパティーンがありますが
①「契約」により、圧倒的に分を越えた存在の力を借り受け、ともに歩む(仮の契約)
②もちろんその契約は不当として、一度妨害や契約破棄などの障害・試練に直面する
③試練を乗り越えて信頼関係を深めたのち、「再契約」(真の契約)を交わす
fateより前にでた「ああっ女神さま」でもこれをきちんとやってるんですね。それこそ世界の危機を乗り越えるような壮大な試練でした。この王道的ストーリー展開をなぞる熱い展開は読んでてとてもわくわくさせられました。ずば抜けた魅力を持つヒロイン。しかもそれが多様な側面を見せ変化し続け、さらにストーリーにおいてもきちんとドラマトゥルギーがある。というわけで、本当にものすごく面白い作品だったと思ってます。
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正直、そのクライマックスを越えた(ヴェルスパーとのあれこれが解決した後)の20巻以降は、いろいろ話はありながらも「繰り返し」とか「ループ」を感じさせて盛り上がりにかける展開に感じられて、私は途中で読むのをやめてしまいましたが、結局後半ではどんな物語だったんでしょうか。最終巻ではとりあえず結婚して終わり、となったそうです。そんなわけで、作品に最後まで付き合いきれてない私がこんなことをいうのも何なのですが、やはり歴史に残る名作だったと私は思うんですよね。
「ああっ女神さま」を継ぐものとしての「魔法使いの嫁」とか「姉なるもの」とか
どちらもポテンシャルの話であって、「ああっ女神さまっ」と比較するとちょっと物足りないところはあるのですが。
同じような香りを感じてとても期待してます。
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両作品とも「完全無欠」とか「全方位」に欲張るのではなく、ニッチな方向に特化してはいますが、やはりベースとしては
「いろんな顔を見せる、他者のとしての異性」をこれでもかと描いている作品であり、めちゃくちゃ好きですね。
特に後者はもともとはエロ同人らしいのですが、エロ抜きの一般向け作品としても成立してるってのはそういうことだと思うんですよ。
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さらにいうと、以前も紹介しましたが「ゼノギアス」のエリィについてはさらに時空を超えて属性が多重に構築されており、たまらんですね。
*1:もっともこれ自体は神話のころからあるし、「空から落ちてきた少女」系や「3×3eyes」だってそうなので、fateがオリジナルとか言いたいわけではないですよ。「あくまでものすごくわかりやすい形に落とし込んだ」ということです